屍者の帝国 (河出文庫)

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 1938
レビュー : 191
  • Amazon.co.jp ・本 (525ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309413259

感想・レビュー・書評

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  • 伊藤計劃氏の三作目。ただし、コンセプトとプロローグまで書いて亡くなったらしい。
    その後の全ては円城氏が引き継いだ。
    なので、どうしても仕方のないことだけど、
    虐殺器官等に比べると展開やストーリーが、合わないと感じた。逆にそんだけの条件のなか良くまとめたなと思うけど。
    もっとこの人の作品を読んでみたかった。

  • サーウォルターローリー。アリョーシャ。など、知ってる人は知ってる人物。事前にある程度知識ないと読めない一冊。
    結局、屍者とはなにかわからないが、霊素(魂)について考えさせる。これはこれで完成された作品だけど、やはり全編けいかく版を読みたかったなぁ

  • う~ん、さっぱりわからん。アフガン、日本、アメリカ、英国をまたに掛けた歴史摩り替え小説??
    生きる屍者と死せる生者??
    ネクロウェアで上書きされた意思と菌株に支配された意思??

  • 何とも難解と言うか入り組んでると言うか。
    有名な人名がたくさん出ていて、もっとゆっくりこれはあれであの作品で、みたいに読めたらもっと面白いのかなぁ??
    最後ハダリーがあの人になったのがちょっと胸アツでした。

  • 期待もこめての星4です。
    ちょっと文章がわかりづらいところが多々あるんですよね。こちらの読解力が低いということではなく、書き手側の問題であるとは思うのですけども。勢力関係も混沌としているし、もうすこしシンプルにすべきだったと思います。
    でも話の流れはとても良い!最後は胸が詰まりました。細やかな部分はわかりづらくて理解出来ていないと思うのにこうなるのですから、もっと洗練された文体になればさらに感動出来ると思います…!!
    それから、日本での話はやはり上手いですね。そこでの戦闘シーンは臨場感がありものすごく楽しめました。のめり込んでしまいました(笑)
    「屍者の帝国」。ワトソンとフライデーが、まるで、亡くなってしまった伊藤計劃を蘇らせた円城塔、その2人を示しているかのようで、感慨深いですね。円城塔さん、これからも読んでいきたい方です。

  • 絶筆が悔やまれる

  • 「あんたは、生命とはなんだと思う」
    笑い飛ばされるかと思ったが、振り返ったバーナビーは不思議そうな顔で淡々と告げた。
    「性交渉によって感染する致死性の病」

  • 帯には伊藤計劃さんと円城塔さんの合作と書かれていますが、私には死の描写が伊藤計劃のそれとは異なるものに感じられたため、この作品は円城塔さんの作品という認識をしました。

    この本を読んでいて人間とは何なのか、生きているとは何なのか、自分とは何なのか、屍者と生者の違いは、他者と自分との違いは、精神と肉体は分離可能なものなのか、魂は存在するのか、そんな多くの問いを考えさせられるような作品でした。私は、この物語の中ではその答えは見出せていないように思います。ひとえに、これは人間にとって永遠の問いであり、1つの物語のなかで結論づけられるものでもなく、それは個人個人が見つけるべきものなのでしょう。

    この作品の主人公ワトソンには、常にフライデーという屍者がついています。フライデーの存在があるからこそ、生者が際立ち、ワトソン自身もその違いに疑問を持ち続けられるのだと思います。特に後半でのフライデーを通して行われることがありますが、これがフライデーを単なる物として捉える、それとも生者の果てとして捉えるのか、ささいなことですが、物語に対する感じ方が大きくことなる気がします。ワトソン自身がフライデーに問う場面がありますが、そこでどう感じるかは読み手によって大きくことなるでしょう。

    私はこの物語に、これまで上げたような問いの解を求めてはいません。この物語は、生と死に対して新たな1つの視点を手に入れるためのもと私の中では位置付けています。ワトソンのように、それを問い続けること自体が私には生きている証しに思えます。

  • 勧めてもらって。

    18世紀に、死体にデータを突っ込んで動かす技術が発達するというSF。死体だけど、結局ロボットとかクローンとかそういう方面の生命倫理の問題とかと重なるな、と思った。
    実際の歴史上の出来事とリンクしていて、歴史好きは面白いのかもしれない。

    著者の世界観炸裂というか、読者を置いていく感じがすごいんだけど、最後はなんか、哲学でしたね。結局宇宙は脳みその中にあるのか。

  • 「神なくして人は死ぬことができるのだろうか、また神なくして死者の復活を望むことができようかと時折考えるのだが、君はどう思う? 生前は宗教に関心を抱かずとも、死の間際になれば説法を求めるものではないのかね。さもなくば教誨師という職業も、臨終の床で教えを説く臨床仏教師も必要とされないはずだ」
     神経質な指先でこつこつとテーブルを叩くのはいつもの癖だった。やれやれとため息をついて、僕にはまだ苦くて飲めそうにないブラックコーヒーをハイネに勧める。
     煙草やらカフェインやらが手放せない大人というのはかわいそうな生きものだ。
    「さあね……散骨や樹木葬が流行っているのがこのご時世だよ。あなたは宗教をハードウェアの一部だと考えているようだけれど、アップデートによっていつかは消えてしまうソフトウェアに過ぎないとしたら?」
    「死者を弔うのは人間という存在の根本をなしている。ネアンデルタール人には死者を埋葬する文化があった。ホモ・サピエンスはそれすらも手放そうというのかね」
     いかにも嘆かわしいといわんばかりに片手で秀麗な顔を覆い、空いた片手がシガレットケースに伸ばされる。指先に触れかけたそれを奪い取って、僕は聖歌の一節を口ずさんだ。
    「たとえ生者が死者の埋葬すらおざなりに片づけるようになったとしても、死者が生前好きだった歌ぐらいは捧げるかもしれないよ。葬儀は生者のためのものだし、生者の気が済むようにすればいいのさ」
    「……」
    ブラックコーヒーをすする音だけが静かに響いて、僕はシガレットケースをハイネにそっと押しやった。

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著者プロフィール

1974年東京都生れ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』でデビュー。『ハーモニー』発表直後の09年、34歳の若さで死去。没後、同作で日本SF大賞、フィリップ・K・ディック記念賞特別賞を受賞。

「2014年 『屍者の帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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