私の話 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
3.52
  • (11)
  • (17)
  • (39)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 188
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309407616

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 彼女が突然この世から去った時は、普段のweb日記から感じる豪放なイメージからは想像もできなかったのだが、その小説を読めば彼女がいかに繊細な人だったが良く分かる。

    著者自身が「私小説」と言っているから私小説なんだろうと思うが一般的な私小説のイメージとは違う話。「自伝小説」かというとそれも違う。
    文字通り執筆した時々での「私の話」だ。
    繊細な神経で、頑張り屋で、とにかく一所懸命なんだけれど、周りの人にはそれと悟られたくない、とても面倒な性格の鷺沢萠という作家がどうして出来上がったのか語られる一冊

  • 表紙裏
    家庭の経済崩壊、父の死、結婚の破綻、母の病・・・何があってもダイジョーブ!次々苦難に見舞われた作家の波乱の半生を、ユーモラスな語り口で淡々と描き、涙を誘う、著者初の私小説。急逝した鷺沢萠自らが、「愛着の深い本、文筆業をはじめて15年の記念作品」と記した、作家の到達点ともいうべき傑作!解説=酒井順子

    目次
    私の話1992
    私の話1997
    私の話2002

  • これを読むまで鷺沢さんのルーツについては知らず。
    デビュー作を読んでみようと思った。

    在日の視点、コミュニティについての話は興味深かった。

    「星占いのいいことを信じる」

    民族民族というのではなく自分の一つの属性として。

    識字学級の話。教える人が学ぶというのはその通りだと思う。

    一人の人間の素の意識、受けた言葉、そんなものがダイレクトに伝わる話だった。

  • 私小説らしい私小説をはじめて読んだかもしれない。はじまりからは終わりが全く見えないおもしろさがあった。
    今、フジテレビ関連の韓国偏愛についての問題のことを時々考えていて、そうしているとだんだん勝手に韓国に対してあまりいい気持ちがしなくなっていた。もともとはメディアの体制の問題であるのに。そうした、正体の見えない「ガキな」嫌悪を払拭してくれた一冊でもある。
    また、本筋とはズレるかもしれないが、印象に残っている言葉がある。「弱者には同情ではなく愛情を注ぐこと」この言葉を受けた時、わたしはまだこれを受け入れられるほどには大人になれていないなと思った。弱者の側からこの言葉を言うことは、自分の弱さと相手の強さを認めて、庇護を求められる、覚悟というか、強さがいると思った。

  • ん −。不幸自慢も明るくない。私の読みたい本ではなかった

  • 母の乳癌や自分に流れる韓国朝鮮人の血を明らかにした時の祖母からの一言。自分のつらい3年をあますところなく、語っている。つらいことが集まる時何かに見放されていると感じる時、読んだらよいと思います。

著者プロフィール

鷺沢萠(1968.6.20-2004.4.11)
作家。上智大学外国語学部ロシア語科中退。1987年、「川べりの道」で文學界新人賞を当時最年少で受賞。92年「駆ける少年」で泉鏡花賞を受賞。他の著書に『少年たちの終わらない夜』『葉桜の日』『大統領のクリスマス・ツリー』『君はこの国を好きか』『過ぐる川、烟る橋』『さいはての二人』『ウェルカム・ホーム!』など。

「2018年 『帰れぬ人びと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

私の話 (河出文庫)のその他の作品

私の話 単行本 私の話 鷺沢萠

鷺沢萠の作品

ツイートする