史上最強の哲学入門 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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  • / ISBN・EAN: 9784309414133

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    数々の有名な哲学者が紹介されている、「哲学者大全」のような読み物でした。
    この1冊にかなり分かり易くまとめられているので、題名の通り「入門書」としてはかなり良書だと思います。

    数多くの偉人たちを時間軸で紹介しているので、当時の世界にはどのような考え方が蔓延していて、そのパラダイムシフトとして新たな偉人の考えが提唱されたという事も分かりました。
    考え方のみを羅列しているわけではなく経過も分かる為、哲学史としてもとても読んでいて興味深い1冊だと思いました。
    個人的には、近代哲学者であるアダムスミスとマルクスの相反する考え「資本主義vs共産主義」の箇所が、かなり読みごたえがあったかも。
    マルクスの著作である「資本論」も、一度じっくり読んでみたいと思いました。

    ただ、こんなことを言うと元も子もありませんが、そもそも「哲学」という学問を、日常生活において適用させるという事は難しいかもしれません。
    社会人としての「知識・素養」として哲学身に着けておきたいということ以外に、今のところ使い方を見いだせないような・・・・・笑
    本書のように哲学に関する書籍は多々ありますが、正直言うと、そもそもこの哲学という「先人の教え」を、どう日常生活に変換して運用するのかという事については甚だ疑問ですね。
    この本を読んで得た知識をどのように運用するのか、そこは読み手として考えなければならないなと思いました。
    (本書に限らず、どの本もそうですが・・・・)

    ・・・と、否定的な意見も言いましたが、短期的な実用性のみに拘らず、偉大な先人たちの偉大な考えに広く触れれるというメリットだけでも、個人的にはかなりプラスになったと思います。
    哲学者といえば、僕はソクラテスやデカルトなどメジャーどころしか知りませんでしたが、この本を読んだことで自分が知らなかった哲学者の偉大な考えに触れれたのも良かったです。
    数多くの偉大な人物の考え方・生き方を手軽に追体験できる良い1冊でした。


    【内容まとめ】
    1.ソクラテス「無知の知」
    相対主義を是とせず、絶対的な価値・真理、すなわち「本当とは何か?」を人間は追求していくべきという熱い信念を持つ。
    ちなみに、「無知の知」とは、「無知を自覚していない知識人よりも賢い」ということではない。
    「無知の自覚こそが心理への情熱を呼び起こす」といったこと、要するに「真理」を追求する姿勢なのである。

    2.デカルト「我思う、ゆえに我あり」
    数学者としても、「X軸・Y軸の2次元の座標系」を考え出した名の知れた人物。
    我々の認識に真理などなく、もしかするとすべて嘘なのかもしれない。
    だが、一つだけ疑うことのない事実として、「疑っている私がいることだけは疑えない」ということがある。

    3.カント
    規則正しい生活で、近くの住民が彼の散歩姿を見て時計の時間を合わせたほど。
    「真理とは、人間によって規定されるものである」
    結局のところ、人間は「人間にとっての世界」「人間にとっての真理」にしか到達できない。
    どの生物にとっても共通する真理など存在しない、なぜなら真理など人(モノ)それぞれだからだ。

    4.アリストテレス「論理学」
    哲学史において「巨人」と呼ばれる人物。
    アカデメイアの生徒でプラトンの弟子であったが、アリストテレスはプラトンのイデア論を「無意味に物事を2倍に増やしただけ」と批判している。
    アリストテレスが万学の祖と呼ばれている所以は、あらゆるもの(天文、気象、動物、地球)を対象に特徴の観察を行い、抽出した特徴を体系的に分類し、整理するといった学問「自然科学」を始めたことにある。

