永遠をさがしに (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 114
  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309414355

感想・レビュー・書評

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  • 和音は子供の頃、鳴かない深緑色のカナリアを飼っていた。名前をトワという。母の時依(ときえ)のトと和音(わおん)のワをつなげて「トワ」「『トワ』という言葉には永遠という意味もあるの。永遠というのは誰にも絶対みつけられないものよ」ある日、どこかへ逃げてしまった鳴かないカナリア。「お父さんは和音のことが好きなのよ。でも意地っぱりだから、大好きだって言えないだけなのよ。お願いだからお父さんを好きでいて」
    母はひとり遠く離れていった。父のもとに私を残して。

    和音は高校一年生になり、父で日本交響楽団のレジデンド・コンダクターの梶ヶ谷奏一郎はボストン交響楽団に着任することになり、日本を離れます。
    和音は日本に残りますが、そこへ真弓という昔チェロを弾いていたフリーの音楽ライターだという39歳の女性が現れ、「奏さんはあたしのダンナ」と言い、東京の和音の家で同居を始めます。和音は「父の財産が目的で結婚したんですか?」と真弓を問いただします。和音の母の時依も昔は名だたるチェリストで、和音もチェロを弾いていました。
    そして、和音はお嬢様でした。

    でも、真弓は今まで和音の周りにいた大人の範疇に入らない女性で、和音のクラスメイトの文斗や朱里たちも巻き込んで、だんだんと真弓のペースに乗せられていってしまいます。そして和音は16歳の誕生日に真弓とお母さんからの(!)、すごい誕生日プレゼントをもらいます。
    ここでストーリーがすべてひっくり返されていきます。
    そして他にも重大な秘密がどんどん発覚していきます。

    和音、時依、真弓の三人のチェリストのストーリーです。
    和音は最後に永遠をみつけることができます。

  • こういう漫画のような世界観での直球には弱いんです。
    鼻の奥がツーンと来てしまいます!

    音楽を通して親子の絆・愛情、友情、夢への挑戦と、青春直球ストーリです。

    高校生の和音は世界的な指揮者の父親と二人暮らし。チェロに挫折し、普通高校に通う彼女。
    父親が渡米するも、一人日本に残ることに。そんな状態に型破りな新しい母・真弓がやってきます。
    真弓との奇妙な二人暮らしに..
    そんな真弓に影響を受ける形で、彼女自身、彼女の周りが変わっていきます。
    そして16歳の誕生日にもらった、実の母からのメッセージ。
    実の母と和音の関係
    そして、和音と真弓の関係
    和音と友人の関係
    再びチェロを弾き始める和音
    音楽を通して気が付く自分の気持ち...

    この手の直球は弱いんです。
    ちょっと電車の中で読むのが辛かった..

    とってもお勧め

  • 音楽を軸にした青春小説。
    音楽一家の特殊性。
    両親の愛情をもとめながら傷つく和音。
    人との距離感があった和音が、真弓とは感情をぶつけ合うところが、たのしい。
    みずからドMというだけあって、真弓の言動は強烈だけれど、器の大きさも感じる。
    文斗と和音のつむぎだす音楽は、きらきらとみずみずしく、美しかった。
    後半はじーんときた。

  • このような評価とレビューになるのは
    私だけの特殊な事情によるのかもしれない。

    私はトランペット奏者として
    一時はプロになることを夢想した。

    和音のように 私もまた演奏家が感じる
    「永遠」の瞬間を知っている。

    トランペット奏者になる夢は
    叶わなかったが
    別の楽器で 演奏家として
    活動していたこともある。

    楽器とひとつになる感覚もその幸せも
    私はよく知っている。

    でも私は 自分の夢を子供たちの夢で
    置き換えるような…真弓の母みたいな
    我執には とらわれることはなかった。
    早くにトランペットをあきらめた私の
    吹くトランペットの音を 子供たちは
    聴いたこともないし 吹いている姿すら
    見たこともない。

