旅の終りは個室寝台車 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 88
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309410081

作品紹介・あらすじ

『銀河』『富士』『はやぶさ』『北陸』…寝台列車が毎年のように姿を消していく。25年前、本書に「楽しい列車や車両が合理化の名のもとに消えていくのは淋しいかぎり」と記した宮脇俊三の旅路がいよいよ失われていく。「最長鈍行列車の旅」等々、鉄道嫌いの編集者を伴った津々浦々の鉄道旅を締めくくるのは今はなき寝台特急『はやぶさ』だった…。

感想・レビュー・書評

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  • 宮脇さんの博識に驚く。この博識あっての解説!

  • ・門司から福知山まで鈍行で1本乗り通し。
    日本海側をちんたら特急待ちとかしながら走ったら18時間半もかかるらしい。
    ・国鉄以外で東京から大阪まで。
    やっぱ鬼門は静岡だった。
    私鉄はないのでバスを乗り継ぎ。
    ・飯田線
    とにかく細かく駅があるんだって。
    ・東京-札幌
    まだ青函トンネルなかったんだね。
    朝東京出て夜札幌につくようになったよ!って。
    ・北海道に行ったので流氷見に行こう!
    札幌から12時間かけて稚内へ。
    流氷は1度見たい気がする。
    ・紀伊半島を鈍行の寝台車で。
    たぶん今はもうないんだろうな。
    三重から大阪の夜行とか意味わからんし。
    和歌山から大阪に早朝出てきたいときにいいんだろうけど。
    ・青森から大阪まで白鳥で。
    当時のお客さんの様子が、なかなか衝撃的。
    ・飯山・只見線。
    雪がすごいとこらしい。
    でも鉄道の積雪の記録って昭和20年なんだってね。
    只見線は景色がいいみたいで興味ある。
    ・中央構造線の旅四泊五日。
    フォッサマグナは知ってるけど、中央構造線なんて習ったっけ?
    まあその中央構造線をたどって電車だけじゃなくフェリーも乗り継いで熊本まで。
    この本の相方の編集者がなかなかいい味でした。

  • 百閒「阿房列車」を読後に宮脇氏の本書を読むと、藍君がヒマラヤ山系君に見えてきて可笑しくて仕方なかった。藍君が持参したステンレス製魔法瓶の中身を「日本酒?」と聞いたり、列車の停車時間に駅弁を買いに向かいのホームまで走る姿はまさに山系君だ。哀愁を帯びた本書のタイトルから、暫くの間積読だった。著者の鉄道旅が終わってしまうような感じを受けていたからだ。路線の廃止、多くの長距離列車、寝台車の廃止など、ある意味で著者が好きな鉄道旅の終焉を平成の世に実感することになった。せめて今残っている寝台特急に乗りたいと思った。

  • 『中央公論』の編集長で作家だった亡き宮脇俊三さんの
    鉄道旅の様子を描いた紀行集です。
    もう今はない特急が多くて新鮮に映りました。
    初めて宮脇さんの本を読みましたが、基本一人旅
    なんですね。でもこの本は「藍色の小鬼」こと藍孝夫氏が
    常に一緒でした。最初はつまんなそうにしていた彼も
    だんだんと鉄道旅の魅力に惹かれていって変化していく。
    これは藍氏の成長記でもあるのかもしれません。
    ぐいぐい引き込まれました。面白かったです!

  • 図書館にある全集第三巻で読む。御茶ノ水丸善で文庫本を買う。列車旅のときの持ち出し用として。

  • こうして文章で書かれることで、昭和の鉄道旅行の様子が残っているのはうれしい。油の染み込んだ床、硬いボックスシートを思い出す。電車に揺られながら眠くなれば寝ちゃうような著者の力みのない淡々とした文章には、それでも不思議と旅情を感じるのだ。