    5.アダムスミス「神の見えざる手」
    国家の役割を国防・警察・教育など必要最低限にとどめ、経済活動への国家介入を否定する「リバタリアニズム」の元祖。
    「利己的な利益追求は卑しい」とされていた世界の常識に反して、「金儲けに走れ!」と唱えた。
    また、「神の見えざる手」に導かれて、競争という原理の元で自分勝手に利益を追求しても、結局は社会全体の利益につながるような結果が生じる。
    最終的には皆幸福になる、という楽観的な説。

    6.マルクス「共産主義」
    アダムスミスの資本主義に対する批判の要点は、「資本家が労働者を搾取する不公平なシステム」という点。
    実際に、労働者が働いて生み出した富の一部しか労働者には与えられず、残りは資本家の懐にいくからである。
    また、「資本家同士の競争」もマルクスは提言している。(たとえば価格競争など)
    その結果、割りを食うのは労働者であり、過酷な労働や給与カット、リストラになる可能性もある。

    この問題をどう解決するかが、共産主義である。
    国家が資本家を含む全員の財産を取り上げ、均等に公平に分配すれば、格差のない平等社会ができる。
    (ただ、このマルクスの哲学に後押しされて生まれた多くの共産主義国家はすでに破綻している。)

    7.資本主義が絶対ではない。
    資本主義社会は「消費経済」であるが、実は「成長し続けなければいけない」という過酷な宿命を背負っている。
    停滞した先には沢山のリストラや、関連企業の倒産が待ち受けている。
    止まってしまうと死んでしまうマグロのように、死に至るその日まで必死に泳ぎ続けなければならないのだ。
    自分の生活を豊かにするために資本主義経済を作り出したはずなのに、いつの間にかそのシステムを維持するためだけに、過剰な労働を強いられているのだ。

    8.ニーチェ「超人思想」
    人間本来の根源的なまっすぐな欲望、力への意志を指す。
    強くなりたいという意志をしっかり自覚し、目を背けず、その「力への意志」に従って生命を燃やし続ける。
    そんな超人たちなら、「神」や「道徳」といった既存の価値観に囚われて堕落せず、自分自身で生きていける。


    【引用】
    p21
    ・プロタゴラス「人物は万物の尺度である」
    相対主義哲学の第一人者。
    「善悪」や「美醜」など、どの概念もそれぞれ人が自分の尺度、価値観で勝手に決めたものにすぎない。
    要するに、「人それぞれさ」ということ。


    p25
    ・ソクラテス「無知の知」
    相対主義を是とせず、絶対的な価値・真理、すなわち「本当とは何か?」を人間は追求していくべきという熱い信念を持つ。

    「無知の知」とは、「無知を自覚していない知識人よりも賢い」ということではない。
    「無知の自覚こそが心理への情熱を呼び起こす」といったこと、要するに「真理」を追求する姿勢なのである。

    ちなみに、「結婚したまえ。良妻を得れば幸福になれるし、悪妻を得れば哲学者になれる」という名言も。


    p37
    ・デカルト「我思う、ゆえに我あり」
    数学者としても、「X軸・Y軸の2次元の座標系」を考え出した名の知れた人物。

    我々の認識に真理などなく、もしかするとすべて嘘なのかもしれない。
    だが、一つだけ疑うことのない事実として、「疑っている私がいることだけは疑えない」ということがある。


    p45
    ・ヒューム
    イギリス経験論「人間の中に浮かぶ知識や観念は、すべて経験から来たものにすぎない。」
    ヒュームこそイギリス経験論のリーサルウェポンである。
    疑うこと自体がタブーであった神に対しても懐疑の目を向け、さらには科学(因果律)までも疑うほど懐疑論への徹底ぶりを見せた。


    p54
    ・カント
    規則正しい生活で、近くの住民が彼の散歩姿を見て時計の時間を合わせたほど。

    「真理とは、人間によって規定されるものである」
    結局のところ、人間は「人間にとっての世界」「人間にとっての真理」にしか到達できない。
    どの生物にとっても共通する真理など存在しない、なぜなら真理など人(モノ)それぞれだからだ。

