- Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309411569
作品紹介・あらすじ
東西、古今の「事件」に材を採った、十蘭の透徹した「常識人」の眼力が光る傑作群。「犂氏の友情」「勝負」「悪の花束」「南極記」「爆風」「不滅の花」など。
感想・レビュー・書評
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十蘭先生の不真面目に、僕はいつも真面目に付き合わされます。ある着眼点でまとまった新聞記事のようなネタに、詩的で遊んだ描写を入れる、十蘭先生のレトリックにはいつも書き方とは何か考えさせられまする。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短編集。実際の事件や記録から小説に仕立てあげたような作品多し。
仏蘭西を舞台にしたもの、南方の戦地を舞台にしたものが多いなと思ったら、後ろの年表を見て納得。どちらも筆者自身が行ったことがあったんですね。
記録系でないような「彼を殺したが……」と「勝負」が好き。
「勝負」は、男二人に女一人、飛行機乗り、気だるい雰囲気、そのあたりがツボ。危うい3人と部外者だる語り手の関係性もいい。 -
海に落ちた知人を甲板から眺める「彼を殺したが・・・・・・」、
パリに住む<先生>に窃盗への参加を持ちかけるロシア人「犂氏の友情」、
互いに相手を思いやりながらも思いがすれ違う戦場の飛行士「勝負」など、
収められた10篇は、恐ろしいほどクールな視点で描かれています。
冷静な視線に加え、
登場人物たちの複雑な、あるいはねじれたともいえる感情の、交差や絡みあいが産む、深い物語性や終盤のサプライズに、限られたページ数でもぐいぐいと引きこまれていきました。
ここに描かれる考えや感情は、私たちのなかの多くもその欠片ほどを持っていても、口に出しかねるような後ろめたさを伴うものが多く登場します。
直感で買い求めた本がアタリだと、してやったり、とひとりドヤ顔になります。
河出文庫の Fine Play に拍手です。 -
特に中盤各編で感じられる、淡々とした筆致がいい。「公用方秘録二件」と、最後があっけないものの「海と人間の戦い」が特に印象に残った。
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新しくなつて 読みやすかったです。 どれも良かったですが、しいていえば、「勝負」ですか、絵で見るフランス風土紙を読んでいたので、景色を想像して、
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2013/1/15購入
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ドキュメンタリーのような文章は読みづらくてちょっと退屈だったけど、小説はどれも面白かった!
「彼を殺したが……」は非常に短いながらドス黒い人間の心理が炸裂していて冒頭から引き込まれたし、「カラスキー氏の友情」は石亭先生のマヌケっぷりと語り手の冷静さの対比が笑えた。「勝負」は戦時下における二人の男の心の駆け引きに夢中になった。
ちょっとキザな日本語表現も、美しくて読んでいて気持ち良い。 -
河出文庫での十蘭短編集もとうとう5冊目になった。3冊ぐらいで打ち止めと思っていたので嬉しい。続編が出るのか気になる。本編でも、事実をもとにして、驚くべき物語を生み出す錬金術に驚かされる。大戦直前のフランス、戦争中の東京、南方の戦地を舞台とする魅力的な男女が繰り広げる刹那的な行動を描く「勝負」が気に入った。
著者プロフィール
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