夢の宇宙誌 〔新装版〕 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 341
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309408002

感想・レビュー・書評

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  • 澁澤さんご本人もお気に入りの本書に収録されている主要なエッセイのテーマは、ズバリ「玩具」「天使」「アンドロギュヌス」「世界の終わり」…なるほど私が好きな、澁澤さんの独壇場と言った趣の錚々たるテーマでございます。贅沢ですねぇ。
    個人的にはやはり「玩具について」を大変興味深く読みました。デーモニッシュな玩具の歴史を辿り、最終的にはベルメールで締めるのが、これぞ澁澤龍彦のエッセイといった感じがします。「アンドロギュヌスについて」では様々な学問体系を通してアンドロギュヌスを考察していく感じが読んでて楽しかったなぁ。

    「芸術か猥褻か」といったような二律背反的な問題提起は、芸術の本質的にふくむ危険な傾向に目をつぶった、要するに綺麗事にすぎないので、むしろ、「芸術は猥褻から出発(誕生)して猥褻に終焉(死ぬ)する」といったテーゼの方が、はるかに本質を衝いていると見るべきであろう。(p92)

  • かくも衒学的な娯楽エッセイ。宗教とエロス。ユートピアとディストピア。そしてそれらを飄々と語る澁澤の王子っぷり。素晴らしい!

  • 玩具について(註―ホムンクルスについて/グスタフ・マイリンクの『ゴーレム』について/アレクサンドレイア時代について/怪物について/貝殻について)/天使について/アンドロギュヌスについて(註―球形について)/世界の終わりについて(註―中世のエロティシズムについて)

  • 珍しいものの収集は、著者自身の趣味なんでしょうね。
    そして、それを選定して陳列する このセンスのよさ。
    嫉妬してしまう文章です。

  • (市◯/県◯)

  • わくわくする不思議な講義を受けているような。知らないで死ぬのは詰まらない。自分も深く調べ、いや、せめて、ここで挙げられる文献を読めばもっと愉しいだろうと思う。が、無理なのでせめて自分の専門だけでも頑張ろうと決意するのであった…

  • 一人の人間の連想ゲームを横からこっそり覗くような本。

    その人間がただ者じゃないので半端なく引き込まれる。
    どこまでも広がる思考の海に出掛けて行きたくなる。

    真似してみても精々水溜まりにしかならないけれど…

  • 澁澤龍彦のエッセーは何でこんなに面白いんだろう。「しばらく、この夢想をして気ままに遊ばしめよ!(p.238)」

    「玩具について」、「天使について」、「アンドロギュヌスについて」、「世界の終りについて」の四編。

  • 貴族や王族の本質・性質について知る事が出来る。テーマに対して人物と歴史と宗教とを背景に描いている点が面白い。

  • 玩具、天使、アンドロギュヌス、世界の終りについての考察。
    それぞれに添付されている画像がまた雰囲気が良くて作者の持つ独特の世界と合っていると思う。
    それぞれ根底にエロティシズムが隠されているような、既知のモノが実は思いもよらない特徴を有していたような、そんな何とも言えない不思議な心地良い衝撃が好きだ。

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著者プロフィール

1928年、東京に生まれる。東京大学フランス文学科を卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介。また「石の夢」「A・キルヒャーと遊戯機械の発明」「姉の力」などのエッセイで、キルヒャーの不可思議な世界にいち早く注目。その数多くの著作は『澁澤龍彦集成』『澁澤龍彦コレクション』(河出文庫)を中心にまとめられている。1987年没。

「2023年 『キルヒャーの世界図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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