    カントの登場によって転換が訪れ、「人間にとっての真理」を求めるというより現実的な方向へと変わっていった。


    p68
    ・ヘーゲル「弁証法」
    弁証法
    →対立する考えをぶつけ合わせ、闘争させることによって、物事を発展させていく。
    →そんな対立の中から、新しい考え、「優れた真理」を生み出していくやり方。


    p74
    ・キルケゴール「実存主義」
    「私にとって真理だと思えるような真理。私がそのために生き、そのために死ねるような真理。そういう真理を見つけることこそが重要なのだ」

    ヘーゲルの弁証法により「いつ現れるのかわからない真理」を待つのではなく、「いま現実を生きている個人が真に納得できる真理」を見つけようという主張である。


    p78
    ・サルトル「人間は自由の刑に処せられている」
    人間には真理や生きる目的を与えられていないし、明らかにされてもいない。
    人間は「何をすべきか」を自分で「決断」して生きていかなくてはならない。
    その「決断」するための「価値観」ですら世には沢山あるため、「えいや!」とどれか一つを適当に決断するしかないのである。

    すなわち人間とは、何を選んでいいか分からない世界に、頼んだわけでもないのに突然放り込まれ、「キミの人生なんだから好きに選びなさい」と自由を強制されているのである。

    ただ、それは悲観な事ばかりではない。
    間違っているかもしれないリスクを背負ってでも、何かを選んで生きる方が遥かに良い。
    そういったサルトルの呼びかけに感化された若者たちは続々と、共産主義革命や学生運動にのめり込んでいくようになる。


    p86
    ・レヴィ=ストロース「構造主義の祖」
    歴史は一つの方向にだけ進展したりはしない。
    世界には様々な文化、価値観を持った社会が多数存在し、それらの文化や社会の間に優劣はなく、目指すべき唯一の文化、究極の社会なんてものもない。

    近代哲学を「西洋中心主義の傲慢な思い込み」と断じた。


    p95
    ・デューイ「プラグマティズム:それって結局何の役に立つの?」
    彼は、人間の思考や理性は単に「生きるための道具」にすぎないと考えた。
    何も難しく考える必要はなく、すべてを「道具として何の役に立っているか?」というキーワードで考えれば良いということ。


    p118
    ・レヴィナス「他者論」
    イリヤ:自分が死んでもなお存在し続ける「世界」そのものを恐れる気持ち。
    この世界はたくさんの「他者」、すなわち「私に対して無関係にそこにあり、かつ決して理解できない不愉快な何か」で満ちあふれている。

    宗教も科学も哲学も、世界を何らかの形で記述してまとめようと「囲い」を設けて試るが、その囲いの外側には「他者」、すなわち「違うと否定するもの」や「囲いに含まれないもの」が必ず存在してしまうのである。

    しかし、他者とは真理への到達を妨げる忌むべき存在というだけではない。
    レヴィナスも、「他者とは、私という存在を、自己完結の独りぼっちから救い出してくれる唯一の希望であり、無限の可能性である」と説いている。

    他者が他者である以上、「違う!」と拒絶されたり否定されることは往々にしてある。
    だが、そこで他者を無視したり、見て見ぬふりをしてはいけない。
    もしそうすると、そこにあるのはただの自己完結、不毛な独り言になってしまうからだ。
    だからこそ、僕たちは他者から逃げ出さず、また他者を殺してはいけないのである。
    「真実はこうなのではないか?」と、問い掛けなくてはならないのだ。


    p130
    ・プラトン「イデア論」
    紀元前400年ごろにギリシアにいた哲学者で、最初に国家について深く考えた人物。
    また、ソクラテスの弟子でもある。

