狼が連れだって走る月 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
4.18
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本棚登録 : 91
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309411279

作品紹介・あらすじ

旅の可能性を考えない定住者は現実を変える力はなく、定住の意味を知らない放浪者は頽廃に沈むだろう-旅の倫理と野生の哲学を探求する詩人思想家の不滅の名著。土地の精霊を先人たちの言葉と彷徨とともに呼び覚ましながら、砂漠と狼たちを讃える輝かしく美しい詩と思考の奇蹟。

感想・レビュー・書評

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  • ばななさんの大好きな本

  • 読むと自分の内側に風が吹く気がする。

  • 旅をして、自らの足で歩くことで世界を感じとっていくこと。自分の人生で話す言葉を自分で編みあげること。
    ちょっとした旅行だけれども、旅に出る前のこのタイミングで読み終えられて良かったと思う。
    ほんのすこしだけでも、むかしの自分じゃなくなるような旅がしたい。そう思った。

    個人的に前から抱えている、アメリカ南部~メキシコ界隈への異様な憧れというか幻想が広がるばかりの内容だった。
    西の地平線に沈む赤く燃える無償の光。濃密な空の青。乾いた冷たい風。そして砂漠。ああ憧れる。いつか行ってみたい。
    軟弱体質なのでそこに土着するのは無理だけれど。

  • この本は最近立て続けに読んでいた犬の本とは関係ありません。

    たぶん。

    この世の中にたくさん人間がいることについて考える。

    そいつらがどういうやつらなのか。「人間」と大きくひとくくりにしてみる時浮かんでくるのはどういう人間像なのか。それは誰のためのものなのか。考える。うーん。

    そのためには旅をしなければいけないし、旅とはいってもそのための旅にはきっと意思の力が必要だと思う。旅をしながらもその場に暮らし続けてはじめて紡がれる混濁の歴史も知っておかなければいけないはずだし。

    そういうバランスを、ぐっぐっといろいろな方向に大きくぶれながらでも保ってゆけたらいい、とも感じる。

  • 詩人の書くエッセイは、一つ一つの言葉に独特の輝きがある。
    特に、第4章の「水なき大洋の日没」は秀逸。この部分だけでも、ぜひ読んでほしい。
    アルバカーキに行ってみたくなった。

  • ★この本の3ポイント

    (1)旅すること、土地と結びつくことについて、熱っぽく語る。最も印象的なことばは「土地の期待にこたえる」だった。
    (2)著者は頭がよすぎるかもしれない。埋れたものを意識化しないではおられない。この本の多くの読者がたぶんそうであるように結局のところインテリであり、そこが物足りなさであり刺激的でもある。
    (3)1200円。文庫としては高いがソンした気分にはならない。いろいろ受けるものがあるはずだ。人によっては愛読書になりうると思う。ボクも死ぬまでにもう一度は読みそうな気がする。

    (2012年6月7日読了)

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著者プロフィール

1958年生まれ。詩人、批評家。明治大学理工学部教授(批評理論研究室)。比較文学研究者、翻訳者、エッセイストとして四半世紀を過ごした後、詩の実作に転ずる。第一詩集『Agend’Ars』以後、『島の水、島の火』『海に降る雨』『時制論』『数と夕方』『狂狗集 Mad Dog Riprap』(いずれも左右社)、英文詩集 Transit Blues (University of Canberra)を発表。また『Agend’Ars』四部作からの撰集(西日併記)がAgend’Arsとしてメキシコで、Transit Bluesスペイン語版がスペインで出版されている。2010年、スタンフォード大学での学会Transpoetic Exchange にジェローム・ローセンバーグとともに詩人として招待されたことを皮切りに、これまでに十数カ国の詩祭および大学で招待朗読を行った。エッセイストとしては読売文学賞受賞(2011年)の『斜線の旅』(インスクリプト)ほか著書多数。また仏西英からの翻訳者としてもエドゥアール・グリッサン『〈関係〉の詩学』『第四世紀』(いずれもインスクリプト)をはじめ、三十冊ほどの訳書を発表。

「2019年 『犬探し/犬のパピルス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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