辺境を歩いた人々 (河出文庫)

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309416199

感想・レビュー・書評

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  • 北海道や沖縄、奄美、択捉など「辺境」と呼ばれた土地へ出向いてその土地の暮らしを記録したり、人々の暮らしを助けたりした4人について常一さんが書いている。心から感心し、尊敬している様子が伝わってくる。
    その4人は近藤富蔵、松浦武四郎、菅江真澄、笹森儀助。

  • 4人の記録を著者の視点で紹介している。
    その歩いた場所が気になり、調べたり、また本を買ったりもした。
    それぞれが凄まじい人生を送っており、自分とのあまりの違いに驚かされ、面白かった。
    4人の物語を通して、世界が広がる感覚を感じられた。

  • 宮本はいくつか年少者向けの本を著しており、本書もその一つ。なので、取り上げられた人物の評伝として大人が読むなら別のものを選ぶ方が良いかも知れないが、宮本の目線がどの辺りにあるのか興味がある向きには手にとってほしい。
    個人的には近藤富蔵の生き方、人生のあり方に心をうたれた。

  • 正直言うと、語りかけ口調やひらがなの箇所(子供向けなので仕方ないが)で読みにくかったり、父の話や先駆者の話を連想的に説明していくので人物関係や読み心地としての流れを掴むのに時間がかかった。誰の話だっけ、この人は誰のなんだっけ、ということが度々。

    それでも、民俗学を知る上で欠かせない人物の全容をなぞることができたし、連想的に書き記されているおかげで主要な人物については触れられていると思う。近所の本屋で、菅江真澄の図録が販売されていて、そう言うところでこの本の必読性を実感した。

    それと、個人的に、「怒る富士」にて噴火後の飢餓について様子を一通り舐めたつもりだったが、この文書の中でも噴火による飢餓が描かれておりその地獄っぷりも書き落とされていた。その差異(こちらの方が生々しく描かれていた)に自分では少しびっくりした。

  • 明治時代、尖閣諸島や台湾、千島列島などの辺境を調査した四人の探検家に関するそれぞれの伝記。
    民俗学者である著者の文章は昔語りのようで、文学的にも趣きがあります。

  • 面白かったのだけど、なぜか子供向けに書かれた本らしかった。子どもといってもそれなりに難しいので中学生ぐらい?
    まえがきや解説にも経緯は書いておらず、不思議。

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著者プロフィール

1907年(明治40)~1981年(昭和56)。山口県周防大島に生まれる。柳田國男の「旅と伝説」を手にしたことがきっかけとなり、柳田國男、澁澤敬三という生涯の師に出会い、民俗学者への道を歩み始める。1939年(昭和14)、澁澤の主宰するアチック・ミューゼアムの所員となり、五七歳で武蔵野美術大学に奉職するまで、在野の民俗学者として日本の津々浦々を歩き、離島や地方の農山漁村の生活を記録に残すと共に村々の生活向上に尽力した。1953年(昭和28)、全国離島振興協議会結成とともに無給事務局長に就任して以降、1981年1月に73歳で没するまで、全国の離島振興運動の指導者として運動の先頭に立ちつづけた。また、1966年(昭和41)に日本観光文化研究所を設立、後進の育成にも努めた。「忘れられた日本人」(岩波文庫)、「宮本常一著作集」(未來社)、「宮本常一離島論集」(みずのわ出版)他、多数の著作を遺した。宮本の遺品、著作・蔵書、写真類は遺族から山口県東和町(現周防大島町)に寄贈され、宮本常一記念館(周防大島文化交流センター)が所蔵している。

「2022年 『ふるさとを憶う 宮本常一ふるさと選書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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