    イデア:究極の理想の存在
    「究極の理想の正義」→正義のイデア
    「究極の理想の美」→美のイデア
    プラトンは、「イデアを知ることができる優秀な哲学者が王になるべき、もしくは王が哲学を学ぶべきである」と説いた。


    p143
    ・アリストテレス「論理学」
    哲学史において「巨人」と呼ばれる人物。
    アカデメイアの生徒でプラトンの弟子であったが、アリストテレスはプラトンのイデア論を「無意味に物事を2倍に増やしただけ」と批判している。

    アリストテレスが万学の祖と呼ばれている所以は、あらゆるもの(天文、気象、動物、地球)を対象に特徴の観察を行い、抽出した特徴を体系的に分類し、整理するといった学問「自然科学」を始めたことにある。


    p163
    ・ルソー「国家の主権者は人民である」
    「真の権力者は王ではなく民衆である」という人民主義を唱える。
    自分を不幸にする国家なんていらない。

    ちなみにルソーはよほど立派な人間かと思いきや、品行方正とは程遠い、また露出狂の、かなりのダメ人間であったらしい。

    ただし、ルソーには文才があった。
    その文才ゆえに人民主義の思想が民衆の間に広まり、王であるルイ16世と王妃マリーアントワネットを裁判にかけギロチンで公開処刑にしたのである。
    これが世に言う「フランス革命」であり、「民衆が革命を起こして王を公開処刑した」という世界史においても象徴的な出来事である。


    p175
    ・アダムスミス「神の見えざる手」
    国家の役割を国防・警察・教育など必要最低限にとどめ、経済活動への国家介入を否定する「リバタリアニズム」の元祖。
    「利己的な利益追求は卑しい」とされていた世界の常識に反して、「金儲けに走れ!」と唱えた。

    また、「神の見えざる手」に導かれて、競争という原理の元で自分勝手に利益を追求しても、結局は社会全体の利益につながるような結果が生じる。
    最終的には皆幸福になる、という楽観的な説。


    p182
    ・マルクス「共産主義」
    アダムスミスの資本主義が大成功を収める中、1人冷ややかな目で資本主義について意見を述べたのがマルクスである。
    批判の要点は、「資本家が労働者を搾取する不公平なシステム」という点。
    実際に、労働者が働いて生み出した富の一部しか労働者には与えられず、残りは資本家の懐にいくからである。

    また、「資本家同士の競争」もマルクスは提言している。(たとえば価格競争など)
    その結果、割りを食うのは労働者であり、過酷な労働や給与カット、リストラになる可能性もある。

    この問題をどう解決するかが、共産主義である。
    国家が資本家を含む全員の財産を取り上げ、均等に公平に分配すれば、格差のない平等社会ができる。
    ただ、このマルクスの哲学に後押しされて生まれた多くの共産主義国家はすでに破綻している。。。

    また、資本主義が絶対ではない。
    資本主義社会は「消費経済」であるが、実は「成長し続けなければいけない」という過酷な宿命を背負っている。
    停滞した先には沢山のリストラや、関連企業の倒産が待ち受けている。
    止まってしまうと死んでしまうマグロのように、死に至るその日まで必死に泳ぎ続けなければならないのだ。
    自分の生活を豊かにするために資本主義経済を作り出したはずなのに、いつの間にかそのシステムを維持するためだけに、過剰な労働を強いられているのだ。


    p225
    ・イエスキリスト「汝の隣人を愛せよ」
    ユダヤ人の迫害の歴史の中で現れたのがイエスキリストである。
    イエスの言動は、「ユダヤの救世主」を待ち望む人々に大きな失望を与え、激しい怒りを買うことになった。
    結局、イエスは反社会的活動を行う偽物の救世主として捕らえられることとなる。


    p269
    ・ニーチェ「神は死んだ」「超人思想」
    イソップ童話のキツネの話。
    キツネは本当はブドウが欲しくてたまらなかった。
    実際にブドウが食べられるとしたら間違いなく食べた。
    しかし、ブドウは食べられない高さにあったため、彼は自分の都合でブドウの価値を落としめる。
    「ふん、あのブドウは酸っぱいに違いない。ああ、食べなくて良かった」と。

