屍者の帝国 (河出文庫)

  • 河出書房新社
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レビュー : 194
  • Amazon.co.jp ・本 (525ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309413259

感想・レビュー・書評

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  • 2016年1月24日読了。
    素晴らしい。描写も設定もストーリーも。ラストシーンの力には血が逆流するかと思った。

  • 読むのかなりしんどかった

  • 死者を稼働させる技術があったら~というIFの話。

    (読み終わりましたが、最初の英文未訳です。)

  •  映画が意味不明だったので、虐殺器官、ハーモニーに続いて屍者の帝国を読んでみました。

     そして、読んだ結果は意味不明のまま。

     日本過ぎてアメリカに入ったころからページ読み飛ばしてたよ。

     つーわけでよくわからんまま終わってしまったが、まぁいっか。

     あまりにも意味不明だから解説サイト読んでもよくわからんのだ。


    と、昨晩読み終わってわけんかんねぇよ、で終わりになったのだが、一夜寝たら違うことに考えが至った。

    この本は円城から亡くなった伊藤へ向けた本だったのではないかと。

    魂とは言葉である。そして、最後に屍者だったフライデーがなんらかの原因によって魂を得ている。

    フライデーがやっていたのは大量の情報を詰め込み、大量の記録をつけていたこと。つまり、言葉である。

    大量の言葉を使うことでフライデーは魂を得た。

    このことから、亡くなった伊藤は本という言葉を残した。言葉が詰まった本にこそ伊藤の魂が宿っている。

    そのことを円城は伊藤に対する餞けにしたのではないか。

    そう、ふと思った。内容は半分わけんからんけど、永遠に残る言葉によって伊藤の魂の不変性を書き上げたのではないか。

    そんなことを考えると、最後にフライデーが魂を得た理由が腑に落ちたのだ。

  • やっぱり円城塔の文章って全然頭に入ってこないんだよなぁ…まぁ私の脳みそのレベルの問題なんだとは思うんだけど。劇場版とは設定が異なる部分がそこかしこにあったから楽しめたけど、映像のクオリティがものすごい高かったから私は映画派。(大里化学でのバーナビー山澤戦ほんっと興奮したぁ…)

    とは言っても他人の、しかも亡くなった人の作品を引き継ぐなんてどんだけ覚悟いるもんなんだろうか。完成させてくれたことに感謝、世に出してくれたことに平伏、天国の作者に合掌、って感じですかね!

  • 屍者復活の技術が全欧に普及した十九世紀末、医学生ワトソンは大英帝国の諜報員となり、アフガニスタンに潜入。その奥地で彼を待ち受けていた屍者の国の王カラマーゾフより渾身の依頼を受け、「ヴィクターの手記」と最初の屍者ザ・ワンを追い求めて世界を駆ける―伊藤計劃の未完の絶筆を円城塔が完成させた奇蹟の超大作。

    ・レビュー

    先日劇場アニメを観に行ってきて、ちょっと遅れて原作の読了もした。しかしまあ読みにくい作品だった……(笑)

    伊藤計劃という人は、どうもシンプルな作風にその本領があったようで、そう考えると『虐殺器官』と『ハーモニー』は実に読みやすかったなと。

    ただこの『屍者の帝国』がつまらない小説であるとは全く思わない。

    テーマは伊藤計劃単体の全2作より重厚で、世界観は非常に複雑で凝っている。

    この作品は伊藤計劃の長編第4作として刊行される予定だったが2009年の伊藤夭折により幻と消えた。

    それを盟友円城塔が、伊藤のプロットと「試し書き」の冒頭約30枚を引き継いで完結させた小説だ。実はこの構図は、この小説とその劇場アニメ化作品を評価する上で非常に重要なファクターになる。

    いやなる場合もある……というか、そういうのを気にする人にはなる。

    作品の評価を作品外の事情に左右されてするのはどうなのかという部分もないわけではないのであまりはっきりとは言えないが、実質的にこの作品は円城塔の作品のようなものなので、彼がそこまで計算していないわけがないようには思う。

    まあ計算というと聞こえが悪いが、想いを重ねたとでも言っておこう。

    円城塔のイメージはとにかく難しい単語も無いのに何故か読むのに時間が掛かるっていうイメージなんだけど、多分僕と文章のリズムが合わないだけで、芥川賞作家だし文章はうまいし普通の人はそれなりにテンポよく読めるんじゃないだろうか。