    私は平凡に生き もうとっくに
    音楽そのものからも
    遠ざかってしまっている。

    でも本当に人生は不思議である。

    国内ながら コンクールでグランプリを
    獲ったこともある娘は現在
    とあるオーケストラの席が空くのを
    待ちながら 演奏に磨きをかけるために
    一日中練習に明け暮れている。

    私もまた楽しみになってきた。

    娘のあの輝かしいトランペットの
    音がオーケストラに溶け込み
    ひとつの音楽になる…その日の訪れを。

    作者の紡ぐストーリーは
    いつも素晴らしい。
    でも かつてこれほどに
    共鳴したことはなかった。

    心震えるほどに素敵な人たちと
    まるで奇蹟のように出逢えたことに感謝。

    2019.8.4 追記

    娘は2年前に 自分に欠けている音楽表現力を
    身につけたいと ドイツに渡りました。

    語学の習得とレッスンに明け暮れた2年間を経て
    とある音楽大学のマスターコース(修士課程)に
    入学することに。まだあと2年の音楽修行です。

    本当の私は 「日本に帰らなくていい」と思ってます。
    音楽にひたる人生は ヨーロッパでしか送れません。

    でもそれは 娘が決めること。
    素敵な人生は 本人の胸の中にきっとあるはずです。

  • 原田マハさん、「音楽」を題材にした小説もあったんだ!と嬉しくなり読んだ本。
    チェロ、オーケストラ、音楽、、、自分の好きなものが好きな作家さんで読めて嬉しい。

    高校生同士の純粋な友情や努力、家族間の葛藤と愛情、音楽で繋がる者同士の共鳴、演奏者にしか分からない恐れや至福…など共感するばかりで一気に読んだ。

    若いっていいな。
    和音の将来に幸あれ、と願ってしまう。

  • 音楽を中心に親子の絆、関係の再構築、夢の形成・自覚を直球で描くハートフルストーリー。傍から見ると少々不幸を盛り込み過ぎで、やり過ぎ感がなくはないが、アーティストを描くには何事も劇的に、ってことで許容する。
    16歳って子供だろうか?経済的な観点で言えば自立していないことは確かだが、精神的な成熟、思慮分別の可否、という観点で言えば、子供扱いしなくてもいいんじゃないかなぁ...。

  • ごめんなさい、陳腐という言葉がどうしても浮かんでしまいました。いくら何でも若年での難病発生率が高すぎるでしょう。そして大人たちの決断が愛情の表れというよりは自己満足的で…

  • 2020.12.2
    原田マハさんが好きで読んでみたけど、コレはあんまり好きな作品ではなかったなあ。
    良い意味でも悪い意味でも漫画みたいというか。
    登場人物たちの口調のせいかもしれないけど、全体的に軽いなあという感じ。
    原田マハさんの他の作品と比べると、唸るような面白さとはかけ離れていた、、

    多分和音は、お母さんが病気になってなかったらチェロを再び弾くことはなかったんじゃないかな。
    作中で和音の父が、「和音が初めて自分の意思でチェロを弾こうとしている」と言っているが、
    状況的には、自分の意思というより周りの圧のほうが大きいように思う。。

  • 幼いころ両親が離婚した環境に育った、音楽一家の女子高校生和音の成長物語。強烈な印象はないが、とても綺麗にまとまった(お話が出来すぎてる感じがした)、音楽が聞こえてきそうなお話。母が難病、真由美さんも体の不調、病気になって話がすすんでいくところが気になった(個人的には好みではない)。

  • 最高のテーマだったのに残念。登場人物は子どもでも良いのだが大人の小説にしてもらいたかった。もったいない。こんな本を書かなきゃ良いのに。父親が世界的指揮者で、国内トップクラスのチェリストであった母親から音楽の教育を受けてきた主人公が、その母に届けたい曲がバッハのアリアというのも笑った。

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著者プロフィール

一九六二年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立、フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。二〇〇五年「カフーを待ちわびて」で日本ラブストーリー大賞を受賞し、デビュー。一二年『楽園のカンヴァス』(新潮社)で山本周五郎賞受賞。一七年『リーチ先生』(集英社)で新田次郎文学賞受賞。近著に『リボルバー』(小社)。

「2022年 『〈あの絵〉のまえで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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