浮世でランチ (河出文庫)

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 1083
レビュー : 107
  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309409764

作品紹介・あらすじ

「人生ってきっと、ワタクシたちが考えているより、二億倍自由なのよ」。中学に入ってから不登校ぎみになった幼なじみの犬井。学校という世界に慣れない私と犬井は、早く25歳の大人になることを願う。11年後、OLになった私だが、はたして私の目に、世界はどのように映るのか?14歳の私と25歳の私の今を鮮やかに描く文藝賞受賞第一作。

感想・レビュー・書評

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  • 山崎ナオコーラさんの文章は不思議。
    いつも必ずドキッとさせられる。
    薄暗い部屋のブラインドが上がって太陽の光が射し込んだかのような、3色刷だった世界がフルカラーになったかのような、そんな感覚。
    見慣れた風景が輝きをまして、いとおしくなる。
    私が立っていたのはこういう世界だったのか、と思う。

    いいことばかりじゃない。
    みんなのことが好きで、誰からも好かれて、そんな人間じゃない。

    でも、だからこそ、心が通い合った時の喜びは大きい。
    だからこそ、好きだと思える存在は愛しい。

    神様との文通シーンが特に印象に残っている。
    率直な言葉のやりとりがとても好き。
    神様が「君枝ちゃんは、なんか、熱いよね。」って手紙に書くのを想像して、神様なかなかいいノリだなぁと嬉しくなる。
    誰かが神様のふりをして書いてても、本当に神様が書いてても、どっちでもいい。
    でも、この人が書いてたら1番嬉しいかもなと思う人はいる。
    だから私の脳内ではその人が手紙を書いたことになっている。

    本当にいい加減だけど、私の生きている世界は結局私の目と耳と手と鼻と口と足と‥、とにかく私の体が感じた世界だ。
    そこを抜け出すことは出来ない。私のままでは。
    だからいいんだ。
    私の世界に存在する『浮世でランチ』では、こういうことになってます。そう胸を張って言おう。

  • 2016 1/11

  • 14歳と25歳の『私』。近頃facebookなどで、「いいね!」という言葉を沢山目にします。女の子どうしの間では「かわいいね!」と言い合う習慣が身についているように感じます。自分もみんなとおなじだとか、規則を破りたくなるたちでした。本当に皆が皆おなじものをみて、おんなじように感じているのか不思議に思うことが多々ありました。『私』のきもちはいつも素直に口に出せていないけど、宗教ごっこの神との文通、会社の同僚だったミカミさんとのパソコンでのメールのやりとりではピュアな少女に見えました。悩み、もがきながら進む女性はきれいだなと思いました。しかし自分は、犬井みたいな人になりたいのです。

  • 14歳の私と25歳の私の日々。

    14歳の私は狭くて閉じられた小さな世界で生きている。嫌いな人には近づかず、好きな人とだけ関わりあう。
    若くて未来は開かれているはずなのに、こんな自意識過剰で自分本位な付き合い方じゃ、未来に繋がる人との関係なんて築けやしない。

    25歳の私は自分の足でどこにだって行けて、自分次第では様々なことを選んだり選ばなかったりできる。
    興味のない人の誘いにも笑顔や社交辞令を返すことができる。
    でも私自身それが適切だなんて思っていない。

    36歳の私はどんな日々を送っているんだろうか?
    25歳の私より、うまく自分を薄めてまわりに馴染ませることができている?
    14歳の私のように、衝動に動かされて今まで積み上げてきたものをひっくり返したりしている?

    たとえどんな私であっても、犬井との14歳の日々は昨日のことのように思い出せるままでいてほしい。

    夏のイメージの小説だった。


  • 大人になりたかった。
    早く都会に出て、1人で生きたかった。

    25歳になった。
    会社に社員に給料に締め付けられ、
    セクハラもパワハラも日常化した
    小さな世界で電卓を叩いている。

    私たちは誰も本当の大人にはなれない。

    心の中は大人になりたかった14歳の私と
    何も変わらない。変われない。

    思いたいだけ。大人になったと。
    じゃないとここまで生きてきたモノが
    崩れ落ちてしまう気がするから。

  • 主人公の見ている景色の描写が好きだった。

  • 【子どもの時に描いていた大人の自分と、実際に大人になった今】

    自分の好きな人とだけ仲良くすればいい。他の人のことは全く興味がわかず仲良くしようという気持ちにならない14歳の主人公。

    男友達の犬井と早く25歳になりたいと話していた主人公が、実際に25歳になった。25歳になった自分は仕事をやめ、タイやミャンマーを旅している。14歳の時に描いていた25歳の自分と比べて、どうだろうか。

    わたしも20歳になったら大人になれるはず、30歳になったらもっと楽しいはず。と早く歳を重ねたいと思っていたので、○歳の自分に期待?する気持ちはとてもよく分かる。

    本質的には変わらなくても、周りの人とあたりさわりなく会話ができるようになったり、子供の時に縁を切った友達と自然と話せるようになったり、大人になるにつれてできるものなのだ。一人で海外旅行にも行けるようになる。

    期待していたとおりの大人になっているかは分からないけれど、できることが増えていく。大人になるのは悪くないなと思った。

  • 14歳の私と25歳の私が交互に描かれる。
    どちらかと言うと、14歳の頃の話のほうが面白かった。犬井やタカソウとの関係とか、宗教ごっことか。
    簡単に言うと人付き合いが苦手な主人公。もう14歳も25歳も通り過ぎた私だけれど、主人公に共感してしまった。

  • タイトルに惹かれて購入。
    自分の世界と相手の世界。
    丸山は自分の世界をしっかり持っている。本人にとっては、揺るがないものでもあり、他人と相容れずにぶつかる原因でもある。
    それによって悩むこともあるかもしれないが、誰かの憧れになっていることもある。
    考えさせられるテーマなはずなのに淡々と進んでいくからか、読み終わっても重く暗い気持ちが残るわけではなかった。
    それぞれのその後の人生が気になる。

  • 面白かった。

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著者プロフィール

■山崎ナオコーラ(ヤマザキナオコーラ)
作家。1978年生まれ。性別非公表。
大学の卒業論文は「『源氏物語』浮舟論」。
2004年に『人のセックスを笑うな』でデビューしたあと、しばらくの間、「山崎ナオコーラ」でネット検索すると、第二検索ワードに「ブス」と出ていた。でも、堂々と顔出しして生きることにする。
目標は、「誰にでもわかる言葉で、誰にも書けない文章を書きたい」。

「2019年 『ブスの自信の持ち方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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