人のセックスを笑うな (河出文庫 や 17-1)

  • 河出書房新社
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感想 : 801
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309408149

感想・レビュー・書評

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  • サクッと読了。恋ってこうゆう風に訳がわからず
    執着してしまうんだよねーと。気持ちが離れて行くのがわかってしまうのはとても悲しい。

  • 「いまのこの幸せは、きっとすぐにはなくならないはずだ」と感じる日常の幸せにあぐらをかくという幸せは、ある日突然に絶たれてしまった。つくりすぎた鍋の残りものにふたをして、「私たちってあの鍋の中身みたいだね、」と翌朝笑いあう空気感のはかなさよ。

  • すごく読みやすく短時間で読み切れる作品。

    非日常ではなく、リアルな日常を描いた作品であるが、主人公である専門学生の男子の心の中を見事に描かれている。

    タイトルから想像するガツガツした肉食系ではなく、まさにこれが今風の男子像なのかな。


    説明
    受賞歴
    第41回(2004年) 文藝賞受賞
    内容紹介
    19歳のオレと39歳のユリ。恋とも愛ともつかぬいとしさが、オレを駆り立てた——「思わず嫉妬したくなる程の才能」と選考委員に絶賛された、せつなさ100%の恋愛小説。第四一回文藝賞受賞作。

    内容(「BOOK」データベースより)
    19歳のオレと39歳のユリ。恋とも愛ともつかぬいとしさが、オレを駆り立てた…美術専門学校の講師・ユリと過ごした日々を、みずみずしく描く、せつなさ100%の恋愛小説。「思わず嫉妬したくなる程の才能」など、選考委員に絶賛された第41回文藝賞受賞作/芥川賞候補作。短篇「虫歯と優しさ」を併録。

  • 純愛と肉欲、あるいは妥協の間で揺れる(揺れている時点で純愛ではないのだが)。
    神様は、人のセックスを覗き見てしまって、それがこっけいであろうとも当人達は真剣なのだから、笑わないでほしい、という話。
    妻の恋人と知りつつ、素知らぬ顔で三人で食事をする、気のいい猪熊さん、なのだが、私は怖い。でも、たぶん彼は芯から善意しかなく、ユリが浮気をするのはもしかしたらそういうところが原因なのかもしれないとも思う。

  • 胸が痛くなった。人を好きになるのって必ずしも見た目が100%じゃなくて逆に醜いものほどすっごく愛しちゃうんだろうなと思った。わたしもこんな風に人を好きになったりなられたいとおもった。。

  • 題名に内容が負けているけれど、ちいさな愛おしい描写を積み重ねる手法は素敵。よく読める。
    それより何より併録されている短編で個人的に打ちのめされたので、悔しくて、投げ捨てておいた。

  • あら、酷評多くてびっくり。ということで私は好きなのである。気取ってこねくり回さずセンスで言葉を繋げているように思えて。こんな読後感も悪くはないし。

  • 昔ちょっと流行ったよね。
    知り合いが酷評していたし、実際1ページ目の美文を気取った文章に「うわあ」となって嫌な予感がしたんだけど、意外とあとはすんなり読めた。
    なかなかスタイリッシュで、よい小説なんじゃないでしょうか。

  • ダイヤモンドオンラインより転載
    登場人物のユリは、既婚者であるにもかかわらず、主人公の美大生・みるめに近づく。みるめは、奔放な彼女の性格に魅了され、夢中になってしまう。ユリは、みるめの好意を受け入れながらも、真剣に彼に向き合うことなく、翻弄(ほんろう)する。まさに“悪女”という言葉がぴったりのキャラクターだ。

     ユリが巧妙なのは、自分の要望を何一つ相手に命令しないことだ。

     例えば、自分のアトリエにみるめを連れてきたユリは、ストーブをみるめにつけさせようとする。そんなときでも、決して「つけて」とは言わない。「寒いねー」という言葉を繰り返すのみ、灯油がないことを気づいたみるめに対しては、いつもは夫にやってもらっていると告げ、嫉妬を利用して灯油を入れさせる。

     ユリは決して、要求をしない。相手に自分が望んでいることを察しさせ、時に、甘えたり、嫉妬させたり、感情に揺さぶりを掛けて、相手をコントロールするのだ。

     佐藤氏は、そんなユリの「言葉だけで心理を操る」悪を、「サタンというものが人間の中に入って、人間の資質の中にある『何か』に働きかけることによって悪をもたらしていく」のだと解説する

  • ナオコーラさんの言葉で指から感じた幸せを私も感じ五感に伝わる

    美術専門学校のみるめの一人称語りで進む恋模様
    39歳そのままの凡庸な容姿の先生ユリ
    ユリの目尻のシワに手を伸ばし幸せを感じ、おへその下の膨らみをか愛おしく思う
    みるめのユリへの恋情がこれでもかというくらい流れてくる描写

    ユリの平凡ではない思考
    不道徳だし何も出来ないしでもももがくし
    そんなユリの不安定さにも惹かれる

    二人の恋の成り立ち、停滞、豊穣、失速までを頭の先から足のつま先まで痺れるように伝える言葉

    説明は殆どないのに彼らの言葉、思想だけでこれほどに幸せを感じ躊躇い、戸惑い、悲哀と見事なまでに恋を描いた

    ナオコーラさんが使う男性一人称の魅力が詰まった一冊
    少し繊細でそれなりに狡くてでも真っ直ぐなみるめ

    みるめからみたユリはやじろべえの様な女だった
    倒れそうで倒れなくいつも揺れてる止まらない
    稀有な魅力

    私的恋愛小説ベスト1となりました

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著者プロフィール

1978年生まれ。「人のセックスを笑うな」で2004年にデビュー。著書に『カツラ美容室別室』(河出書房新社)、『論理と感性は相反しない』(講談社)、『長い終わりが始まる』(講談社)、『この世は二人組ではできあがらない』(新潮社)、『昼田とハッコウ』(講談社)などがある。

「2019年 『ベランダ園芸で考えたこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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