ハル、ハル、ハル (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 363
感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309410302

感想・レビュー・書評

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  • 紀伊国屋の「本のまくらフェア」で買った本。三冊買ったけどこれはハズレだった。
    わけがわからない。わけのわからない本でもわからないけど、勢いがあって読むのが止まらなくなる本もあるんだけど、この本はただ単に「わけがわからない」本のだった

  • 小説というものに固定観念を持っている人なら面食らうかもしれない。実際自分も、「この物語はきみが読んできた全部の物語の続編だ」なんて言われるもんだから、「きみ」って誰!?これって読者である「自分」のこと!?なんて軽く戸惑った、というか違和感があった。なんだか自分も小説中の人々の世界に無理やりに巻き込まれているような、そんな感覚。
    拳銃を拾った晴臣と、箱根山の山頂で踊る三葉瑠の二人が出会い、そして仮の"姉弟"関係を結ぶ。二人は道で拾ったタクシーの運転手・原田悟をも仮の"父"として巻き込み、そのタクシーを"ジャック"して、千葉は犬吠崎(いぬぼうさき)へと車を走らせる。この三人は三人とも、それぞれ社会の矛盾を内包したまま。
    仮の姉弟である三葉瑠と春臣は、それぞれの世界を独自に定義付けているよう。そして最後、現実の世界へと戻る3人。なんだか狐につままれた感じの読後感。実験的小説?この小説の頭への入り方、文字を目で追うその行為自体、普通の小説とは何かが違う。とにかく何か別次元で実験を行っているのか?そんな疑問を浮かべながらいつの間にか話のゴールに辿り着いているような思わせぶりの小説だ。

  • いや、小説自体はおもしろかったんだけどね、解説の人があまりにも自分の文章力をぐいぐいアピールしてきて最後に興ざめしちゃったのよ

  • 感情の変化で物語が進行する。独自というか。
    読点と改行による構成の巧さによって、間の取り方を操られる。
    私は嫌いじゃないわ。

  • 全体通して、良くわからないけど


    面白い。読み進めたくなる。

  • ちょっと狂ったかんじ、真っ当からずれたかんじが、気分に合っていてよかった。

  • んー評価つけにくい!
    あれよあれよと頭に文字が入り込んできて、
    理解が追いついてないのに目で追ってしまう、
    追い越してしまう、読ませてしまう。
    初めての感覚でびっくりした。

    8ドッグズはちょっとなー
    って感じだったけどあとのふたつは読んでしまった。
    読まされてしまった。
    他のも読んでみたいなあ。

  • たしかに強く揺さぶられた感情がなにかはっきりした形をもつより先に、ぽんと放り投げられる3編。その宙に浮いた感覚も気持ちいい。

  • 2012.05.30 読破。

  • 【ハル、ハル、ハル】
    『この物語はきみが読んできた全部の物語の続編だ。』

    『UFOってな、未確認飛行物体っていってな、だから確認ってのが難しいんだよ。』

    『あたしはあなたがたをうんざりさせるためにこの世に生まれてきたの。』

    『食欲があるってことはすばらしいことなのよと三葉瑠が言う。それは肉体を意識するってことなのよ。つまり自由を生むってことなのよ。いい? 健全な絶望は健全な肉体に宿るの。そして健全な絶望っていうのは絶望しないことなの。』

    『ヘンなこと』
    『それが踊りよ。社会から逸脱するもの。逸脱する動作、つまりアクションね、その類が全部 ー あたしはそう定義したね』
    『ふぅん ー どんな気持ち?』
    『踊ってて? もうパンツ脱いで走ってる感じよ。100パーセントの開放感。ざまあみろ世間』

    『そうよ。だって朝よ。あたしたちの一日はこれから始まるのよ』

    【スローモーション】
    『こんなんでいいのか。あたしはあたしに嘘つきだ。』

    『でも。愛情は不変だ。えへん。』

    『あたし、日本人だし。ただの。日本の建国記念日だって、あたし、ちゃんとは把握してないし。十一月だっけ? あれはブンカの日だっけ? あれ? 日本には独立記念日はないの? もしかして、日本って、独立してないの?』

    『あたしの「梅雨明けろ」宣言が通じてるんだわ。ありがとう、ありがとう、ありがとう、って誰に感謝しよう? 神様? 気象庁?』

    【8ドッグズ】
    『まるで発電みたいだ。だろ? セックスって。そうだろ? 挿入して。そこから人間の二馬力で。馬じゃないから馬力じゃないってのは了解してる。でもな。この文脈にはぴったりの言葉だろ? それで。熱だよ。発電機みたいに動いたらやっぱり少し発熱して。そうだよ。こすると発熱するんだよ。だから。挿入って体の内側にはいるってことだ。』

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著者プロフィール

1966年生まれ。著作に『13』『沈黙』『アビシニアン』『アラビアの夜の種族』『中国行きのスロウ・ボートRMX』『サウンドトラック』『ボディ・アンド・ソウル』『gift』『ベルカ、吠えないのか?』『LOVE』『ロックンロール七部作』『ルート350』『僕たちは歩かない』『サマーバケーションEP』『ハル、ハル、ハル』『ゴッドスター』『聖家族』『MUSIC』『4444』『ノン+フィクション』『TYOゴシック』。対談集に『フルカワヒデオスピークス!』。CD作品にフルカワヒデオプラス『MUSIC:無謀の季節』the coffee group『ワンコインからワンドリップ』がある。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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