口語訳 遠野物語 (河出文庫)

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感想 : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309413051

感想・レビュー・書評

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  • 学生時代に民俗学の講義を受けてからというもの、遠野物語や、各地に纏わる伝奇伝承を調べています。
    こういった民俗学のはしりとなったのが、この遠野物語です。
    もっといえば...
    子供の頃に「あこには行ってはいけないよ」とか「何時から何時のうちは、家から出てはいけないよ」とか、子供の頃親等から言われたことのない人は、いないと思います。
    そういった感じのものを集めたものがこの本です。
    何故そう言われるようになったのか、自分の地元のこと少し調べてみると、楽しいかもしれませんね。

  • 初めて読んだのがいつだったか思い出せない再読。怪異に転換することでしか気持ちを整理できない過酷な事件が、昔はたくさんあったのだ。

  • 本書は、民俗学者・柳田国男が発表した『遠野物語』を、岩手県遠野に生まれ、遠野市内の小学校校長を務めた佐藤誠輔(1928年~)氏が口語訳したものである。1992年に初版、2013年に改訂新版が出版され、2014年文庫化された。
    柳田国男(1875~1962年)は、兵庫県に生まれ、東京帝大卒業後、農務官僚、貴族院書記官長等を務める傍ら、全国各地を訪れて民俗調査を行い、日本民俗学の祖と称される。
    『遠野物語』は、遠野地方の民話蒐集家・小説家であった佐々木喜善により語られた遠野地方に伝わる逸話・伝承を、柳田が筆記・編纂し、1910年(明治43年)に発表されたもので、日本の民俗学の先駆けとも称される作品。その中には、ザシキワラシ、河童、神隠し、姥捨てなど、現代の我々もしばしば口にするキャラクターや事象が登場し、また、神への畏怖と感謝、祖霊への思いなどが通底しており、日本人の死生観や自然観が凝縮されていると言われる。
    私は以前より、本作品を一度は読んでみたいと思いつつ、原本の文語体がハードルとなっていたのだが、今般たまたま口語訳の本書を見つけ、通読することができた。尚、本作品はその文語体に趣があると一般に言われるが、民俗学者・赤坂憲雄氏は解説で、「『遠野物語』の文体はいかにも特異なものだ。それは、柳田が周到な文体研究の果てにつくりあげた、いくらか奇妙な文語体であった。」、「『遠野物語』の文体は、遠野の語りの世界からはまるで隔絶したものであった」、「佐々木喜善によるいかにも訥々とした、遠野方言の語りをひとたび脱色し、消去したうえで選ばれた柳田の文体」と書いているのは、ある意味興味深く、また、会話文のみ遠野方言で表し、そのほかは口語訳した本書に、新たな価値を与えていると言えるのかもしれない。
    いずれにしても、「日本人の死生観・自然観が凝縮されている」作品を知る上で、手に取り易い良書といえるだろう。
    (2021年3月了)

  • やたら人が死んだり殺したりで驚く。遠野には生きているものにも死んだものにも、よくわからないものにも惹かれる魔力のようなものがある場所なのだろうか。

  • 現代の遠野物語と称される「山怪」を先に読んでいて、遠野物語を読んでみると、確かに両者に共通して感じるところがある。
    何ということのない話の一つ一つに、山の側で生きている人たちの生活を思い浮かべることができるところだ。平野に住む関東民にとっては新鮮な感覚だ。

    遠野物語は「〇〇の家の××さんの話」などと存命の人が体験した身近な話を書いているから、よりナマの肌感覚があり、ありふれた話でも御伽噺とは違った奇妙な怖さを感じる。

  • 言わずと知れた本作。なんとなく、「昔々とある男が〜」という話を想像していたが、物語の時期や登場人物の身元がはっきりとしていることに驚いた(5年前に〇〇家の長男(存命)が〜といったぐあいに)。
    全話において起承転結が綺麗に描かれているわけではないが、それがある種の生々しさを顕にしている。東北という、大和政権の力が及ばない時代や村人たちの生活文化に柳田國男が魅了された理由がわかった気がした。
    なお、最後の方の頁に遠野の地図が載っているのだが、これから読む人は是非、地図を見比べながら読み進めることをお勧めする。

  • なんじゃこりゃという感じ
    これはこれで貴重な記録だが「物語」ではないのではないか

  • 遠野物語という名前自体は有名じゃないでしょうか。
    ただ、どんな内容なのかを全く知らなかったので読んでみた。
    柳田國男の名前も有名ですね。文系じゃないので学校で教わった記憶は無いが、
    柳田國男を引用している本は何度も読んだ記憶がある。
    じゃあ柳田國男著の本を読んだことがあるというかと、ないんだよねこれが。
    https://seisenudoku.seesaa.net/article/472425881.html

  • 知っている地名ばかり出てくるので遠野物語の時代から山は動かないんだなと思うと感動する。
    掲載されている話はよくある東北の昔話だから、地元民としては懐かしい感じ。
    鹿踊りのほめ唄はよく聞くアレなのか?とにかくもう一度読まなくては!

  • 原文では理解しにくい遠野物語を口語訳で内容をわかりやすくしているのはとてもありがたい。
    山男や天狗、狐、産鉄族、遠野に根付く神々にまつわる伝承が一つ一つ興味深く、「ありえないなんてことはない」という妖しげな浪漫に満ち溢れている。

    実際、東北の山々は人間が知り得ない未知の世界が広がっているのでは?と感じてしまうほど広大で深く、明治期という近代にあってもこのような話が起こることに違和感はない。死者の霊や妖怪のような存在、神々への畏怖が背景にはあるはずであり、そういった意味でやはり民俗学は面白い学問だと思う。

    遠野物語、イーハートーブ、吉里吉里人と独特の世界観を生み出してきたこの土地の摩訶不思議をぜひ読んでいただきたい。

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著者プロフィール

1875年兵庫県生まれ。農商務省勤務、貴族院書記官長を経て、1930年代以降は民俗学の著作に専念し、研究会や雑誌を主宰した。おもな著書に、『遠野物語』『木綿以前の事』『海上の道』など。1962年没。

「2021年 『葬送習俗事典 死穢の民俗学手帳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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