差別語とはなにか (河出文庫 し 13-5)

著者 :
  • 河出書房新社
3.11
  • (0)
  • (3)
  • (5)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 64
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309409849

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 備忘メモ。

    ・「隔世の感」。とたびたび語られる。そうなんだろうな、私にはわからないけど。

    ・差別の「原因」は差別する側の意識にある。差別に関する用語の規制は、政治的検閲があるわけではなくて、大衆の好みに合わせたマスメディアの自己規制があるだけ。つまり差別は「差別をしている悪い人たち」と「差別をされるかわいそうな人たち」の問題なのではなく、「大衆」を形成している者全員の問題である。

    ・差別は作りだされる。誰かが「おかしいのでは」と言挙げし、「なるほど確かにそうだ」と複数(多数)の人が賛同すると、それは差別となる。同じようなプロセスを経て、差別が消滅していくこともある(かつて差別的だとされたある用語に、もう誰も差別的意味を見いださなくなるように)。

    ・市民社会が差別を生み出す、ということを説明した「差別としての水俣病」は示唆に富む。心理ホラーのようだ。

  • 面白い!
    単純に差別語の定義とか、どれが放送禁止用語とかが載ってるのかと思ってたら,もっと奥の深い内容だった。
    他の本も読んでみたい!!

  • 文化国家の文化としての小説がタブーなき言語の聖域となることを望んでやまぬこと。
    てんかんという言葉を知っているのか?同和、片手落ちなんて最近の若者は知らないのではないだろうか?
    差別という大文字の概念は近代において成立し、脱近代とともに小文字に戻るのであって、すべての反差別は運動家の週刊で美化されていても、その本質はさらなる近代化でしかない。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1938年岡山県生。作家。河出書房新社編集部を経て著述業。主な著書に『浅草弾左衛門』『車善七』『江戸東京を歩く 宿場』『弾左衛門の謎』『異形にされた人たち』『乞胸 江戸の辻芸人』『吉原という異界』等。

「2020年 『差別の近現代史 人権を考えなおす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

塩見鮮一郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×