NOVA+ バベル: 書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)

  • 河出書房新社
3.69
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本棚登録 : 225
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309413228

作品紹介・あらすじ

第34回日本SF大賞特別賞、第45回星雲賞自由部門を受賞した画期的アンソロジー・シリーズ《NOVA》が装いも新たに、復活。
第34回日本SF大賞の全候補作家+日本SF大賞・同特別賞の受賞者たちが参加する、前代未聞の完全新作・オール読切アンソロジー。

「数奇な運命により、いまの日本SFシーンの第一線に立つベテランから新鋭までが顔を揃える豪華な一冊が誕生した」---大森望

●収録作品(全8作)
宮部みゆき「戦闘員」
月村了衛「機龍警察 化生」
藤井太洋「ノー・パラドクス」
宮内悠介「スペース珊瑚礁」
野崎まど「第五の地平」
酉島伝法「奏で手のヌフレツン」
長谷敏司「バベル」
円城塔「Φ(ファイ)」

感想・レビュー・書評

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  • 宮部みゆき「戦闘員」★★★
    月村了衛「機龍警察化生」
    藤井太洋「ノー・パラドクス」
    宮内悠介「スペース珊瑚礁」
    野﨑まど「第五の地平」★★★
    酉島伝法「奏で手のヌフレツン」★★★
    長谷敏司「バベル」
    円城塔「Φ」★★★★

  •  もう、思考を維持できそうにない。残りは二十五語段落。
     そうできるうちに語っておくべきことが多くあった。
     あの人に。あの人が誰なのかわからなくなる前に。
     忘れてしまう前にお礼を言っておくべきだった。
     わたしがわたしであるうちにするべきだった。
     我々は忘却を記憶しておくことはできない。
    (P.500)

  • 一番のお気に入りは、スペース金融道シリーズ

    人間が宇宙に拡散しても、資本経済は終わらなかった。
    が、貸し付ける相手に変化が。
    人間だけでなく、アンドロイド、人工生命体、異星人にも貸し出し、「宇宙だろうと深海だろうと、核融合炉内だろうと零下190度の惑星だろうと」どこまでも苛烈に取り立てる。
    そんな新星金融に勤める、気が弱く貧乏くじをいっつも引かされる「僕」と、頭がよく頼りになるが口が悪くすぐに手が出る、ムスリムのくせに金貸しの先輩「ユースフ」が宇宙狭しと取立てに精を出す。
    さらにそこにアンドロイドの公民権運動に熱心な「アンドロイドの母」リュセが加わり、ドタバタの追撃が毎度展開される。

    いろいろ特記すべき点があるが、まずは「アンドロイド」。
    といっても、ロボットロボットしたのではなく、ほぼ人間と変わり無い存在として描かれる。
    が、人間より公民権はなく、危険な作業に重視させられる。
    さらに新ロボット三原則、
    1・人格はスタンドアロンでなければならない
    2・経験主義を重視しなければならない()
    3・グローバルな外部ネットワークにアクセスしてはならない
    に縛られている。特筆すべきは、2番目。これはつまり、「人間風にいきましょう」ということらしいが、結果、迷信やジンクスを信じるようになったり、ストレス解消のために借金して散財したり、とある意味、「人間より人間らしい」行動をとり、結果、借金取りに追われるようになる。
     新原則の肝要は「アンドロイドが人間より賢くならないように」ということだが、そのためネットワーク(現在のインターネットみたいなの)へのアクセスは制限されている。それが3であるが、かわりに暗黒網(ダークウェブ)なるものがアンドロイド間に蔓延している、が人間側はそれを見ることができない。
     たぶん、これは、作中では「ロボット」とされているが、移民などの社会の底辺側にいる人たちのメタファーなんだと思う。
     
    宮内氏は、「NOVA」シリーズの「スペース金融道」シリーズで知った。
    「ヨハネスブルクの天使たち」も良かったけど、こっちのほうが好み。たぶん、宮内氏のドライな文体に、コメディーの要素(主に僕とユースフの掛け合い)がマッチしているからと思われる。

    単行本化、希望。

  • ノーパラドクス、スペース珊瑚礁、あたりが読み物として面白かった。
    アイディア勝負っていうか閃きだよねー、が第五の地平、Φ。
    読みやすかったのはバベル。

