道元 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 60
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309410807

作品紹介・あらすじ

この文章によって、道元は自ら開いた曹洞宗の宗門を超え、日本思想の根幹をなす哲学者となった、記念碑的な文献である。坐禅の最重要性を説く『正法眼蔵』を正面から掘り下げ、日本人の精神生活の基底をなす仏教の普遍性を考察する。和辻倫理学の集大成『日本精神史研究』の核心部を大きな活字で独立させる入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 「仏教論争」「古寺巡礼」と続けざまにふれてきた和辻哲郎による未完の道元禅師論。深遠なる道元思想を、さらに難解にしたような分析ですが、これを理解するには何としても正法眼蔵にあたる他ないと思います。

  • 親鸞や法然についての本は多いと思う。悪人正機説なんてツッコミドコロ満載だし。鎌倉仏教の影響については、日蓮に関する言及は多かった。あの絵巻がらみで一遍上人の念仏宗について読んだこともある。だけど、道元については何か読んだことが無い。禅は釈迦の教えに一番近いという。和辻哲郎の風土は学生時分に読んだ。そんな訳で手に取る。

    仏性をアートマンとする解釈を排したとあり、自分の勘違いを知る。悉有は絶対的な有。それは無の別名と言われたら、判ったような、判らないような。更に空なんて言われたら、もう無理。

    少数の弟子と山の籠り、仏祖に従う。純粋な宗教のありかた。壮麗な宗教施設や宗教美術を否定する。本来の宗教はそういうものと思いつつ、原理主義という言葉も頭に掠める。禅宗という云われ方は否定していたという。意外に思ったが、仏祖のありかたのみ、ということ。ロゴスを重んじたというが、禅宗の考案って判らない。もう少し教えてほしかったかな。どれだけ、理解できたか心許ない。座禅とロゴスで本当にどこまで至れるんだろう。俗にまみれ過ぎたオジサンは、どうも懐疑的になってしまう。

  • 道元の「真理」の項は難解。再読して理解しうるか。

  • 難しい。人間は『法の器』だと言ってるのかな。『道元は「自己の救済」を目的とせずして、「真理王国の建設」を目的とした。自己は真理の王国において救われる。しかし救われんがために真理を獲ようとするのではない。 真理の前には自己は無である。
    真理を体現した自己が尊いのではなく、自己に体現せられた真理が尊いのである。真理への修行はあくまでも真理それ自身のためでなくてはならぬ。』禅が救済の宗教ではなく、悟りの宗教だというのはわかるけど、道元が目的とした『真理』が何なのか?わからない。修行が足りんね!

  • 「そうだったのか道元」と名付けたくなる程、分かりやすい道元入門。「仏道」は「善意志」、「仏性」は「普遍的法則」と解釈すれば確かに道元は、カントがキリスト教の影響の上で打ち立てたヨーロッパ的な倫理学の高みに、仏教の上に立って600年も前に到達している。和辻哲郎がこれを著した大正年間に、日本の思想がヨーロッパから日本に回帰してきたと考えれば、思想史的に大きな意義のある書物なのだろう、と思う。

  • 和辻による道元論。
    真理に忠実なる者としての道元を描き出す。あるいは、目の前のものへの慈悲の人として。僧と俗を峻別し僧に厳しい倫理を課す者として。
    また、道元による仏道の理論化も丹念に追う。『日本精神史研究』をいつか読みたい。

  • 親鸞との比較は非常にわかりやすいのだけれど、道元はやっぱり難解だ。「正法眼蔵随聞記(ワイド版岩波文庫)」読んだ時よりは全然理解出来たけど。

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著者プロフィール

和辻哲郎
1889(明治22)年、兵庫県に生まれる。哲学者・文化史家。姫路中学、第一高等学校を経て、1909(明治42)年、東京帝大文科大学哲学科入学。在学中に第二次「新思潮」に参加、谷崎潤一郎らと文学活動を続ける。卒業後、京都帝大助教授を経てドイツ留学、1931(昭和6)年同大教授。1933(昭和9)年に東京帝大教授となり1949(昭和24)年退官する。翌1950(昭和25)年、日本倫理学会初代会長、1955(昭和30)年文化勲章受章。1960(昭和35)年没。主な著書は、大和古寺巡りのブームを起こした1919(大正8)年の『古寺巡礼』の他、『日本古代文化』『風土』『倫理学』(全三巻)『鎖国』『日本倫理思想史』など、また『和辻哲郎全集』(全25巻・別巻2)がある

「2019年 『国民統合の象徴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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