求愛瞳孔反射 (河出文庫 ほ 6-1)

著者 :
  • 河出書房新社
3.39
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本棚登録 : 976
感想 : 102
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  • Amazon.co.jp ・本 (140ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309408439

作品紹介・あらすじ

獣もヒトも求愛するときの瞳は、特別な光を放つ。見えますか、僕の瞳。ふたりで海に行っても、もんじゃ焼きを食べても、眠っても、深く深く共鳴することができる、心のシンクロ率の高い僕たち。だから、いっしょにレートーコに入ろう。歌人にしてエッセイの名手、穂村弘が贈る、甘美で危険な純愛凍結詩集。

感想・レビュー・書評

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  • 寂しさを超越した虚しさ。自暴自棄。狂気的な求愛。孤独。周りが見えなくなるほどハマっているようで、不気味なほど冷静な視点。
    以上が読んでいる時の印象。アベコベな雰囲気が危うくて、ほっとけなくて、ハラハラとした気持ちで見守るように読み入ってしまった。あらすじで明かされますが、穂村氏が失恋した時に書いた詩なんだとか。なるほど。

    失恋時の静かな爆発や、ぐしゃぐしゃとした気持ち、潜んだ毒々しさ。そんな言葉にし切れない想いは、この人の手に掛かるとこんな詩が生まれるのかと妙に感心した。

  • 「あのとき売った本、売れた本」で紹介されてて、気になったので購入。
    不思議な感覚の詩集だった。

  • 2012/11/13

    ほんのまくらフェアの一位を読了したので。
    ちなみにまくらは「あした世界が終わる日に一緒に過ごす人がいない」。



    生々しい、この一言に尽きる。もうほんと勘弁してくださいと言いたくなるほどの生々しさだった・・・失恋したばっかりのひとの心の中を丸ごと見せつけられたみたいな。きれいな思い出とかささやかで美しかった思い出とか、淋しさとか悲しさとか恨みとか、そういうのがごろごろと足元に転がってくるみたいだった。かわいらしい、と評されているようですがかわいらしいとは到底思えない・・・ううう。

    『獣もヒトも求愛するときの瞳は特別な光を放っているんじゃないか』とあとがきにありますが、まさに失恋をしたけもののさけびのようだ。片っ端から心の中身をさけんでいるような。



    あーなまなましかった。とりあえずしばらく再読はなし。

    ほかに気になったまくらシリーズ。

    『昨日、心当たりのある風が吹いていた。以前にも出会ったことのある風だった。』

    『およそ小説には始まりも終わりもない。』

    あとこれ『私の恋人が逆進化している。』逆進化ってなに・・・

  • 紀伊國屋の本のまくらフェアで出会った一冊。

  • なんかちょっとよく分からなかったけど、これもまさしくほむほむワールド。

  • 素直だから読みながらキモって声に出したよ 好きです

  • ほむほむの詩集。
    ちょっとおかしい感じが好きです。
    恋愛ってこんなちょっと過剰でおかしくなる事だよなぁと思い出したりしました。

  • 2007-00-00

  • P110もんじゃやき
    p114ゆめ
    P122手を止めて
    あとがき

  • のどぼとけを食べてしまいたい衝動。
    わたしはそのひとに惚れていることを自覚する瞬間。

    はたまた、手のほくろがたまらなく愛おしく見えるとか。

    じゃあ恋を失って見るはどんな世界か?
    今を代表する歌人、
    穂村弘さんが描く終わってしまった慕情。

    これって性別が違うからわかんないのかな?
    というくらい共感しにくい失恋ワールド。

    エッチなのも、グロテスクなのも
    受け入れ態勢バッチリ❤なわたしですが、
    それでもわかんない。

    そっか、そうよね、全部わかったらつまんないよね。
    わかんないからおもしろい。
    詩ってきっとそういうもの。
    噛んで噛んで味わうもの。

    でもきっと、超訳すると「きみの全部が欲しい」ってことよね。

    もうのどぼとけが食べられないとか、
    食べたくもないと思うことが、わたしの恋の終焉。

    好きなひとが先に死んでしまったら、
    お骨をダイヤモンドにして
    「ピアスにするんだい」と思うわたしもグロテスクなのだろうか。

    見つめてくれる甘い瞳孔を失って、
    奈落の底に落ちる日々、だいっきらい。

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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