偏愛小説集 あなたを奪うの。 (河出文庫 く)

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309415154

感想・レビュー・書評

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  • 短編で、5人の作家。
    彩瀬まるさんの、かわいいごっこの、話が、好きでした。
    文鳥が、出てくるお話。小さい頃、祖母が、飼っていて、手のひらにのせて、ふわふわの、毛の感触が、懐かしかったなあ。

    本は、色んな事を、思い出させてくれますね^_^

    それと、表紙が、とても、気に入っています!

  • 寂しさに打ちひしがれている女性達の物語。

    窪美澄・千早茜・彩瀬まる・花房観音・宮木あや子のアンソロジーは大好物。

    偏愛や略奪愛の表題には違和感。在るべきものがない時に感じる虚しさを懸命に埋めようとする女たち。

    1人は寂しいが2人で居てももっと寂しい時がある。

    寂寥感を埋めようと背徳感でいっぱいのエロティシズムで必死にもがき、体を重ねる。男が描く官能小説とは違い、そこには哀しさと寂しさの絶対的存在を感じる。

    不道徳で、危うさに満ちていながら、彼女たちの懸命さを読まずにはいられない。

  • 予てよりhontoの“欲しい本”には入れていて、何となくそのままにしておいたものを漸く買ってみた。
    帯に『人気女性作家たちが描いた5つの<略奪愛>』とある5人の女性作家の手になるアンソロジー。
    通勤で乗る電車の片道で丁度読みきれる量のお話ばかりで、2往復半で読了。
    朝からこういう劣情を催す話を読むのも如何かと思いつつ頁を繰る。
    私が一番期待していたのは、巻頭に置かれている窪美澄だったのだが、ちょっと辛気臭い話で残念。
    その後も、何だか陳腐なお話が続く。女性が書くとセックスの描写はこうなり、男の心理はこうなるのかと…最後の宮木あや子だけちょっとマシ。
    表紙の気怠い雰囲気とタイトルから来る淫靡な感じからはちょっと離れてて、単行本のタイトルは「きみのために棘を生やすの」だそうだから、タイトル変更に妄想を掻き立てられ過ぎたみたい。
    普段は読んだ本は嫁さんとシェアするのだけど、この本はちょっとな…。

  • 純愛であり、不純であり。

  • 【2023年95冊目】
    男と女の欲望をぶつけあった5つの短編集。求め、求められていることが、なんとなく感じられるのが人間の不思議なところで、「あっ」と思った瞬間に恋に落ちていたりする。それがいつも正解ではないのが難しいところではありますが。

    それぞれの作家さんが匂い立つような、けれどどろどろとはし過ぎない愛と欲望の話を書いているので、贅沢と言えば贅沢な一冊。どの作家さんも表現や心理描写が上手く(プロだから当然と言いたいところですが、そうでもない場合もある)違ったテイストのお話を楽しめました。

  • 彩瀬まる目当てで購入。
    どれも良かった。

  • 奪い、奪われ甘い蜜の匂いの毒に侵されて行く

    略奪愛をテーマに5人の女性作家さんが紡ぐ芳しいアンソロジー

    花房観音さんだけ初読み作家さんでしたが一番惹かれる物語だった

  • うーん…正直どのお話も(私には)あまり印象に残らなかったが、5編の中では 文鳥が登場する彩瀬まるさんの《かわいいごっこ》がアクセントになっていた。人と鳥、種族が違えど一人と一羽の女同士が恋敵から小さな友情を育むさまに和んだが後半は少し冗長にも思えたかも。思わず蹴ってしまった爪先に残るウサギの腹の感触。可愛い生き物にも性欲がある事に対しての嫌悪感は少しわかる。
    年端もいかない少年と関係を持つ展開があまり好みではなかったのだけど、宮木あや子さん《蛇瓜とルチル》もよかった。でも蛇瓜、そんなにいやらしいかしら。

  • 花房さんの「それからのこと」は『花びらめくり』で既読だったけど、流石と言ったところで他からは飛び抜けた熱量を感じた。 彩瀬まるさんの「かわいいごっこ」は、読んでて心の一部がちくちくした。 花房さん以外で気に入ったのは、窪美澄さんの「朧月夜のスーヴェニア」かな。孫に介護されながら、かつての恋を回想する真智子さん…"愛し愛された記憶はいつまでも残るの"と。

  • かわいいごっこが好きだった。
    人間ないものねだりで、何を手に入れても結局その喜びや幸せに慣れてしまう。大切なものをいつまでも新鮮に喜べたらいいのにって思う。
    ・いまだに時々、またかわいいかわいいのごっこ遊びにひたりたくなってしまう。馬鹿になって、侮られたい。お前を受け入れてやる、と傲慢に許され、思考を止めたい。

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著者プロフィール

1986年千葉県生まれ。2010年「花に眩む」で「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞しデビュー。16年『やがて海へと届く』で野間文芸新人賞候補、17年『くちなし』で直木賞候補、19年『森があふれる』で織田作之助賞候補に。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』『骨を彩る』『川のほとりで羽化するぼくら』『新しい星』『かんむり』など。

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