史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち (河出文庫 や 33-2)

著者 :
  • 河出書房新社
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レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309414812

感想・レビュー・書評

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  • 史上最強の哲学入門を読了後、こちらの本も読ませていただきました。前作が西洋哲学だったのに対し、今作は東洋哲学を取り扱っています。
    前作同様哲学という曖昧なものを面白く、かつ簡潔に説明できている本だと思います。
    2冊とも読めばある程度哲学について理解することができるのではないでしょうか。

  • 「史上最強の哲学 入門東洋の哲人たち」飲茶


    あらゆる先入観を排除し、疑って疑って疑いつくして、厳密に確実に正しいと言えることを限界ギリギリまで追究するのが哲学。


    「私」とは「赤や痛みなどを見たり感じたりする意識現象があること」である。


    認識するものは認識できない。無限遡行


    「私」とは「認識するものである」という定義を受け入れるならば、同時に「私は私自身を認識対象にできない」という論理的帰結も受け入れなくてはならない。


    「私」とは「○○ではない」という否定的な言葉でしか記述できない特殊な存在である。


    「私(アートマン)」については「に非らず、に非らず」としか言えない。それは捉えることができない。なぜなら捉えようがないから。それは破壊することができない。なぜなら破壊しようがないから。それは執着することができない。なぜなら執着しようがないから。それは束縛されることもなく、動揺することもなく、害されることもない。どうやって認識するものを認識するできるであろうか。不死とはこういうことである。この事実に気づいた瞬間、この世のあらゆる不幸は消え去り、自己は無敵の存在となる。

    本当に知ったと言えるのは、本当がどうかを試した時。

    知識として知っているだけの人と体験的に本当にわかった人は、言葉の上では全く同じことを話すが、本質的には全く違う。

    古代インドで苦行が重視された理由は、苦しみに耐える事が、映画(鑑賞物)と観客(鑑賞者=私)は別物だという真理を悟り、無敵の境地に到達した事の客観的証明になると考えられていたから。

    人生は苦しみだらけだが、その苦しみは執着という原因があり、それを無くせば苦しみを消す事ができる。

    物理法則なんて人間が経験的慣習から「そういう絶対の法則性がある」と勝手に思い込んで信仰化しただけであり自明などではない。-ヒューム

    言葉とは、なんらかの価値基準に従って世界に引いた、区別のための境界線。つまり言葉は区別そのもの。

    無分別智とは、分別しないで物事を直感的に理解する事。真理とは無分別智でしか理解する事ができない。仏教はそこへ到達する方法論を提示する。

    般若心経とは、物事が空(関係性の中で成り立っているだけの実体のないもの)であることを踏まえつつ、無分別智(智慧)の行を実践して真言を唱えながら、えいやと智の境地にいたりましょうというもの。

    孔子から学ぶべきことは、戦国時代にたった一介の学士にすぎなかった男が、歴史を正気に戻そうと国家権力にも神秘的権威にも屈せずに立ち向かったという心意気にある。

    「物はない」とするのが最高の境地であり、その次が「物はあるがそこには境界を設けない」という境地。その次は「物と物の境界があるが善悪などの価値判断による是非がない」という境地。価値判断による是非を行うことが道(タオ)が失われる原因。

    論理を基盤とする西洋哲学は言語による伝達可能を前提とした体系。東洋哲学は論理ではなく体験によるものであり、伝達不可能。

    言葉や論理でしか理解できない、それが「知る」為の唯一の方法なのだと思い込むと永遠に理解できない。外に出ること。

    東洋哲学は、悟りの体験を引き起こす方法論の体系として発展していった。

    戒律は欲望を止める為にあるのではなく、欲望を自覚させ、苦しめる為に存在する。

    本当の問題は戒律の対象に特別な価値を見出していた自分自身の心の動き(分別)にある。

    価値を作り出したのも自分、価値によって苦しんでいたのも自分。これがあらゆる不幸の正体。

    戒律とはこのバカバカしさを体験させる為の一つの方便。

    知識や説明を与えることが良い結果を生むわけではないので、東洋哲学の師匠は何も説明しない。

    方便自体は重要ではなく、方便を通して得られる体験が重要。

    東洋哲学の様々な方便は、体験的理解を引き起こす為、2500年かけて洗練され続けた人類の偉大な哲学体系。

    悟りとは、分別で作られた虚像の世界から目を覚まして無分別の智慧を取り戻し、無我の真理を体験すること。

    ウパニシャッド哲学を背景として始まったインド仏教が中国に伝播し、老荘思想と融合して成立したものが禅。

    禅の語源は、サンスクリット語の「ディヤーナ」であり、これが中国で「禅那」に音写され、最後に省略された「禅」になった。ディヤーナとは瞑想の事。
    世界では中国語の「チャン」ではなく「ZEN」として知られている、日本が誇るべき文化の一つ。