    彼らはずっと心の中で取れないブドウへの恨み、すなわち「ルサンチマン」を抱きながら、ブドウを欲しがらない無欲な自分を誇りに思うのだ。

    失敗を恐れ、行動せず、成功者を貶める事で内面的な勝利を得た気になる。
    彼らは、それを手に入れられない弱者であるからこそ、弱者である状態を惨めに思わないよう、弱者であることに価値を見出す幻想を作り出して崇めているだけなのである。
    ニーチェはこの歪んだ人生を、ただの欺瞞にすぎないと断言する。


    p274
    ・ニーチェ「超人思想」
    ニーチェの「超人思想」とは、人間本来の根源的なまっすぐな欲望、力への意志を指す。
    強くなりたいという意志をしっかり自覚し、目を背けず、その「力への意志」に従って生命を燃やし続ける。
    そんな超人たちなら、「神」や「道徳」といった既存の価値観に囚われて堕落せず、自分自身で生きていける。

  • 普段はあまり読まないジャンルの本。
    大変興味深かったです。
    今までは哲学を毛嫌いしていたところがありましたが、読了後は、自分の思考にそれらの教訓を組み込めた感覚があり、とても良かったです。

    私が哲学を毛嫌いしていた理由は、"正解がないから"でした。
    それぞれが好きなように語って好きなところに帰着してるそれに対して、無意味だと思っていたんですね。

    読み進めても、"正解がない"という認識に変化はなかったのですが、読むほどにその認識と自分の人生観に結びつきを感じました。

    それは、人生にも正解がない、という人生観です。(悲観しているわけではなく、世の中には色々な人がいるよねというニュアンスです。)

    つまり、哲学は変わっていなかったですが、哲学を毛嫌いしていたころから自分が変わっていたんです。
    そしてその自分の変化の結果、哲学を前向きに受け入れられるようになっていました。

    これは面白い感覚でしたね〜。

    読むタイミングによって抱く感想が異なりそうな本で今後もたまに読み返したいなあと思いました。

    個人的には、ニーチェとソシュールのラウンドが好きです。

    ---
    もしあなたが死んだら、その存在はもはや存在しない。あなたが見ている「世界」とは、あなた特有の価値で切り出された「世界」であり、その「世界」に存在するものはすべて、あなた特有の価値で切り出された存在なのである。
     だから、あなたがいない「世界」は、あなたが考えるような「世界」として決して存在しないし、継続もしない。
     なぜなら、存在とは存在に「価値」を見いだす存在がいて、はじめて存在するからである。
    ---

  • 著者の「正義の教室 善く生きるための哲学入門」が非常に面白く、哲学というものに対し「目から鱗」体感があったので、こちらも読んでみることに(しかし「飲茶さん」て何者なんでしょうか…ネットで調べても詳しくわからない…)

    31名の哲学者が勢ぞろい!
    人物名鑑的に辞書のように使えるだけでなく、それよりも歴史的に繋がっているのがポイント!
    こういう哲学的な考えがあり→こういう反対意見が出て→さらに別の哲学的な考えが登場!
    みたいに流れがちゃんとある
    世界の歴史も時代背景もついでにお勉強できるので、点が線になり面にまでなる予感さえする(自分次第だが)
    そして著者の考えもふんだんにあり読ませるため、読み物としても面白い
    この方の考え方は大変真面目で熱量もあり、さらにロジックもしっかりしているため説得力がハンパないっす!

