憂鬱と官能を教えた学校 上---【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史 調律、調性および旋律・和声 (河出文庫 き 3-1)

  • 河出書房新社
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レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309410166

作品紹介・あらすじ

20世紀中盤に登場し、ポピュラー音楽家たちのあいだに爆発的に広まった音楽理論「バークリー・メソッド」とはいったい何か-日本を代表するミュージシャン兼批評家=菊地成孔+大谷能生の名コンビが知的興奮に満ちた伝説の講義を展開。上巻は「調律・調性および旋律・和声」として、メロディとコード進行の謎に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 著者:菊地成孔(1963-、銚子市、ジャズミュージシャン)、大谷能生(1972-、八戸市、評論家)

  • 20世紀においてジャズやポップスなど、様々な音楽の誕生に貢献した”バークリー・メソッド”とは何だったのか?その起源と内容に迫る!
    音楽をやっている方なら絶対に楽しめる、メロディーやコードの話題も満載!

    OPACへ⇒https://www.opac.lib.tmu.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB02303729&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

  • ※このレビューでは上下巻を纏めて扱っています。

    【内容】
    大衆音楽に関する基本理論技術と略史。
    講義の内容を書籍化したものです。やや雑談的。

    【類別】
    音楽。
    大衆音楽(ポップス)のうち、俗に言う"バークリーメソッド"について。
    もちろんこれは西洋古典音楽(クラシック)の流れも汲んでいます。

    【着目】
    全12講の中で「調律」1、「調性」2、「旋律・和声」6、「律動」2、「総論」1回が扱われます。
    あれこれと目くじらを立てながら読む人には本書をお薦めしません。
    上巻の頁339-356に石塚潤一「シリンガーとバークリーの理論をめぐって」が収録されています。

    【備考】
    約6年前に途中まで読み、放置し、そして現在再読し読了した状態でこのレビューが書かれました。
    また、このレビューは上下巻ともに初版初刷に拠っています。

  • まずタイトルがずるい。

    いやー、面白いなー!
    ライブ感。

    ??てなって何度も読み返しながら読んだからとても時間がかかってしまった、、理論がわかってるひとが読んだらもっと早いのだろうな。
    鍵盤を鳴らしながら読んだらもう少しわかりやすかったかしら。

  • 初歩の音楽理論とはいえ、再読の必要性あり。反復が求められる。

  • 「何をいまさら」という言われようには抵抗力がある方で、「何をいまさら精神分析?」でも「何をいまさら実存主義?」でも一向にへっちゃらだが、「何をいまさらバークリー?」と来られるとちょっと痛いかもしれない。
    そういうことを重々承知で作られている本だと思うので、ポスト・バークリーの理論書を期待したい。
    ペン大の教科書というのはそうなのかな?

  • 2013/07/08 購入
    2013/07/14 読了

  • ポップスであれクラシックであれ、音程に関する基本的な知識が身についている人にとっては、本文中でもよく言及される「実学」の部分があまり面白くないだろう。バークリー音楽理論の歴史的意義や背景を考察する、という前半部分の語り口や、著者が「理論」に関する個人的な思想をこぼす部分には「実学」の本にはない面白さがあるが、文章で(あるいは実際の講義中も、理解度が未知数な不特定多数に向かって口頭で)楽典的な知識を説明している部分は、もう分かっている(またはいくら説明されても分からない)ことをどうしてこんなに長々と説明するのか/あるいは、そうした知識が知りたければもっと効率的な本や方法があるということを知っているために、せっかくの実学以外での面白さがその分削られてしまっているような惜しさを感じる。

  • 2011/6/11購入

  • バークリーメソッドとは、アメリカのバークリー音楽院で教えられている音楽理論。20世紀商業音楽の作曲、編曲に多大な影響を与えたと言われている。この本は、とにかく二人の講義内容、語り口が面白い。

    『さて、商業音楽が発展する起爆剤っていうか、根本的なエネルギーは何か? それは今あるものに飽きるってことです。飽きなければ商業音楽は発展しません。えー、なぜソヴィエト映画はつまらないのか? 「飽きる」という市場原理をソヴィエト連邦が持たなかったからですね。誰も何も飽きない。という前提でソヴィエト連邦は国民に対する娯楽を国家が制作したわけですけれども、国民はそんなのにもう飽き飽きしながら、でも、「これは面白い!」と強制的に信じ込んで、飽き飽きしながらも楽しく観ていたという。えー、何言ってるんだかわかんなくなってきましたが(笑)、そんなことしているうちに国全体が潰れてしまいました(笑)。飽きる。飽きるので新しいことをしたくなる。皆さんもご存知な感覚ですね』(p.131)

    『教養主義と近代っていう話についてもちゃんとやると本当に大変で、滅多なことは言えないんだけど。あの、要するに四つあるわけじゃない。「教養があるから、いい」、「教養があるから、ダメ」、「教養がないから、いい」、「教養がないから、ダメ」。これ四つとも嘘だからね。教養といい悪いはまったく何も関係なくて、教養のあるなしと、良し悪しはまったく関係ないってことは、すごく重要です。アート方面ではこういう問題を「アウトサイダー・アート」なんつって区分をつけたりしてるけど(…)無教養によって大胆になることはありますよね。で、教養によって臆病になることも起こるでしょ。んで、それぞれその逆もあると』(p.283-284)

    (バークリーメソッドに対立する音楽理論、ジョージ・ラッセル著『リディアン・クロマチック・コンセプト』について)
    『リディアン世界、リディアンを中心にして考えた世界においては、目的に到達しろっていう圧力がないから、抑圧がない。だから欲求不満がそもそも生まれない。すでに完成されている状態がまず設定されていて、人はそこで自由に運動できるっていう哲学が根本になっているんです。これはものすごい魅力的です。近代総体に対するアンチって言ってもいい。
     近代っていうのは、われわれを欲求不満にして、欲望の発生装置を外部に求めて、街に出るとものが欲しくなって、家に引きこもると何もしたくなくなってしまう、っていうような(笑)、われわれを商業主義に飼いならされている家畜みたいにしてしまう側面を一面では持ってるのね。だから近代が悪いってわけじゃないよ。でもこれは近代の弱点でもあるし、悪い面と言われることも多い。それをこの本はズバッと突いています。欲望の無限循環を生み出すシステム、それが資本主義なんですけど、そんなんでいいの? とこの本は言っているわけです。
    「反対にメジャー・スケールは『何かを成し遂げよう』と努力」する、と。「メジャー・スケールは常にその線上のどこかにたどり着こうとし、常に目標に到達し目標と一体になろうと努めています」。で、そんな発想ではダメだ、と。ここのつかみは強烈ですよね』(p315-316)

    『完成しているから動かなくていい、ってなっちゃうと、それは非資本主義なんだけど、ま、非近代的にね、欲求不満も何もなく完全に満足された状態のまま、何かの違う事情によって、和声が進んだりメロディーが進んだりする、っていうのが、リディアン・クロマチックのコンセプトです』(p.317)

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著者プロフィール

1963年、千葉県生まれ。音楽家、文筆家。dCprG、菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラールを主宰するほか、大谷能生とのヒップホップユニット、ジャズ・ドミュニスターズとしても活動。著書に『ユングのサウンドトラック』『時事ネタ嫌い』『レクイエムの名手 菊地成孔追悼文集』『菊地成孔の欧米休憩タイム』など多数。

「2020年 『菊地成孔の映画関税撤廃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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