    そんな円城塔が伊藤計劃のプロローグを引き継いだのだけれど、これが思いの外違和感のない接続だった。

    物語としては実在の人物や実在の物語の登場人物か登場するパスティーシュ小説の形を取っていてそれが非常に面白い。

    例えば主人公ワトソンは言わずと知れたホームズの相棒。フレデリック・バーナビーはエラリー・クイーンから来てるし、ハダリー・リリスも非常にネーミングが秀逸。

    Mと呼ばれる人が出てくるが、これも最初はモリアーティ教授かと思ったがどうやらマイクロフト・ホームズのようだ。

    まあこのようにいろんな作品や実在の人物が登場する。

    世界観は大きく二つの要素がある。

    一つはスチームパンクの世界観、19世紀の世界を舞台とするSFだ。

    そしてもう一つは屍体蘇生の技術が存在し、社会に普及している世界である。

    主人公ワトソンは優秀な医学生であり屍者技術者である。彼はヴァンパイアで有名なヴァン・ヘルシング教授に見込まれて大英帝国の諜報機関であるウォルシンガム機関の諜報員になる。

    そしてアフガニスタンへ送り込まれることとなるのだが、彼はそこで屍者の王国を築いていると噂のアレクセイ・カラマーゾフを追うこととなる。ちなみにこのアレクセイはフョードル・ドストエフスキーの最後の長編小説『カラマーゾフの兄弟』の登場人物でもある。

    そして彼を追う旅の中でワトソンは旅を記録する屍者フライデー、豪快な巨体の相棒バーナビー、謎の美女ハダリーと、まあいろんな人物と出会い仲間になり敵となり時には別れ、謎を追っていく。

    そして謎の先にあるヴィクター・フランケンシュタインによる最初の屍者ザ・ワンの影と、「ヴィクターの手記」の存在。

    冒険モノとしてもなかなかの出来じゃないかなと思う。謎を追うミステリとしてもそのストーリーテリングは非常に惹きがある。

    そしてSFとしては、SFに内包される哲学的なテーマとともに非常に考えさせる物語だ。あとあまり書評では見かけないけれど、キリスト教や旧約聖書についても非常に下敷きにされている部分が多くストーリーにも大きく関わってくる。宗教というものもテーマの1つだろう。

    ネタバレ要素が多すぎて多くは語れないが、第33回日本SF大賞・特別賞、第44回星雲賞日本長編部門受賞に相応しい大作であることは確かだろう。

    好みは分かれそうだが、伊藤計劃と円城塔の関係と想いを物語に当て込んでも面白いかもしれない。そういう読み方は必ずしも推奨されないが、今回ばかりはエピローグの解釈において悪くない読み方とも思う。

    劇場アニメ版ではその解釈が全面に出ている。特に屍者としてワトソンに付き従うフライデーの設定が原作とは大きく違う。だが、エピローグにおける上記の解釈が劇場アニメではフライデーの設定の改変によって大きく拡大されている。

    それを良しとするか否かは好みによるが、アニメによる原作の改変もこういうやり方があるのかと思わせる。

  • 小説だからあたりまえに「うそ」なんだけど、それでも虚実綯交ぜと言いたくなるような見事、豪華な登場人物たちに終始胸が踊りっぱなしでした。
    だってワトソンくんが主人公で、ドミトリーとかアリョーシャが出てきてリットン調査団に榎本武揚だよ!!!
    内容的には貴志祐介の「天使の囀り」とかそれこそ伊藤計劃の「虐殺器官」的な感じ。こういうのめっちゃ好みなんだよなー。

  • 先に映画で見ました。
    映画とは全く別物で、でもとても楽しく読了。
    2時間の映像にこれを収めるきるのは無理ですね。

  • 夭逝した人気作家の未完の書を引き継いで完成させる。これはキツい仕事だろうなー。
    しかし、この作品はそんな物語関係なしに面白い!
    構築された世界の突拍子のなさと変なリアリティ。何より、このオールスターキャスト!彼らがさも必然的に動きだす!

  • とにかく難しかった。

    伊藤計劃と円城塔 って時点である程度は覚悟してたけど、予想通りの難しさ。

    あらすじについては円城塔のあとがきの言葉を借りるなら、いわゆる歴史改変ものであり、死者を労働力とした世界の話です。

    死体に電極を差してビビってやると、死体をプログラムした通りに動かせる技術ってのがあり、そこにフランケンシュタインやら、ヴァン・ヘルシングやらのオカルトチックな名前を冠した人達が出てきたりって話です。

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著者プロフィール

1974年東京都生れ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』でデビュー。『ハーモニー』発表直後の09年、34歳の若さで死去。没後、同作で日本SF大賞、フィリップ・K・ディック記念賞特別賞を受賞。

「2014年 『屍者の帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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