  • 宮脇俊三氏の鉄道旅は、一人旅が基本であります。
    理由のひとつは、自ら「児戯に類する行為」と卑下する(実際にはさう思つてゐないでせうが)だけに、他人に知られずひつそりと旅をしたい、との思ひではないでせうか。
    さらに別の理由として、同行者がゐると気を遣ふからと本文中に記してゐます。これは分かりますねえ。相手が鉄・非鉄にかかはらず、自分の行動が制限されるのは否めないからです。大体に於いて、僕がやりたい事は君には興味がないし、君がお薦めする行程は僕にはつまらないのさ、といふ関係に陥りがちです。

    ところが、『旅の終りは個室寝台車』では、常に同行者がゐます。宮脇さんは『時刻表2万キロ』でデビュー以来、内田百閒の(阿房列車の)後継者といふ評を得てゐましたが、本作が一番阿房列車の路線に近いのではないでせうか。阿房列車にはヒマラヤ山系君こと平山三郎氏が、なかば保護者のやうに付き添ひますが、本書では藍色の小鬼こと藍孝夫氏が同行します。作家先生に対して言ひたい放題の編集者でございます。

    10の旅程が収録されてゐます。作者によると、「東京-大阪・国鉄のない旅」以外は、すべてかねてより乗つてみたかつた列車もしくはコースださうです。鉄にとつては魅力的な旅でせうが、非鉄の小鬼は退屈してゐます。
    6時間以上各駅停車の電車に乗る飯田線の旅では、予防策として中島みゆきのテープを用意するのでした。ところが、中島みゆきを宮脇先生が心ならずも聴くはめになつて、小鬼が満足さうに車窓を眺めてゐる、といふ逆転現象が起きたりして笑へます。

    予算的には結構質素な旅です。食事も質素。それどころか昼食を食べそびれて、売店のポテトチップスで済ませた事もあります。爆笑。表題作「旅の終りは個室寝台車」は例外的に豪華な車両に乗り込みます。A個室寝台は私の少年時代では日本で一番豪華な鉄道客室で、憧れの的でありました。本文中にあるやうに、天井は無意味に高く、幅は狭いいびつな設計ですが、それでも当時主流の3段式開放型寝台とは雲泥の差で、いつかは乗るぞと心に決めてゐたのです。
    大人になつて初めて乗れた時は、すでにそれより上位の「ロイヤル」(北斗星)が登場してゐましたが、やはり嬉しかつたものです。流れる車窓に身を任せながらビールを呑む。こんなに幸せでいいのだらうかと。宮脇さんも、これはむしろ「独房」だと悪態をつきますが、それでも嬉しさうです。かうでなくてはいけません。
    皆も、読みませう、乗りませう。

    http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-125.html

  • 宮脇俊三による、いわゆるためにする鉄道紀行の一作である。しかし、今尾恵介氏が解説で記しているように、藍君という非鉄道マニアで一風変わった編集者を同行者とすることで、自ら「ただ乗るために鉄道に乗る」という阿呆なことの魅力を面白おかしく表現することに成功している。
    下記は、章立てである。

    ・ にっぽん最長鈍行列車の旅
    ・ 東京―大阪・国鉄のない旅
    ・ 飯田線・天竜下りは各駅停車
    ・ 東京―札幌・孤独な二人旅
    ・ 乗りつぎ乗りかえ流氷の海
    ・ 紀伊半島一周ぜいたく寝台車
    ・ 青森―大阪・特急「白鳥」七変化
    ・ 雪を見るなら飯山・只見線
    ・ 九州行・一直線は乗物づくし
    ・ 旅の終りは個室寝台車

  • 今はもうない路線の、当時の状況がわかりやすく伝わる。

  • 最終的には洗脳されて電車の旅に嵌ってる藍君、いいなぁ。
    これだけ楽しそうに語られると、洗脳されるのも仕方ないです。

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著者プロフィール

1926年、埼玉県生まれ。78年、国鉄全線乗車記『時刻表2万キロ』を刊行し、日本ノンフィクション賞を受賞。『最長片道切符の旅』『時刻表昭和史』等、多くの著作を残し、鉄道紀行文学を確立した。2003年病没。

「2019年 『ローカルバスの終点へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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