指先からソーダ (河出文庫)

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 728
レビュー : 63
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309410357

作品紹介・あらすじ

けん玉が上手かったあいつとの別れ、誕生日に自腹で食べた高級寿司体験、本が"逃げ場"だった子供の頃のこと…朝日新聞の連載で話題になったエッセイのほか、「受賞の言葉」や書評も収録。魅力全開の、初エッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • なぜかすごくドキドキする文章。
    「リアルについて」書かれている文章がいくつかあったけれど、私はこのエッセイを読んで「リアルだな」と思った。
    例えば、
    「黒いストローでジュースを飲むのが好きである。
     理由は蝶々の仕草に似ているような気がするからだ。」
    という書き出しで目が止まった。
    そこに山崎さんがいて、黒いストローでジュースを飲みながらその言葉をさらりと言ったのを、目で見て耳で聞いたかのような生々しい感触があったのかもしれない。
    本当は一瞬静止した理由が自分でもちゃんと分かってないけど、すごくドキッとしたという感覚だけが強烈に残っている。

    そして1番は「あきらめるのが好き」。
    ドキドキを超えて、目と頭だけが動いて呼吸も心臓も止まっちゃったんじゃないの?って思うくらい1語1語に集中して読んだ。
    すごいと思った。
    「あきらめてもあきらめても、しぶとく私が残る。」
    「私」の輪郭が明確になるような、逆にぼやけて溶けていくような、不思議な感覚。
    山崎さんが使う言葉と同じ感覚じゃないかもしれないけど、「リアルだ」と思えた。

    山崎さんの小説がすごく読みたい。

  • 「人のセックスを笑うな」の山崎ナオコーラさんのエッセイ集。

    いい。
    すごく、いい。


    「人のセックスを笑うな」を読んだ時も、この人の文章はなんてリズムが良んだろうと思ってたんだけど、このエッセイを読んで再確認。

    この人は言葉をものすごく大切にしている。

    そしてこの人の世界の見方もとても、楽しい。

    小説やエッセイはその筆者の世界の見方というか、
    常識とか普通とか当たり前とされているものとのズレや距離感や違和感を
    その人なりの言葉で描かれているものだと思ってる。自覚的であれ無自覚的であれ。

    んで、この人のズレ方には何かとても共感できる部分が多い。
    苦しさとか楽しさとか。

    恋愛小説が多いから人のセックスを笑うな以降、
    結局手にとってなかったんだけど、
    このエッセイは最高に楽しかった。

    そして恋愛小説じゃないのも見つけたので、
    「『ジューシー』ってなんですか?」も買ってみた。これも楽しみ。

    でも、エッセイももっと読んでみたい。
    もっと出してくれないかなー。

  • 山崎ナオコーラさんはすごく不思議な作家だ。「論理と感性~」でものすごく嫌いになって、でも「スカートの裾を踏んで歩く女」は何回も読み返すくらい好きで。このエッセイを読んで大好きになった。熱い人なんだなあ。

  • この本を買ったのは2010年、9年前です。
    そのときはまだ24歳とかで、
    とにかく手当たり次第本を読んでて、
    そのときに「この本は読むの勿体ない」と思い、
    仕舞い込んでいた一冊。

    あのとき読んでおけばよかった。
    感性にまで貧乏性だった、私。笑

    30を過ぎた私には、あのとき感じた瑞々しい感情が遠くに感じました。
    世間や世界と繋がりやすくなったことを「成長」と呼びたくない、というような言葉が出てきて、泣きそうになりました。
    そうなんだ、器用になったからって、うまく付き合えるようになったからって、それは能力でも成長でもなくて、私は私なんだよね、って。

    ぱらぱらとこぼれ落ちてくような言葉たちを掴むような作業。
    それがナオコーラさんの本を読むこと。

    今度は久しぶりに小説を読もう。

  • とても好きな本のひとつになりました。また読み返したい。
    恋愛の一コマを描写するところは、はかなくて切なくて忘れていた感情がよみがえるような感覚。
    エッセイの題が魅力的で、文章を奏でる言葉も素敵。
    また他の作品も読みたくなる。

  • 学生時代に読みたかったな。
    っていうのが一番の印象。

    この人の作品は内容も良いんだけど
    なによりも文字をたどりたくなる。好き。
    水みたいで一見軽いようだけど
    溜まるとすごく重いというか。
    何度も読める。

  • いちばん好きな本。ナオコーラさんの小説が好きだったけど、ナオコーラさん本人がいちばん面白い。
    気取らず、しゅわしゅわの泡のように掴み所がなく優しい文章。この本を読むと、肩の力を抜いて気ままに生きていっていいのだと思わせてくれる。1人でお寿司を食べに行く話と、もうすぐ別れる恋人と未来の話をする話と、不動産屋さんの話が好き。

  • 読んだ作品ほとんど共感しないけど、
    好き。
    本屋さんで手にとってしまう。
    読みたくなる。
    エッセイも、共感するとこあんまりないけど
    気になる人。
    また本屋で見つけたら買おう

  • 『人のセックスを笑うな』『浮き世でランチ』など、えも言われぬ小説を綴る著者による随筆集。1話が2~2.5ページでコンパクトだが、構成や表現に『らしさ』が溢れている。デビュー間もないころの作品が並んでおり、読まれる嬉しさ、文筆家として生きていく気負い、などが垣間見え文章が躍動していることを感じる。良作。

  • 「人のセックスを笑うな」で有名な山崎ナオコーラさんのエッセイ集。

    毎日コツコツ読み進めた本だったので、おわってしまったのが寂しい気持ち。

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著者プロフィール

■山崎ナオコーラ(ヤマザキナオコーラ)
作家。1978年生まれ。性別非公表。
大学の卒業論文は「『源氏物語』浮舟論」。
2004年に『人のセックスを笑うな』でデビューしたあと、しばらくの間、「山崎ナオコーラ」でネット検索すると、第二検索ワードに「ブス」と出ていた。でも、堂々と顔出しして生きることにする。
目標は、「誰にでもわかる言葉で、誰にも書けない文章を書きたい」。

「2019年 『ブスの自信の持ち方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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