    今回はギリシャ編、経済編、番外編にポイントをおいて個人的(偏りまくり)備忘録をまとめることにする

    【ギリシャ編】
    ソクラテス→プラトン→アリストテレスの流れにて

    ■ソクラテス
    「無知の知」
    ~無知の自覚こそが真理への情熱~
    例)
    政治家が「みんなの幸せのために政治を守るために、正しい政治をしよう!」
    本当に正しいことってなに?
    本当の正義ってなに?
    本当の幸福ってなに?
    そう、我々は何も知らない
    だから議論して一緒に考えようぜ!
    という考え
    またこんな調子のため、恥をかかされた政治家たちから恨まれ死刑となるが、最後まで「真理のためなら死をもいとわぬ生き方」を貫く

    ■プラトン
    国家について深く考える(主著「国家」だからね)

    「イデア論」…究極の理想の存在
    「哲人王思想」…「イデア(究極の理想)がどんなものかが、ちゃんとわかっている優れた人間を頂点において、国家を運営していこう」
    本当の正義を知っている人間が政治をやればいい!
    哲人王を作ればいいんだ!
    と、国中から才能ある子供を集めて育成する

    プラトンはソクラテスを大変尊敬していた
    そのソクラテスに死刑の判決が下されるという悲劇が民主主義のなかで行われた
    そのためプラトンは民主主義に絶望しそれを超える理想の政治体制(哲人王思想)を考えるようになった

    ■アリストテレス
    プラトンの教え子の1人
    学問の大巨人
    プラトンの「イデア論」に疑問を持つ
    アリストテレスが考えた3つの政治体制
    ①君主制(一人の王様が支配)→王様が好き勝手やって国がボロボロ
    ②貴族制(少数の特権階級が支配)→権力争いをやって国がボロボロ
    ③民主制(みんなで支配)→みんなが政治に無関心になって国がボロボロ

    どの政治体制も腐敗する→「革命」が起こる→別の政治体制へ移行する
    (これが繰り返されると考えた)
    紀元前に、その後2500年ちかくもの歴史の展開をすでに予測済


    ~何がすごいってこの人たち紀元前の方々ですからねぇ
    昔のギリシャの底力を改めて見せつけられる
    この遥か昔、政治に対して真剣に向き合い、一生懸命皆の幸せのために試行錯誤する…
    そんな人々の姿勢になんだか感動する~


    【経済編】

    ■アダムスミス
    市場原理主義者(この表現は実に的を得ていてわかりやすい)
    イギリス出身
    「人間の自己中心的な欲求 すなわち『お金儲けしたい!』という利己心こそが、経済の原動力である」という考え
    市場には「競争」という原理があるのだから、個人個人が自分の利益を追求してお金儲けに走っても、「見えざる手」に導かれて、当人たちがまったく意図せずおさまるところにおさまり、公共の利益を生み出す
    18世紀初頭、ちょうど産業革命が始まった時期と重なったこともありこの考えが受け入れられる
    資本主義経済の形が出来上がっていく…

    ■マルクス
    主著:「資本論」
    ドイツ出身
    資本主義は必ず破綻する
    資本家が労働者を搾取しているためだ
    利益は資本家へ、労働者はいつまで経っても豊かにならない
    「共産主義」を提唱
    歴史的に共産主義国家は破綻の結果に
    良い点:大規模開発(国家に富と権力が集中するため)
    例)ソビエト連邦の宇宙開発


    ここからが面白い
    では果たして資本主義が本当に良いのか…
    資本主義に変わるシステムが今のところないから…に過ぎない
    「僕たちはなんのために働くのか」
    著者が語る
    労働に費やす時間が増えたのに生活はどんどん苦しくなっていく
    資本家のため資本主義のため、労働をし続けなくてはならないこのシステム
    モノにあふれ、生活も豊かになっており、すでに資本主義は飽和状態
    成長し続けないと崩壊してしまう資本主義というシステム
    「国家とは何か」
    「労働とは何か」
    「満足して幸福に生きるとはどういうことなのか」
    真剣に哲学し、新しい主義を見つけ出さなくてはならない…とまとめている

