- Amazon.co.jp ・本 (459ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309410777
感想・レビュー・書評
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色んなテイストのをまとめて読めるのが、アンソロジーのいいところ。このシリーズはまだ二作目だけれど、『SF』ってほんとに幅広いなあってのを教えてくれる。安定のすっとぼけっぷりな北野さんをはじめどれもおもしろかったけど、京極さんの幻のデビュー作がまさかこういうSFだったとは。斉藤さんの意外なハードボイルドっぷりもよかったし、最果さんの夢のような雰囲気もよかった。楽しんだ。
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SF短編を集めたアンソロジー。今回あいにくとあまり肌に合う話は多くなかったのだけれど、斉藤直子「ドリフター」は軽妙かつコミカルで読んでいて非常に楽しかった。SFといっても幽霊話だ。だけど幽霊とのかけあいがコントっぽい。というかドリフっぽい。そしてなにげに警備員のおっちゃんのキャラクターに味がある。
山田正紀「バットランド」は壮大な設定の中編で、アンソロジーとしては思いがけず読み応えがあった。正直いってSF設定部分は抽象的すぎて全然ついていけなかったんだけども(アタマの悪い読者でお恥ずかしいことです)、キャラクターにクセがあって、人間ドラマ部分が面白かった。この方の小説は「神狩り」しか読んだことがなくて、そのときには人物描写に納得がいかなくて苦手意識が残った記憶があるのだけれど、また印象が違う。そのうち別の著作も探してみようかと思う。 -
『宇宙以前』最果タヒさんが、印象に残っています。素敵な短編でした。
北野勇作さんも、いつも通りの良い仕事。
満足感は、『NOVA』シリーズの中では丁度中間くらいでしょうか。 -
前作の3は結構気に入ったのですが、今回の4は正直私の趣味には合いませんでした。
強いて言えば「瑠璃と紅玉の女王」が割と面白かったかなあという感じでした。「バットランド」は物理の小難しい説明にちょっと辟易しましたし、「宇宙以前」は詩的すぎてちょっとついて行けない感じでした。 -
京極夏彦が手堅いですねえ。
斉藤直子の「ドリフター」がそのドリフターですかって感じ。
でも、おもしろいんだけど、どれも迫力がもう少しほしいなあ。
NOVA1がインパクトがあったので、それを期待してしまいます。 -
ずいぶんと NOVA シリーズの読み方がわかってきた。SFだけではなく、とにかく書き下ろしの作品がたっぷりと詰まっていると思えばいいんだな。
トップバッターは「最后の祖父(京極夏彦)」。これがけっこう気に入った。ソフトタッチなんだが、「私」のために世界があるような世界観がとてもよかった。満足。続く「社員食堂の恐怖(北野勇作)」は相変わらず面白くなかった。
そして、これまたしょうもない「ドリフター(斉藤直子)」。でも、考古学っぽい「赤い森(森田季節)」はなかなかよい。終わり方がイマイチだが、熊が遺跡をというユニークなファンタジーかな。
続いてミステリータッチが2つ続く。「マッドサイエンティストへの手紙(森深紅)」は緊張感がないものの、シリーズにすれば面白いかもしれない。また、「警視庁吸血犯罪捜査班(林譲治)」はバンパイヤが実在する仮想世界でのミステリーだが、設定がわかりにくいものの面白いかな。最近林作品に期待しているが、ちょっと横道の本作はスピーディーでよかった。
「瑠璃と紅玉の女王(竹本健治)」はバッサリと駄作。最後の「宇宙以前(最果タヒ)」「バットランド(山田正紀)」はいずれも乗り切れずに終わった。
今回は「最后の祖父(京極夏彦)」がよかったのでうれしい。次にも期待しようっと。 -
なんとなく全体的に完成度は高いんだけど破壊力が低い、とNOVAシリーズについては感じているんだけど(五色の舟とか例外はもちろんある)、バットランドは面白かった。やっぱりある程度の長さがないと出ない味ってある。短編は難しい。他は北野勇作と竹本健治が好き。
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SFアンソロジー第四弾。いつも通り質の高い作品が多かったです。特にお気に入りは3編。斉藤直子「ドリフター」、この人の作品の笑いのリズムがツボにはまって楽しいです。対して最果タヒ「宇宙以前」、こちらのリズムは読んでいると錯覚を起こしそうになる独特さで内容以上に興味深かったです。そしてラストを飾る山田正紀「バットランド」、半分も理解できた気がしませんが、SFとしての設定が奥深く面白かったです。次巻も楽しみにしています。
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最果タヒが気に入った。
竹本さんも地味にいます。 -
いろんなテイストのお話が万歳。新規開拓にもってこいなのはもちろん、知ってる作家の別の顔を見ることもできて楽しい。
今回は"社員食堂の恐怖"が印象に残った。いいなぁ、この不条理な感じ…。