- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309412559
感想・レビュー・書評
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「言葉」を通して、コミュニケーションや自己意識、時間などについて考察する。
読みやすくてあっという間に読んでしまったけど、もう一度あれこれ考えながら時間をかけて読み直したいとも思う。
後半、小川さんが小説の意義について述べる部分が印象的だった。対談が進むにつれて小川さんの中で想いが広がっていく様子を感じた。「ことり」読み直したいなぁ。
「言葉を解きほぐす技術がないといけない」という言葉は胸に留めておきたい。何事も一言で片付けない。こうして読んだ本も、「これよかったな〜」とラベリングして終わらせない。
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いや~面白かったです。全編マーカー引きたいくらい目からウロコがぼろぼろ落ちまくって、どうやって感想書いたらいいかわからないくらい。メインのテーマはもちろんタイトル通り「言葉の誕生」についてなのですが、そこから派生していくどの話題も興味深かったし、中でもいちばん衝撃だったのは「フェルミのパラドックス」の話で、言葉を持ってしまったがゆえに人類は滅亡にむかっているのではないかというのは、すごくわかる気がしました。そしてだからこそ、その中で言葉を使って物語を紡ぐ作家が「なぜ書くか」まで言及された小川さんのスタンスもとても美しい。
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面白かった。言葉の起源は「歌」ではないか?まさか小鳥と人間に共通点があるとは思わなかった。
文系の私でも分かりやすく書かれていてお二人の対談に引き込まれる。
赤ちゃんや雛の泣き声について、現代のコミュニケーションについてなど、興味深い話がいっぱいだった。 -
鳥やクジラに見られるような、求愛の時に行われる歌のような声から言語が始まったという仮設は面白と思うし、納得感がある。
しかし、それなりに長い対談の中で刺激的な話題が他にはあまりなかったのが残念。
対談というのもは基本的にしゃべったままを記録するものなので、あまり内容が詰まったものにはなりにくいのかな。
発声というのは本質的には呼吸を制御することであるというのは目から鱗が落ちる思いだった。鳥のように上空を飛んだり、クジラのように海に深く潜ったりするためには、意図的に呼吸を制御する必要があり、その副産物として多彩な歌を歌うことができる。他の動物は無意識的な呼吸のみを行っているのだろう。人間は呼吸を制御できる必要がなかったのに発声を学ぶことができたのが不思議だということ。(59ページあたり)
あと、コミュニケーションには、コミュニケーションしたいという意図のコミュニケーションと、内容のコミュニケーションに分かれるということ。(99ページあたり)
答えのない問いに対して考え続けるのは大切なことだと思う。 -
言葉はどのようにして、うまれたのか。自分にとっても子供の頃からの疑問を、好きな作家さんが脳科学者の方と考察していく様子が、とても興味深かった。歌うのは、鳥とクジラと人間だけ!なんてロマンティックなんでしょう。科学なのに。科学だから?
デバやジュウシマツに向けるお二人の優しい目線も、読み進めていて温かい気持ちにさせてくれる。 -
人間が言葉を生み出した謎に小説家と科学者が迫る。言葉の原型をもとめて人類以前に遡る対談形式の入門書。
言葉とはコミュニケーションの最たるものなのか。自分の気持ちを伝えるための進化か退化か。ただひとつ言えるのは、言葉から派生した文章表現には美しさが伴うということ。 -
楽器が好きだ。
サラサラ読めます。 -
リリース:靖子さん
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なぜ、人間だけ言葉があるか?逆に動物で、言葉を話せないのはなぜか。と言う発想から、言葉についた4つの要素を取り出し検討する。そして、人だけ言葉を使う仮説を設定している。なるほどと思う。
人類だけ、ホモサピエンスと言うとおり、1種のみなのに、言語だけ、多様化しているふしぎ。全く違った集団で育ったジュウシマツ同士も、文法が共通するだろうか。 -
H26/10/05
著者プロフィール
小川洋子の作品






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