罪深き緑の夏 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
3.66
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本棚登録 : 170
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309416274

作品紹介・あらすじ

“蔦屋敷"に住む兄妹には、誰も知らない秘密があった――12年前に出会った忘れえぬ少女と再会したとき、美しい惨劇の幕があがる。

感想・レビュー・書評

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  • とにかく世界観が好みだった…耽美な世界。

    よくよく思い返すと、あれ?あの件は結局?
    と若干中途半端に終わっている事もあるが、
    そんな事はもうどうでも良いと
    思ってしまう読了感だった。

    夏の山奥の蔦屋敷。
    むせ返るような緑の匂いが漂ってきそうだった。

  • 哀しいなあ。容姿や絵の才能、それらは勝っていても、愛に飢えてたんだなあ。
    絵の才能が父に認められるようになりつつある弟をみて、とてつもない焦燥にかられたんだろう。とても哀しい。

  • 物語も表紙も美しい

  • とても面白かったです。
    耽美で妖しく、鬱蒼とした夏の森に入り込んでしまったように囚われました。
    結局は兄弟の愛憎だったのね…と思いました。兄はやはり血が繋がらないから憎んでいたのかな…と思いましたが、絵の才能ももしかしたら弟の方があったのかなぁ。
    鷹原氏のモデルは澁澤龍彦だそう。まだあまり著作を読んだことがないのでますます読みたくなりました。
    由里香の感性が凄いことになってそう。でも、テレビゲームに興じるところは服部さんっぽいのか。
    洋ちゃんはどうなったのかとか、謎のまま終わっているところもありますが、それもミステリアスで読後も世界に浸れるので素敵です。
    夏真っ盛りに読んで良かったです。

  • 190719

    圧倒的な美に魅せられる愛は狂ってる
    謎は謎のままで…それが許されるお話だと言えてしまうのは私もこの物語の沼に惹き込まれたからなのだろうか

  • 「この闇と光」が最近よく書店で平積みされているのを見かけて、再プッシュされている嬉しい雰囲気を感じつつのこの作品の復刊、大変有難いことでした。

    山奥の蔦屋敷に住まう兄妹と、美しいその妹に魅せられた画家兄弟の数奇な運命を巡るミステリ要素を含んだ本作 。とはいえ謎解き要素よりも、どこか現実とは薄いベールで遮られているかのような幻想味のある世界の住人達が描かれていて、独特の美意識をあちこちの描写から感じ取ることができます。

    主人公兄弟の一筋縄ではいかない因縁や愛憎と、そのような生々しさのかけらもない蔦屋敷の兄妹たち。少女たちに翻弄される兄弟がどこか憐れに感じられたのは、「住む世界が違う」ということを自然と描写から認識できていたからなのでしょうか。

    幻想小説、とまではいかなくても、手の届かない美しく崇高な世界の片鱗を、端正な文章でじっくりと味わえる、とても素敵な物語でした。

  • 「この闇と光」がめちゃくちゃ好みだったので買い集めてた本。ようやく読破。
    読み始めればあっという間。これも好きな世界観だった。
    決して大声で奨める類の本ではない。好きな人たちがこっそり読み継いで行けばいいような、独特の背徳と耽美の世界。

    「この闇と光」も手探りで物語の構造を探っていくような話だったけど、これもまた森を彷徨うように世界観に翻弄される。
    この世界が好みの方なら謎は予想できる範囲だが、そんなことよりこの幻想にいつまでも浸っていたくなる。懐かしい妖しさが好きだ。

  • いつものように、何かないかなぁと入った、乗換駅ナカの本屋さんで平積みになっていて、表紙に惹かれ手に取ると、服部まゆみ!?
    あらすじも金額も確認せずに即購入!(笑)

    やっぱり同じようにたまたま手にとった「この闇と光」を読んですっかりファンになってしまった服部まゆみ先生。
    ところが既にお亡くなりになっていて、新刊は望めない。
    過去作を探し、これまた偶然入った地方の本屋さんでみつけた「レオナルドのユダ」を即買い。「一八八八切り裂きジャック」を通販で買い。後は古本やかな・・・と思っていたところだったので、めっちゃ嬉しかった(≧∀≦)

    なぜ今新刊?と思ったら復刊というそうだ。河出文庫さん、ありがとうございます☆


    “蔦屋敷"に住む兄妹には、誰も知らない秘密があった――12年前に出会った忘れえぬ少女と再会したとき、美しい惨劇の幕があがる。

    美しい・・・
    この独特な世界観が好き。
    そして「罪深き緑の夏」というタイトルが本当にしっくりとする内容だった。
    夏に読んでよかった。美しい文章から脳内妄想が無限に広がり別世界に連れて行ってくれる一冊だった。
    夏が来るたびに読み返したい・・・。

    服部先生の他の本も復刊されないかなぁ。。。

  • 淫靡一歩手前の耽美とでも言うか。ミューズ的な女性・百合を巡ってのストーリーでしたが、子供時代の百合の鮮烈さはなりを潜め、成人後の百合はしとやかな常識人の雰囲気で別人のようでした。由香里のほうが毒々しく危険な香り。なんだかお母さんが一人で真実を見ていたような気がします。精神的なご苦労お気の毒です。

  • 角川文庫版を持っているので再読。
    少し前に他の作品が、元々の版元である角川文庫から復刊されていたのだが、ここ暫く復刊の話を聞かなかった。で、こういう時にひょいっと出て来るのが、河出文庫。頼りになるなぁw ここは是非、『シメール』の文庫化も河出で……。

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著者プロフィール

1948年生まれ。版画家。日仏現代美術展でビブリオティック・デ・ザール賞受賞。『時のアラベスク』で横溝正史賞を受賞しデビュー。著書に『この闇と光』、『一八八八 切り裂きジャック』(角川文庫)など。

「2019年 『最後の楽園 服部まゆみ全短編集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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