    「不安」は脳が物理的な作用によって排出された化学物質の刺激情報にすぎない。その感覚に「不安」という名前(分別)を与え、それに「悪いもの」という価値を付与し、さらにはそれを「私自身(心)」だとして同化している。だが、そもそも心など存在しないのだからその心が不安になることもない。

    どんなものでも問題にしてしまう「問題視」という日常的な癖を減らすこと。

    思考で表現できないものを思考で表現してわかった気になる。

    禅は問題を破壊し、革命し、飛び越える。問題を分析して解き明かすのではなく、問題から飛躍し、「答え」を直接体験する。

    十牛図の10番目は、彼は市場へと出かける。仏教で禁止されている酒を飲み、魚を食べ、普通に楽しく暮らしていく。ときには昔の自分と同じように牛を探している別の牧童と会うこともあるだろう。しかし、だからと言って、悟りすました態度で教え導くのではなく、ただその出会いを楽しむ。彼はそういう境地を生きる。

    起こるに任せる、身体が動くに任せる、脳が考えるに任せる。たとえどんな映画が上映されようと、それが観客を傷つけるものではないことをもう知っているから。

    「それ」を知った人は、何が起ころうと起きたままに起きたものを感じ、「それ」を味わい尽くす。

  • 文句なしの五つ星。読んでいて著者の頭の良さが伝わる。東洋の哲学者をここまで一つのストーリーのように綺麗に説明する人は他にいないだろう。たとえもわかりやすく、言葉も少し荒いのがとても良かった。

  • 冒頭で、東洋と西洋の哲学の違いを明確に表してるのが秀逸。これを読むだけでも価値がある。

  • 西洋哲学版がとても面白かったのでこちらも。世界史をくわしーく当時の人々の思想を絡めて説明してくれている。前作と表紙は似ているが、内容は思ったより違う。前作を通して読んで思ったのが80歳まで生きた釈迦の境地にキリストは30歳前後で辿り着いていると思うと、キリストがどんな育ち方をしたのかとても気になる。

  • 西洋哲学と東洋哲学の違いが、ざっくりと理解できて嬉しい

  • 2020/10/18 読了

  • 東洋の歴史上の人物の考え方について、詳しく書いてあった。分かりやすかった。が、東洋は考え方を理解したと感じていても、本当に理解出来たのかは怪しいなと思った。実際に問題を解いたり、説明したりするのは難しかった。

  • <感想>
    西洋哲学と同様、個別の哲学の話は難解に感じていたが、歴史の文脈で説明されることで理解が進んだ。

    ▼自分の理解
    「特定共同体のコードから抜け出すことで世界の相対化が起きる。苦悩は思い込み」
    「意識は言葉。現実を意識に翻訳しようとするから現実から遠ざかる。モノをそれ自体として認識し、言葉にしないことが重要」

    通訳者は頭の中で「apple」を「林檎」に変換しない。

    <アンダーライン>
    ・耳で例える(仏陀)
    ・言葉で分別するな(老荘思想)
    ・心があるならここに出してみろ(達磨)
    ・悩みだと思っているのは「ただのそういう感覚」(達磨)
    ・これはただの豆だ
    ・鳥と壺
    ・ガンダムで例える
    ・汝、それなり
    ・ツボの中のガチョウ
    ・ガチョウは外に出ている!

  • 笑いながら読める哲学の入門書。実際、声に出して笑っていたので、娘から気味悪がられました。

    まず、西洋哲学が真理を目指していく学問であるのに対して、東洋哲学は「我は真理を知りえたり」という不遜極まりない学問であることに吹いた。

    知らなかったが、古代インド史上最強の哲人ヤージュニャヴァルキャ(とても覚えられそうにない名前だが…)に始まって、釈迦の「無我」も、老子の「道」も、念仏や座禅も、要するにこの人の「悟り」を一般人にも体得できるようにしてきたのが東洋哲学の歴史なのだと思う。

    散々歴史を振り返ったオチとして、悟っても「何も変わらない」『十牛図』の考え方が妙に刺さった。

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著者プロフィール

東北大学大学院修了。会社経営者。哲学や科学などハードルの高いジャンルの知識を、楽しくわかりやすく解説したブログを立ち上げ人気となる。著書に『史上最強の哲学入門』『14歳からの哲学入門』などがある。

「2020年 『「最強!」のニーチェ入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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