    〜確かにマルクス主義もアダムスミスも一部は正しく国民を幸せにし、一部は失敗で国民を不幸にする
    難しい問題だ(この部分は今経済の別の書を読んでいるのでそちらでもう少し深く掘り下げたい)
    しかしながら自分たちの幸せのためにも次なるシステムを考え出さなくてはいけないのは間違いないであろう〜

    【番外編】
    フランス(生まれはスイス)の哲学者ルソーをピックアップ
    大多数の幸福をもたらさない国家なんか解体して、もっと良い国家につくり変えてしまえばいい
    「王に反逆し、革命せよ!」
    というように「真の権力者は王ではなく、民衆である」という人民主権を叫んだルソー
    彼の思想はフランス革命やその後の民主政治に大きな影響を与えた
    ここまでは立派なルソーの話
    番外編らしくルソーの人となりを…(なかなか興味深い)
    もともとルソーはうだつの上がらない芸術家志望、そして愛人との間にできた5人の子を孤児院送りし捨ててしまう
    さらには露出狂でマゾヒストだったようである
    今でいうところのニートで困った性癖のある40代だったようだ
    しかしそんな人間でも立派な思想家、歴史に名を残す哲学者になれるのだ!
    ルソーの別の一面を知ってしまった…



    最後に著者の言う通り「哲学」しようとする姿は本当に美しい
    そしてそこから生み出されるものに何一つ不要なものはないと感じた
    さらには誰しもが「哲学」し続けることが大切である
    「哲学」に終わりなどないのだ!

    しっかり著者の熱いメッセージを受け止めてしまった(笑)
    これは東洋版も読むべきか⁉︎

  • とても読みやすかった。
    哲学者っていろんな人が出てきていろんな考えがあって難しいイメージだけど、内容が入ってきやすい。
    今、自分たちがこの世界にいられるのは
    考えることをやめなかった人達がいたからだ。
    常に新しい思考を持ち、いくつになっても新しい発見が出来る人でありたい。

  • 【読もうと思ったきっかけ】
    先日、シリーズ本の「史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち」を読み、非常に面白く哲学に対する興味が増したため、先に刊行されていた本書を読むに至る。

    【読後の感想】
    素直な感想として非常に面白かった!
    哲学の入門書としては、かなりの良書だと思います。何よりも読了後に「哲学に関してもっと知りたい」という欲求を起こさせてもらったことが、入門書としての価値が非常に高いと思います!

    本の構成としては、以下4つの構成からなっており、
    ①真理の真理
    ②国家の真理
    ③神様の真理
    ④存在の真理

    31人の歴代の哲学者を要点を纏めて書いてくれている。東洋編と比べると登場する哲学者の数がかなり多いが、ほぼ全ての哲学者の思想に共感できたり、何かしら興味を持てた。

    【特に感銘を受けた箇所】
    ・ソクラテスの無知の知
    最近、色々な種類の本を読むようになり、知識が増えれば増えていくほど、自分が何も知っていないことを体感的によく感じるようになっていた。ただそこで諦めるのではなく、『知らないからこそ、もっと知りたい』欲求が増えてきて、読みたい本だけが溢れている状態だ。まさにこのような状態がソクラテスのいう『無知の知』なんだろうなぁと思った。

    ・ソシュール 差異のシステム
    ソシュールの考え方では、「モノがあるから、それに対応する言語が発生したのではなく、区別する価値があるから、その区別に対応する言語が発生した」という考え方だ。
    例えば、日本語では、「蝶」と「蛾」を区別して別々の言葉で表現しているが、フランス語では「papillon(パピヨン)」という一つの言葉で表現しており、これを区別していない。
    日本人とフランス人では、育ってきた文化(価値観の基盤)が違っており、それぞれの言葉によって、「区別の体系(価値の体系)が、「言語の体系」として目に見える形で表現されており、これこそが、ソシュールが、「言語とは、差異(区別)のシステムである」という箇所は凄く納得感があった。

