時間のかかる読書 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
3.61
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本棚登録 : 233
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309413365

作品紹介・あらすじ

横光利一の名作短編「機械」を11年かけてぐずぐず読んでみた。脱線バンザイ。読書を愛する全ての人に捧げる伊藤整賞受賞作の名作。

感想・レビュー・書評

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  • 最初に巻末のほうにある「機械」を読む
    確かに1時間くらいで読み終わる
    んで、本文のほうにいく

    なるほど、ここまでして読むってことができるんですね
    めちゃくちゃ面白いし、読むのは1時間だけど、書くのには、それまでの作家の人生分の蓄積があるのだから、11年かかって読むというのは実は大袈裟じゃないのかもしれない。

    とても面白かった。

    下記の本で、「銀の匙」を3年かけて読む灘校の国語の授業の話があるけども、本を読むって面白いですねー
    1000年くらい生きられたらいいのに。

    灘校・伝説の国語授業 本物の思考力が身につくスロ-リ-ディング
    https://www.amazon.co.jp/dp/4796686975/ref=cm_sw_r_cp_api_i_CKA8EbMCN5BSX

  • 横光利一の『機械』という短編小説を、これでもかというほどにダラダラと読んでいく本。インパクトのある表紙と、裏表紙の"読書の楽しみはこんな端っこのところにある"という一文に惹かれて購入しました。

    伊藤整文学賞の評論部門を受賞したということで、評論文かな、と思っていたところ、いわゆる「評論」とはまったく異なるスタイルで進んでいきます。とにかくあらゆるところにツッコミを入れる。ツッコミを入れた上で、さらに著者による想像(妄想?)みたいなものがつらつらと続いていく。

    "だが、『機械』の魅力とは、この「なぜ」である。「なぜ」と疑問を抱くからこそ、読みが先に進む。つまり、「なぜ」を「なぜ」として味わって読むのが、この小説に最もふさわしい態度だ"(P.216)

    これで果たして評論として収拾がつくのかと思って読んでいましたが、読んでいくうちに、本を読む楽しさを表現するためにはまとまりなんかなくても構わないことに気がつきます。そもそも読書の楽しみは、そういうところにはない。ましてや速く読むことに何の価値があるだろう。

    わたしはここ数年あまり小説というものを読まなかったのですが、本書には改めて小説の読み方を教えられたような気がしました。

    (20160228)

  • 読み終わった。読み終わったよ。
    時間かけようと思っていたのにあっというまだった。本編が気になってばっと一気よみしてしまって、どう解説?書くんだろう!と気になって読んでしまった。
    ああ。少しずつ読もうとしてたのに。

    狂人のこと、意識のこと、読書のこと。

    一番面白かったのは詩の速読の意味のなさ、というところでそれが面白かった。
    読書という時間の無駄をさらに時間をかけてあれやこれや考えて読むという、非常にスリリングな企画だ。
    一冊くらいこんな読み方してみたい。

  • 時間をかけて読んでます。

  • タイトルに惹かれて読んだ。
    途中であまりにもダラダラしてるから嫌になってきたけど、でも気になって読み進めていくうちに癖になってきた。
    読み終わった時は、時間をかけて読まないとわからないこともあるんだなぁ…と思った。

  • クスッと笑える超大作。

  • 読書感想文と批評の中間的な感じ。
    しかし、横光の難解な文章に対してじっくり向き合った姿勢はとても正しいと感じる。喜劇的な作家としての横光、並びに「機械」の印象は良い。

  • 11年をかけて1冊(原稿用紙50枚)を読み込むという、その試みに仰天。
    脱線につぐ脱線と、横光さんの本当に「よく分からない」文章への、適度な突っ込みに頷いてしまいました。
    贅沢な読書の形が、すてきで楽しかったです。

  • タイトルに魅かれて購入。
    横光利一の『機械』を11年かけてゆっくりゆっくり読む試み。
    やっぱり遅読はええですな。

  • 高橋源一郎が、本当にその作品を批評したいのであればできることであれば全部を引用しながらでなければならない、と言っていました。
    この『時間のかかる読書』はある意味それを成し遂げていると言えるでしょう。読むのに1時間ほどかかる(と本書内では言われていますが自分は30分程度しかかからなかったと思う、やはり読みが浅い)作品、横光利一の『機械』を、なんと11年もかけて読む、ということをやってのける訳です。
    作品内で一体何が起きているのか、例えば三人が喧嘩をするシーンがあったりなどするのですが、その喧嘩の描写から一体その工場はどれくらいの広さなのだろうとか、どういった流れで、どんな動きで喧嘩が行われたのだろう、どういった心境の変化があったのだろうとかを、著者は細かく一行一行丹念に追っていく。
    個人的には、最初の話の脱線する様が面白かったので、もっと作品に触発されて感じたことやそれに関連したあれやそれを書いてほしかったなあとも思います。

    と言う訳で改めて巻末に『機械』が添えられているのですが、やっぱりさっさと読んでしまったのでした。あかん。

    それにしてもこの文庫、装丁が素晴らしい。帯をつけた時と外した時でタイトルの向きが変わるのも面白い。

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著者プロフィール

1956年静岡県生まれ。劇作家・演出家・作家・早稲田大学文学学術院教授。90年、演劇ユニット「遊園地再生事業団」を結成し、1993年戯曲『ヒネミ』(白水社)で岸田國士戯曲賞を受賞、2010年『時間のかかる読書』(河出文庫)で伊藤整文学賞(評論部門)を受賞。著書に『牛への道』『わからなくなってきました』(新潮文庫)、『ボブ・ディラン・グレーテスト・ヒット第三集』(新潮社)、『長くなるのでまたにする。 』(幻冬舎)、『東京大学「80年代地下文化論」講義 決定版』(河出書房新社)など多数。

「2017年 『笛を吹く人がいる 素晴らしきテクの世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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