英雄伝説 (河出文庫 は 14-2)

著者 :
  • 河出書房新社
3.25
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本棚登録 : 26
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309408521

感想・レビュー・書評

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  • 推理小説っぽいけれど、最終的には伝奇小説。
    古い作品なので、街の風景とかよく読むと現代とは相当に違うんだけれど、あまり古さを感じずに読むことができました。
    懐かしの昭和、って感じ。
    終盤を怒濤の展開と読むか、慌ててまとめようとしていると読むかで評価は変わるんだろうなぁ。
    バブル期ぐらいに会社員をしていた人にとっては、ぞっとする話かもしれません。
    最近になって復刊したのも一部うなずけますね。

  • 企業戦士の話が長いな…と思っていたが、そうくるか。自分も太ったのはその薬のせいかもしれないな!

  • 一応カテゴリは「ミステリ」というのが妥当かな。半村良らしく、そこから歴史~神話を経由してのSFになっていくわけだけど、これ壮絶にネタバレです。

    ともかく、はじめから8割は、完全にミステリです。次々と起こる殺人、友人の失踪、その中で大きな広告契約をめぐる駆け引きなど、まあ良く出来てます。そこに、半村良お得意の日本の古代神話が絡んで、積み重ねられて、まあ面白いんだけど、この辺は地理と古典に明るくない高校生くらいだと挫折すること必至。

    それがねえ、まさかSFショートショート的な、ブラックなオチにつながるだなんて、全く予想も出来ませんでしたよ。

    「オチがすごいから読んでみ」とおすすめはしたいけれど、そう言われて読み始めたら、きっとそこまで8割は気が散ってしまって面白く無い。奨め方が非常に難しい本であります。

  • ひさびさに読んだ70年代日本SF。適度に古臭い昭和の風景と、日本人にしか書けない落ちがたまりません。

  • 広告業界の悲哀からじわじわと伝奇モノへスライドする。しかし物語の進み方が現実を常にひっぱるような展開で、なんとももどかしい。最後も幻想性へ行くかと思いきや、きっちりと現在に足を残した。伝奇要素はなくとも成立する。すなわち飛び立とうとして叶わぬ歯軋りに着目したかの物語。最後は強引なほどに落ちをつけ、ラストの一場面のみに幻想性を滲ませた。

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著者プロフィール

1933年東京都生まれ。都立高校卒業後、紙問屋の店員、板前見習、バーテンダーなど様々な職業を経験した後、広告代理店に勤務。62年「SFマガジン」第2回SFコンテストに「収穫」が入選。71年初の単行本『およね平吉時穴道行』刊行。73年『産霊山秘録』で泉鏡花文学賞、75年「雨やどり」で直木賞、88年『岬一郎の抵抗』で日本SF大賞受賞。『石の血脈』『戦国自衛隊』『妖星伝』など著書多数。2002年逝去。

「2023年 『半村良“21世紀”セレクション1 不可触領域/軍靴の響き 【陰謀と政治】編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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