青空感傷ツアー (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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レビュー : 62
  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309407661

感想・レビュー・書評

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  • 若さととびきりの美貌があれば怖いものなし!

    一瞬で周りの人を虜にできる美貌の持ち主 音生 と並の容貌ながら根っからの面食いの 芽衣。
    2人の行き当たりばったりの旅と、男性観…「きょうのできごと」と同じく気取らない関西弁が生き生きした、リアル女子トークが楽しい。

    そうそう、美人より並の見た目の子の方が面食いだったりするんだよね。

    最初は美人だけどあまりにも強引で傲慢な音生に反発を覚えたけど、芽衣のちゃらんぽらんさもなかなか。でも憎めない2人組です。

  • 『フルタイムライフ』『主題歌』(表題作のみ既読)に引き続き柴崎友香祭。順番が出版年順でないこともあり、とにかく、共通項ばかりに注目しがちか(作者じゃなくて作品読めよと)。

    p.8「とにかくきれいなものを見ているのが好きなわたし」もうこのひと言で、『主題歌』のあの子たちが浮かんでしまう。

    文庫版、長嶋有氏の解説がいい。なんというか、このあたりの人たちのグループ感もわかってきた。作品への姿勢、視線が似ているんだろうな(まだまだ読めてない!)。
    p.173「事物への『目の向け方』、『感じ方』、すべてにふさわしい扱い、ふさわしい言葉が与えられている。」「『あるある!』という共感にとどまらない実在感」「端的に実感した把握」
    こうやって、どこか素敵な作品のその「なにが」素敵なのかを、明確に、簡単な言葉で「端的に」表してくれるところが、この人(それこそ「たち」)の良さのひとつであると思う。

  • 柴崎友香の著書の中で一番好き。主人公のグダグダ感が人ごととは思えない。

  • 私の好みから言うと、こういうゆるふわガーリーな筋はむしろ苦手だ。
    が、柴崎友香に限定して、惹かれてしまうものがある。なぜだろう。

    一見、音生という奇矯なキャラクターや、旅先のきれいな風景、が読みどころに感じられるかもしれない。
    そういう表面的な読み方で満足することもできる、のだろう。
    が、私は柴崎友香が何気なく書き記す、視覚描写の的確さ、に惹かれているのだと感じながら読み進めた。(つまりは保坂和志と長嶋有の解説の通りなのだが。)

    例のごとく読書感想をネットで漁っていて、膝を打つ記事があった。
    (以下引用)
    いわゆる“行きて帰りし物語”的な、旅を通しての成長、変化が描かれる小説ではない。
    けれどかといって、音生の強烈なキャラクターを描くためだけに芽衣が語り手になっているわけではなくて、
    一言で言ってしまうと、“芽衣がとにかくいろんなものを見る”という小説
    (以上引用)

    永井くんにトルコで見たものを話す場面があるが、見るという行為、それを他者に話すという行為、の間に時間的な間隙がある。
    それはもちろん当たり前なのだけれど、この柴崎友香は間隙のせいで生じるズレの間隔を、「なかったことにしない」。
    するとそこに「記憶」という要素が加わるので、描写も会話も多層的になる。
    この「多層性」こそが、「確かに今ここに誰それがいる」という感覚をもたらす。
    登場人物の関係性でいえば、今ここにわたしとあなたが確かにいる、読者の読み方でいえば、すべての登場人物が確かな時間を積み重ねた上でいま本の中に開かれていく、という感覚が得られる。
    柴崎友香の作家性というか魅力はそのあたりにあるのではないだろうか。

  • 超美人、なだけにゴーマンな音生と音生に振り回されるのにこりごりにもかかわらず、その可愛さにやられてしまうっている私、芽衣。音生の失恋と私の失職をきっかけになぜかトルコ、四国、石垣島と旅することになる。

    突拍子もないストーリー展開に思えるが、旅行先と旅行から旅行への繋ぎがそう思える部分。それぞれの旅先では違った意味での我がまま二人組珍道中という感じ。

    あえて共感ポイントを探すとすると、もしかしてこれが親友?というアプローチかな。

    最後には見た目じゃない、言うこと聞くやつでもないという、本質的な人との付き合い方を示唆したような感じもするけど、たぶん改まってそんな大上段に構えているわけじゃないしー、といった主張も聞こえてくる。

  • ページをめくる手が止まらない、それくらい面白かった!柴崎さんの作品って内容自体は何てことはないのに何故だか面白い。大阪弁の会話の心地よさも抜群。そしてリアリティ。この子たち絶対知ってる子やわ…って思ってしまうねんなぁ。

  • 音生のことも芽衣のことも最後までそんなに好きになってあげられなくて読んでて複雑なまま終わった。

  • 失恋?女2人がひと月旅行する話。
    大阪、トルコ、徳島、沖縄。
    モデルのように綺麗な音生と、顔に弱い芽以。2人とも男運はない。
    恋が普通の子には分かる話なんだろうが行かず後家には何も得られなかった。

  • 主人公にはイライラさせられるけど、いかにもこれが今の人の物事に対する処し方だなぁと納得。読んでいて気持ちよくはないが、表現が魅力的で、最後まで引っ張られた。

  • ストーリーはともかくね、会話が、しかも女の子たちの会話が続いてくことほどいいことは他にないってくらいたのしかった。最初は嫌やったけど最後はたのしかった。

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著者プロフィール

柴崎友香(しばさき ともか)
1973年、大阪府生まれ。大阪府立大学総合科学部国際文化コース人文地理学専攻卒業。大学卒業後4年OLとして勤務。1998年、「トーキング・アバウト・ミー」で第35回文藝賞最終候補に残る。1999年、「レッド、イエロー、オレンジ、オレンジ、ブルー」が『文藝別冊 J文学ブック・チャート BEST200』に掲載され、同作が収録された『きょうのできごと』が2000年刊行、単行本デビュー。その後同作は2003年に行定勲監督により映画化された。2007年『その街の今は』で芸術選奨文部科学大臣新人賞・織田作之助賞大賞、2010年『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、2014年『春の庭』で芥川賞を受賞。
主な著作に『次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?』『わたしがいなかった街で』『週末カミング』『パノララ』『かわうそ堀怪談見習い』『千の扉』『公園へ行かないか? 火曜日に』など。『寝ても覚めても』が東出昌大主演、濱口竜介監督で映画化されカンヌフェスティバルに出品された。2018年9月1日公開。書籍の増補新版も刊行されている。

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