福島第一原発収束作業日記: 3・11からの700日間 (河出文庫 は 18-1)

著者 :
  • 河出書房新社
4.00
  • (3)
  • (2)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 56
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309413464

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 本作は、福島第一原発で作業する作業員のツイートを中心にまとめられたノンフィクション。

    震災後、いろんな報道や発表がされていますが、(筆者の肩書きが真実なら)これが最も現場に近い人が発信する情報何じゃないかと思われ。一定の知識を持った現場で働く人と、東電や政府(そして放射脳な人たち)が発信している内容との乖離が指摘されていて、改めて正しい情報の見極めが必要だなー、と思わされました。

    また、廃炉にいたるまで10年も20年も、もしかしたら40年、50年もかかるという話を読み、我々や上の世代が未来を担保に快適さを求めたツケの大きさを痛感。そんな状況なのに原発を再稼働させようとする輩は…老い先短いからと次の世代にツケを負わせて、自分たちは甘い汁を吸おうとしているとしか思えません。

    本作を読み終えた直後、縁あって福島を訪れることになりました。本作でのツイートは2013年3月までで、それから2年近く経っていましたが、未だに変わらず一部道路は封鎖され、マスクを付けた警備員が立ち構えていました。また線量が高いエリアでは、車の換気も外気を取り入れないようにしたりと、まだまだ終わっていないことを痛感。「復興」ところか「復旧」すら済んでいないのに…と辛い気持ちになりました。

    自分にできることは少ないけれど、できる限りのことを続けて行こうと改めて決意した次第です。

  • 元はツイッターでつぶやいた内容を本にしたもの。しかしよくあるツイート集ではなく、日にち毎にまとまっていて、報道内容などが逐一さしはさまれていて、非常に説得力のある内容。
     
    原発事故からの約二年間の作業員目線のリアルがよくわかり、東電の場当たり的な計画など、今まで知らなかった内容が事細かに描かれている。

    事故が収束宣言去れてから、作業員の危険手当てがなくなり、入札のために買い叩かれ、除染作業のほうが実入りが良いという現実。なんかおかしいですよね。

    一読の価値あり。

  • 【新着図書ピックアップ!】この本は、原発関係作業を20年に渡り行っている作業員のTwitter で、つぶやいたものが、まとめられている。3.11当時、著者は、福島第一原発の作業中で、そこから、700日間の記録である。Twitterでつぶやかれた内容であるので、日常会話のような文章で、非常に砕けた感じに日本語で、自分のことをオイラと表現し、方言を意識しているのか「です」を「でし」と表現している。Twitterならではの親しみ感が伝わってくるのだが、福島原発の過酷な状況を、リアルタイムの伝えた貴重な記録となっている。

  • ふむ

  • 2015年2月20日購入。
    2022年3月28日読了。

  • 原発事故は終わらない。東日本大震災が起きた2011年3月11日からほぼ毎日ツイッター上で綴られた、福島第一原発の事故収束作業にあたる現役現場作業員の貴重な「生」の手記。

  • 単行本で既読/書きおろし分読了。

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

20年近くのキャリアを持つ原発作業員。福島第一原発で作業中に東日本大震災に遭い、事故発生当初から現在まで断続的に収束作業に従事する。

「2015年 『福島第一原発収束作業日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ハッピーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×