    最初は哲学と言語学は全く別物なのに、なぜ言語学と疑問に思っていたが、何をより詳細に言語化するかは、その文化圏に住む人が何に価値を置くかによってくるとの考え方では、哲学と言語学もかなり似ているなぁと感じた。

    【雑談】
    言語学にしても哲学・歴史にしても最近になって興味が出てきた分野だが、本当の最初のきっかけはどちらもYouTube(言語学は「ゆる言語学ラジオ、歴史・哲学は「コテンラジオ」)なので、YouTubeも見る番組を厳選すれば、為になる良い番組もあると感じています!

  • 2019年の年明けに齋藤孝氏の「使う哲学」を読み、より西洋哲学について学びたくなったのだが、哲学の専門書は敷居が高いので分かりやすいガイド的な書籍を探していたときに目に留まったため、コンパクトな文庫版ということもあり購入。

    著者は漫画『グラップラー刃牙』の熱烈なファンということはよく知られており、本書も単に西洋哲学の歴史をなぞる構成ではなく、歴史上の哲学者や科学者を格闘家に見立てた"史上最大の哲学議論大会"という、およそ哲学の入門書とは思えない設定で著されている。
    また章立ても、格闘技さながらに以下の4ラウンドで構成されており、いわゆる教科書的な時系列や主義毎のカテゴライズではないため、読み手を飽きさせない。

    第一ラウンド:真理の『真理』
    第二ラウンド:国家の『真理』
    第三ラウンド:神様の『真理』
    第四ラウンド:存在の『真理』

    哲学議論大会という設定ではあるが、格闘技的に議論を闘わせるような対話形式ではなく、あくまでもそれぞれの格闘家(哲学者や科学者)に対する著者の解説が展開される構成となっている。
    解説はあくまでも著者の主観であり学術的・客観的ではないものの、小気味よいテンポと平易な語り口での論調は、格闘技のファンでもなく『グラップラー刃牙』を全く知らない自分でも哲学の入門書ということを忘れてしまうほどにのめり込んでしまった。これが"飲茶ワールド"なのかもしれない。

    とかく理解し難い哲学分野の主義や理論の解説においても、とにかく例えが腹落ちし、文字通り哲学の入門書としてはこれ以上のものは無いのではと思えるほどに噛み砕かれた表現で分かりやすさを徹底している。著者の哲学への深い造詣と情熱がなければ本書のような作品は書き得ないであろう。

    本書のおかげで哲学がぐっと身近に感じられ、より日々の生活や仕事に活かしたいと考えるようになった。
    もっと若い頃に出会っていたかった一冊である。

  • Audibleにて。
    哲学入門したくて聴きました。
    わかりやすかったけど、哲学をもっと知りたい!みたいな感じには自分にはヒットしなかった。

  • 世界を疑え。The thinkerよ。
    人がどこまでもいっても、そこに存在がある限り。

  • めちゃくちゃ分かりやすく、私でも「哲学」という小難しいそうな学問に興味をもつことが出来ましたー❕

    「結局、色々と考えても価値観なんて人それぞれさ!」って考え方は、実は2000年前からあったとは、、、。

    人間って、昔の人も同じようなことを考えて、同じように悩んでいたんですねー。

    面白いので、ぜひぜひ読んでみてください

  • いろんな人がオススメしてるだけあって流石にわかりやすかった、
    一人一人の中身には深く触れていないけど、各切り口ごと、存在や国家、真理についての哲学の系譜が見えるのでまずはある程度メジャーどころを広く浅く抑えるのにはいいなと思った。

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著者プロフィール

東北大学大学院修了。会社経営者。哲学や科学などハードルの高いジャンルの知識を、楽しくわかりやすく解説したブログを立ち上げ人気となる。著書に『史上最強の哲学入門』『14歳からの哲学入門』などがある。

「2020年 『「最強!」のニーチェ入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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