- 本 ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309409146
作品紹介・あらすじ
義兄弟の絆が試される「菊花の約」、小姓に恋するあまり僧が鬼と化す「青頭巾」など、日常の闇にひそむ異界を描いた日本の代表的怪異小説集。続篇「春雨物語」を併せ読みやすい訳文と詳細な注で贈る決定版。
感想・レビュー・書評
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死者と生者が交わる不思議な話。現代人にも通ずる"日本的不思議"な世界観が江戸時代にすでに確立されていることに驚き。
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現代語訳なのですいすいと読めます。
『雨月物語』の中の何話かは知っていたのですが通して読んだことは無かったので読んで見ました。
何度読んでも『白峯』の話は鬼気迫るものがあり、『青頭巾』は愛執の哀しさを感じます。
『春雨物語』は初読でしたが収録されていない他の作品も読みたくなりました。 -
原文で読むのは難しいが、現代語訳で読めて良かった。
怖いけれど切なくも美しい物語が紡がれている。 -
雨月物語は怪談の代表ですが、物語はただ怖いだけでなく、人の情念や侘しさが書かれていて読んでいくとうらさびしい気持ちになりました。
でも、雨月物語の中の「夢応の鯉魚」はユーモラスでちょっとした探検記みたいでした。
滋賀の琵琶湖が書かれているので、懐かしい気持ちにもなります。
今回は現代語訳で読みましたが、原文も読みたいです。 -
何かを鑑賞するとき、それが音楽だとしても、あるいは映画、小説であっても、「ルーツを辿る」というやり方が好きです。例えばニルヴァーナというバンドが好きになったら、彼らに影響を与えるバンドーーレッド・ツェッペリンやエアロスミス、セックス・ピストルズにサウンドガーデンーーを聴いてみたくなります。村上龍を読みあさった次には中上健次、中上健次からフォークナー、と読み進めていきたくなります。そうやってルーツを辿りながら、「この辺とその辺は似てるな」とか「こういう部分に影響を受けているのかな」とか考えながら鑑賞することで、より深く知ることが出来そうな気がするのです。
今回この「雨月物語・春雨物語」を手に取ったのも、現在の物語のルーツがあるのではないかと思ったからです。
この作品は、江戸時代後期に上田秋成の手によって生み出されたものです。私が読んだのは、円地文子によって現代語訳されたものでした。自分にとっては分かりやすい訳に感じました。物語中に登場する歌について、元の歌と訳の両方が記されているのも親切に思います。
一通り読んでまず驚かされたのは、娯楽作品としてのストーリーの完成度の高さです。
「白峯」では、悪霊と化した崇徳院と修行中の西行の、和歌を交えつつの言葉の応酬がたまらなくスリリングですし、「蛇性の婬」では怪物が幾度も主人公の男を絶望に追いつめていきます。
「貧福論」は、お金を大切にする風変わりな武士と「黄金の精霊」をなのる小さな老人が富や徳について問答をするという、ホラーというよりはユーモラスにさえ感じるような作品ですが、これに込められた問い、寓意は、そのまま現代にも通じるのではないかと思わせられます。
古典にはどうしても「難しいし、堅苦しいもの」というイメージがつきまとってしまいますが、「ストーリーに入り込めばこんなに面白いんだよ」ということを教えてくれるような作品です。 -
怪談の古典とはいえ知らない話が殆どだった。
単なる怪異というよりはもののあはれ、悲哀のお話。 -
原文で読もうと図書館に行ったけど、現代語訳しかなかった。なかなか読みやすい訳でした。
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びっくりするほど理詰
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ラフカディオ・ハーンの怪談と話がダブっていると知らずに、かなり期待していたのですが、ダブってました。
最後まで読みましたが、私にはイマイチ良さがわかりませんでした。
天皇系の歴史に詳しい人には面白く感じられるかもしれない。 -
不謹慎にも「蛇性の婬」の真女子&まろやに萌えてしまった(笑
何時の世も異形の美女は妖しく魅力的。
「樊噲」の続きが読みたい…
著者プロフィール
上田秋成の作品





