ミューズ/コーリング (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 33
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309412085

作品紹介・あらすじ

中1でスカウトされモデルの仕事を続けながら女優を目指す女子高生美緒。歯列矯正に通う彼女は、34歳の歯科医の手の"匂い"に魅かれ、恋に落ちる。粘膜的快楽に細胞までざわめく、野間文芸新人賞受賞の初期最高作「ミューズ」と、自傷を通して自分を確かめる彩乃と介護士の交流を描いた「コーリング」。代表作のベスト・カップリング。

感想・レビュー・書評

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  • 極度に身体的で感覚的。そしてなんというか箍が外れたとはちがうんだけど、どことなくキマっている人が見てそうなものを端正に機械的に描写しているような。とにかく独特で、解説にもあったけれどこういう機械的な身体描写はこの人の独壇場なんだろう。あえて誰に似てるかといえばサルトルが思い浮かぶ。
    「ミューズ」は通っている矯正歯科の先生に主人公である高校生の美緒が先生の手から漂うにおいがきっかけで惹かれていき、強引に関係を持とうとする話。母親が宗教狂いだったりテレクラでサクラをやっていたりと書かれた当時タイムリーだった要素も織り込まれているけれど、あまりにも感覚的な描写が圧倒的すぎてそういうのがかすむぐらい。
    「コーリング」はすごく予言的。今ではリストカットという行為は結構認知度も高く、別に死にたいわけじゃ、というのはこういう行為に少し詳しかったり興味のある人なら知っているけれど、当時その感じをずばっと言い当てている、それもかなり手さぐり感というか「素手」の感じが伝わってきて興奮した。

    でも私リスカの描写とか写メってすごく苦手だったりする。
    ちょっとうぇってなりながら読みました。

  • 高校生で女優を目指してモデルをやっている主人公が憧れだった歯医者の先生と両想いになって診察が終わった後の診療室でエッチなことをしたり公園の人目につかないところでイチャイチャしたりデレデレしたりツンツンしたりして、初めはちょっと天然だと思ってた先生のSなところに気付いてキュンキュンして私もMに目覚めちゃうというケータイ小説みたいな話。
    湿った口の中をかき回す指の感じが妙にエロくて、そこにするりと挿し込まれる無機的な言葉の違和感が変に気持ち良い感じ。官能的なケータイ小説。


    今の私にはあまりはまらなかったのだけれど、気になる作家さんなので他のも読んでみようかと思います。

  • 最初出されたときとは若干表現とかが変わっているのが個人的に残念。あの荒削りな感じが好きだったので。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。作家。95年に「起爆者」でデビュー。著書に『ヴァイブレータ』(講談社文庫)、『ヴォイセズ/ヴァニーユ/太陽の涙』『ミューズ/コーリング』(共に河出文庫)、『モテたい理由』『愛と暴力の戦後とその後』(講談社現代新書)など。2012年に刊行した『東京プリズン』(河出書房新社)で毎日出版文化賞・司馬遼太郎賞・紫式部文学賞を受賞。

「2015年 『日本の反知性主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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