  •  全10巻で終了したと思っていた書き下ろし日本SFアンソロジーの『NOVA』が、『NOVA+(プラス)』となって、いつのまにか第二期が始まっていた。嬉しい驚き。さすが大森望氏。これからの楽しみが増えた。
     当代きっての作家たちが腕を競っており、同じSFとは言え、好みが合わないものや首をかしげるものなど様々だが、特に宮部みゆき『戦闘員』、酉島伝法『奏で手のヌフレツン』、円城塔『Φ』がお気に入り。

  • 宮部みゆき 『戦闘員』 ★★★☆☆
    月村了衛 『機龍警察 化生』 ★★☆☆☆
    藤井太洋 『ノー・パラドクス』 ★★★☆☆
    宮内悠介 『スペース珊瑚礁』 ★★★☆☆
    野﨑まど 『第五の地平』 ★★★★☆
    酉島伝法 『奏で手のヌフレンツ』 ★★★☆☆
    長谷敏司 『バベル』 ★★★★☆
    円城塔 『φ』 ★★☆☆☆

  • 読者の私の責任なのだろう、SFにはどうやら興味が持てないようだ。物語から学べることがほとんどなかった。登場人物の生き様も教訓も共感のきっかけすら持てなかった。作家の皆様すみません。

  • SF大賞選考待ちの焼肉屋で企画された、というエピソードも愉快なSFアンソロジー。
    宮部みゆき「戦闘員」これは盛り上がる展開なのかそれともバッドエンドなのか。できれば燃える展開を期待したい。
    月村了衛「機龍警察化生」これは既読。しかし…そうか、『未亡旅団』直後の時間軸だったか……。
    藤井太洋「ノー・パラドクス」時間モノです!いえいいえい!時間モノというだけで楽しくなってしまいますが、ノー・パラドクス!楽しかった。
    宮内悠介「スペース珊瑚礁」…《スペース金融道》シリーズ、というものがあるのですね…な、なんだそれ。1話完結だから心配するな、とありましたがこの最後の一文は…ほ、本当に大丈夫なの?
    野﨑まど「第五の地平」野﨑さーん!「あ、野﨑まどがいる」と思って手に取ったくせに読んでる途中で忘れていたので思いがけず喜んでしまいました。お得。しかしここでまさかのチンギス・ハーンとは…うん、めっちゃ笑った。大好きだ。
    酉島伝法「奏で手のヌフレツン」酉島さんの特徴的な文体には苦手意識があったのだけど、しかし今回は楽しめた!音楽モノだからだろうか…いやまあそれもあるだろうけど。
    長谷敏司「バベル」システムの話は楽しかったけれどやはり会社の部分が…ストレスですね。
    円城塔「Φ」150~1……いや、Φ。面白いしかけ。
    「戦闘員」「ノー・パラドクス」「第五の地平」が好き。

  • バベルやっと読み終わった感(^-^;
    ベテラン、若手のバランスが良くて豪華なアンソロジー。
    読んだことのない作家さんの作品も、サクッと読めて
    ほんとにお得な一冊だと思います。

    仕事終わりの鈍い頭の中にも響いたのは、酉島さんと
    長谷さん、円城さん。

    静かに文字を追い続けるのが楽しかったです!

  • 長谷敏司さんの「バベル」目当てで手に取りました。
    徹底的に書くスタイルが大好きです。
    そして読了後に色々と考えさせられてしまう所も。
    これまで読んだものの中では
    比較的ポジティブな気がします。安心して読めました(笑)

    宮部みゆきさんの「戦闘員」…寄稿にあたってのエピソードが有ってこそ読める作品でした。宮部みゆきの名前が無ければ「え?終わり?」的な…

    宮内悠介さんのスペース金融道シリーズ「スペース珊瑚礁」オチまで楽しめました!面白かった!

    いつもは苦手な円城塔さんも最後まで読んで、もう一度読み返してしまった「Φ」数えてしまったよ(笑)

    初読・野崎まどさんの「第五の地平」藤井太洋さんの「ノーパラドクス」は対照的でありながら、ぶっ飛び具合が近いなとか。

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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