動きすぎてはいけない: ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学 (河出文庫 ち 6-1)

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309415628

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  • (仮)
    中途半端、非意味な思想。現代社会に最も必要な思想だ。

  • 「動きすぎていけない」生成変化の論理。インターネットの海と接続過剰の中、惑溺する私たちは、しかし「非意味的」に切断されうる。歴史的に築かれてきた現代の「状況」の中で、如何に他者との共立を実験しうるのか。ハイデガーらの否定神学に回収されし尽くされることの無い複数性を肯定する論で、とても面白かった。

  • 文庫化を機に再読。
    引き算の美学、ではないけれど、ふと気がつけばすべてが繋がっている世の中、生き延びるために「切断」が必要となる時代が来るのかもしれない。個人はいかに全体に憧れようとも、その限られた時間のなか、そこへ至ることは不可能なのだから。

  • 檜垣さんの「ドゥルーズ―解けない問いを生きる 」が、面白かったので、勢いでこちらも読んでみました。

    檜垣さんの本は、ベルクソンの後継者として、何か時間の中で継続しつつ、生成し、差異を生み出していくというイメージでドゥルーズを読んでいた。

    このドゥルーズ像は、これまで私がわからないなりに読んできたドゥルーズとは結構違うイメージで驚いた。私は何を読んできたのかな?これまで読んだのが、どっちかというとドゥルーズ=ガタリだったからなのかな?など、考え込んでしまった。

    で、こちらは、私のこれまでのドゥルーズ理解との共通性が多い気がした。つまり、ドゥルーズ=ガタリのリゾームとか、機械とか、器官なき身体とか、そういう部分がしっかりと論じられている。で、そちらだけでなく、檜垣さん的な時間の中での生成という側面とそれが対比、統合されている感じかな?

    それが、ドゥルーズの多くの主著の解釈を読み解きながら、議論が進められつつ、さらにはドゥルーズから現代的な意味を生成していくような感じでスリリングであった。

    とは言っても、読み進めていくと議論はだんだん難しくなって、何を言っているのかわからなくなる。

    修行が足らんなと思い、自分の理解度に応じて、評価は3つにしてみた。この本自体の評価ではない。

  • 同著者の『現代思想入門』に比べてやけに難しいなと思ったが、、、よく読んだら博士論文の内容を改訂したものだった。そりゃむずいわ。
    しかし、ドゥルーズに興味を持って読み始めたが、読んでいくうちにラカンに興味を持ってきてしまった。
    ガタリはラカンにたくさん影響を受けているようなので、アンチオイディプスを読む上ではラカンはかかせない。

  • 切断と接続、という対立項を提示し、切断性により重心を寄せつつその間に留まることで、ドゥルーズの思考を包括してみせた本。すばらしい仕事。

  • 蔵書(千葉1)
    新刊(文庫・千葉1)

  •  この本の文庫をツイッターで見かけて図書館を探したら単行本があってなんとなく借りてみた。本とは出会うべき時に出会うな。以前アンチ・オイディプスを読んだ時はわからないなりにわかったような気になっていたが(分かってもいないのにわかったような気になれるのは自分の長所ナンです。)、この本と突き合わせて読んだらもっとわかるんじゃないかと思った。

     それと俺は意外とジル・ドゥルーズさんを読んでいたんだな。ベルクソンさんとスピノザさんニーチェさん関連を読んでいて、ヒュームさんとライプニッツさん関連を読んでなかった。そういう兼ね合いだったのだろう。今ならそっちも読めるのかも知れない。あと…千のプラトーか?いや、最終章のダニが気になるな。ユクスキュルか…

     まぁ〜先のことはわかんないけどね。

  • 所々、非常に難解。上方、下方の全体性に逢着せずに、連続性と切断、イロニーとユーモア(ツッコミとボケ)の間でいかにバランスを取るかがテーマで、そういう意味ではネット社会の接続過剰、それか醸すある種の多様性、相対主義の仮面をした全体性についてアクチュアルな議論。売れたのもわかる。ただ、やはり物凄く思弁的で、こうした哲学的議論がいかほどの意味を持ちうるのかについては、面白く読みながらも一抹の疑念が頭を指すめる昨今。色んな煌めきや刺激されるセンテンスがたくさんあって、読み物としてはおもしろいんですけどね。メタファー的な表現が多く科学関係の書籍を読んだ時の明晰さからくるワンダーとは違った面白さがあるんだが、それがどういう意味を持つのかは。。著書にとっては今を理解するため、対峙する為のやむにやまれぬ関心のありからしいことは伝わってきたが、この議論の価値がどこにあるかはなかなか評価しにくい。

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著者プロフィール

1978年生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。
著書に『意味がない無意味』(河出書房新社、2018)、『思弁的実在論と現代について 千葉雅也対談集』(青土社、2018)他

「2019年 『談 no.115』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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