ふる (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
3.13
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本棚登録 : 1096
レビュー : 126
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309414126

感想・レビュー・書評

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  • H30.3.16 読了。
    ・人は皆それぞれの人生を歩み、いろいろな人達に関わりながら生かされている。この本自体は終始焦点がぼんやりとした何とも掴み所がないようなそんな作品だった。
    女性器といのち。

  • 西加奈子の本はこれで3冊目であったが、改めてこの人の作品って良いなと思った。
    主人公のかしすの方言が話し方が優しくてかわいくてとても癒されました。かしすに実際に会って話をしてみたくなりました。

    作品自体はふわふわとしていて、なんだか不思議な感じもしたが、嫌いじゃないなと思いました。

    最後のあとがきも読んでいて色々考えさせられ、また同時に西加奈子のことが好きになりました。

  • 不思議な世界観。主人公は他の人には見えない白いものが見える。ホラー的なものかなと思いながら読み進めていくと全く違った。人には色々な側面があり、色々な人とかかわり合いながら生きているということを感じさせられた。

  • 主人公の花しす(かしす)はアダルトサイトにアップする画像の女性器にモザイクをかける仕事をしている。人間の顔と同じで、誰にでもついているパーツ、同じもののはずなのに、そこには実はそれぞれ個性がある。

    なぜ20代女性主人公の職種をそんな特殊なものに設定を?と最初は不思議に思っていたけれど、これが結構最後に重要な役目を果たします。だってどんなにグロテスクでも、モザイクかけなきゃいけない猥褻物扱いされても、それがあるから愛の行為があり、そしてみんなそこから生まれてきたんだもんね。

    2011年現在の花しすと、過去のエピソードがランダムに織り交ぜられる構成と、そこかしこのターニングポイントに現れる「新田人生」という名の男性(※同一人物ではない)、花しすが子供の頃から見える、人間に纏わりつく白いふわふわしたものなど、若干マジックリアリズム的出来事が盛り込まれているので免疫のない人は戸惑うかもしれないけれど、花しすはけして「不思議ちゃん」ではないし、非常に共感しやすい等身大のキャラクター。特殊な職業のわりに職場の同僚はみんな良い人で、朝比奈さんと黒川くんとのトークはとても心地いい。

    個人的には初期の『さくら』に通じるテーマを感じました。それは圧倒的な「生の肯定」と「性の肯定」。自分なんて生まれてこなければよかった、セックスなんてしょせん快楽目的で子供は副産物、何もかも汚らわしい、そんなふうに思ったことのある人は少なくないと思う。でも西加奈子はそんなネガティブな否定論を全部吹き飛ばして、「私たちは、祝福されている」と断言してくれる。

    日常のそこかしこ、記憶の断片のそこかしこに、祝福の言葉は「ふって」きている。非常にポジティブでストレートなメッセージが、なんというか頼もしかったです。

  • 掴み所が無いのに、心の底でコトンと何かが腑に落ちる感じが、西加奈子作品の好きなところ。

    その色がふわふわしながらも色濃くて、あぁ好きだなと思うラスト。

    好みは分かれると思いますが、わたしはこういう小説がすき。

  • 軽く読めば主人公 花しすの日常を淡々と綴ったほのぼのした作品とも言える一方で、女性として又は人間として一貫した問いを考察し続けているような深みも感じる。
    終盤が特に難しくて自分には西さんの意図を充分に理解できていない自覚があるのですが、それでもそこはかとなく訴えるものが伝わってくる不思議な魅力の作品です。

  • すごい。
    最後の最後ですごいものを突きつけてくる。
    それまでの「不思議な女の普通な日々」からの突きが胸に残る。
    生きること、人と出会うこと、伝えること、感じること、いろいろな事を日々やっているけれど、今一度何が大切なのか考えるキッカケをくれる。

  • 花しす
    はなちゃん
    どぉやん
    池ちゃん
    イケ
    夏実
    なっちゃん
    なっつ
    なつ
    なっつん
    なってぃ
    いろいろなわたし、いろいろなみんな
    どれもわたし。覚えていたいけどすぐに忘れるけど、すべてのことが自分をつくってくれているのだけど。嫌われたくないけどぶつかったらええやん。どの気持ちもわかるしどの気持ちもわからない。大切な何かがここに、毎日に、ある。

  • ふわふわとした心地のまま、新田人生って何だろうなどと思いをめぐらせつつ読みすすめていたら、突然お話が大きく転換して急勾配を駆け抜けはじめ、これはなんだかすごく大切なことが書いてある!と必死に追いすがりながらも、それをつかみきれないもどかしさとそれでもなにかが許されているような清涼な神々しさが残る、不思議な読了感。

  • この小説を男性が読むことは どうなのだろう。

    読んではいけないことはない。
    しかし 作者の気分のようなものに寄り添えるかどうか。

    作者自身もあとがきで記しているとおり この作品を
    このままでよしとした編集者の度胸に 恐れ入った。

    ふわふわとは何なのだろう。根本的なところで
    共感には及ばなかった。

    しかし花しすのような人間の 嫌われないように
    出すぎずそこそこに生きるというのは 心底わかる。

    人間と関わるというのは 人によってはとてつもなく
    恐ろしいことで それをそのように感受する人は
    とてもいとおしい存在なのだと思えてしまう。

    女性はこれを読んでどう感じるのだろう。
    他の方のレビューを楽しみにしたい。 

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著者プロフィール

1977年、イランのテヘラン生まれ。エジプトのカイロ、大阪府堺市で育つ。関西大学法学部卒業。雑誌「ぴあ」のライターを経て、2004年『あおい』でデビュー。
2007年『通天閣』で織田作之助賞大賞、2011年咲くやこの花賞、2013年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞、2015年『サラバ!』で第152回直木三十五賞を受賞。
その他代表作として、宮崎あおい・向井理出演で映画化された絵本『きいろいゾウ』、同じく映画化された『円卓』、20万部を超えるベストセラー『さくら』、本屋大賞ノミネート作『i』など。
プロレス好きとして知られる。お気に入りの本は『アントニオ猪木詩集』。

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