十二神将変 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 233
感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309418674

感想・レビュー・書評

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  • 歌人・塚本邦雄の書いたミステリ。
    気になるなぁ…と思いながら書店で手に取ったら、帯を書かれていたのが岸本佐知子さんで「あ、買おう。」とそのままレジへ。

    難しい漢字や馴染みの薄い植物や色の名前などがたくさん出てくるので、読んでは調べ、調べては読み…と行ったり来たりしながらゆっくりと読み進めました。
    煌びやかな表層の下に蠢く、罪や愛憎や死の湿った気配。
    さまざまな思惑を滲ませた、機知に富んだ会話。
    読みながら、くらり、くらりと眩暈がするような感覚を味わいました。

    しかし、私の人生の経験値が足りなさ過ぎて、本書を十分に味わえたとは到底言えません。
    …が、逆に言えば、これからもまだまだ本書の凄さに気付けるということ。
    また読もうと、決意。

    • 111108さん
      すずめさん こんばんは

      知らなかったです!歌人×ミステリという意外過ぎる組み合わせ。
      帯が岸本佐知子さんって‥買っちゃいますね!

      難解な...
      すずめさん こんばんは

      知らなかったです!歌人×ミステリという意外過ぎる組み合わせ。
      帯が岸本佐知子さんって‥買っちゃいますね!

      難解なんでしょうか?謎解きというより奇妙な物語?
      2022/02/06
    • すずめさん
      111108さん、こんばんは!コメントありがとうございます。

      読者も一緒に推理して犯人当てに参加できる、というようなミステリではないで...
      111108さん、こんばんは!コメントありがとうございます。

      読者も一緒に推理して犯人当てに参加できる、というようなミステリではないです。私は今回はじめて読んだのですが、雰囲気に飲まれて酔いながら読んだなぁ…という感じでした。岸本さんが帯に書かれていた「これはもう、文字でできた麻薬」という言葉がとても似合う本だと思います。
      2022/02/07
    • 111108さん
      すずめさん、お返事ありがとうございます♪

      なるほど‥雰囲気に飲まれ酔うような感覚なんですね。岸本佐知子さんの帯上手いですね!
      読んでみたい...
      すずめさん、お返事ありがとうございます♪

      なるほど‥雰囲気に飲まれ酔うような感覚なんですね。岸本佐知子さんの帯上手いですね!
      読んでみたいような、読むのが怖いような気持ちになります。
      2022/02/07
  • 歌人の方が書かれた小説

    題名で買ってしまった

    1974年刊行
    難しい漢字、使わない言葉が出てくるので調べながら読む事になる。その為、読むテンポは悪くなった。


    建築士事務所で働く長男、宝石デザイナーの長女、精神病理学者の父と良妻賢母の母、そして居候の叔父で暮らす飾磨家は一見して幸せで裕福な家庭に見える!
    そんな飾磨家、長女の沙果子が思いを寄せる最上立春が中国で出張中のはずが不穏な動きあり!?

    ヘロイン中毒で死亡する若者

    ケシの花を育てる結社

    名家のしがらみ


    色んなものが纏わりつく、粘り気のある物語・・・

  • ちょっと読んでは、言葉の意味を、漢字の読み方を、画像を検索するので、ちっとも進まないけど楽しい
    おまけに突然ストーリーに爆弾ぶち込んでくるので、目が点になり、意識が遠くにさまようことになる。
    読書って楽しいを再確認した。

  • がさつで口の悪い叔父が一家を引っ掻き回すホームコメディのように幕は開き、やがて推理小説か幻想小説のような展開に。その先に広がる退廃的で絢爛としたもう一つの世界。合間に描写される料理のおいしそうなこと。

  • 秘密結社とケシの花。
    歴史的仮名遣いもすぐに馴染む。
    沙果子さんがてっきり事件解決するのかと思いきや、別の方が。
    全てがはっきりしないのが良いのかな。
    けむに巻かれたような読後感。
    すぐに読み返したくなる不思議な小説でした。

  • 旧仮名遣いで雰囲気たっぷり。馴染のない言葉は前後の文脈でなんとなく想像しながら読んだが、それでも十分楽しめた。飾磨家の娘・沙果子の恋人が急死。その真相を追うに従い、綴られる外聞の悪そうな人間関係。不穏な罌粟(ケシ)の存在。男性だけの世界に浸ろうとする父や叔父。すべてお見通しかもしれない母。ちょっぴり謎を残して、匂わせる感じが尚よし。沙果子と正午の兄妹は、年を取っても陽の差す方にいて欲しい。


  • 噎せ返るほど濃密でありながら透徹した文章だった。巻末解説の、敗北した男たちと逞しい女たちが云々という段が本編にそぐわない古臭く陳腐なクリシェでどうにも白けた。

  • 1974年の塚本邦雄による代表作の復刊本。京都の名家である飾磨(しかま)家当主・天道、妻・須弥、その弟・淡輪空晶、長男・正午、長女・沙果子を中心として、これも劣らぬ茶道の名家である貴船家の当主・七曜、妻・左東子、長女・未雉子。その親戚筋にあたる最上家の長男・晴明とその妻あさぎ、次男・立春。綺羅綺羅しい名をもつこれら美男美女たちの間で繰り広げられる秘密と愛欲と殺人の物語は、古めかしい旧仮名・旧漢字で綴られて古典趣味をいっそう盛り上げる。その中心に置かれているのは、山深く十二神将に守護された九曜魔法陣の形をした秘密の花苑だ。
    ミステリ仕立てとはいいながら登場人物の交わす会話や服装、茶菓子さえもが膨大な古典からの引用に彩られており、塚本邦雄の生まれ育った知的土壌の分厚さに圧倒される思い。とても衒学趣味に浸ってその世界を楽しむとはいえぬわが身の貧しさを悲しむしかない。したがって中国の魔法陣や、作中歌の謎解き、元本としての源氏物語などを指摘する中野美代子と島内景二の解説はありがたかった。
    島内景二氏はこの女たちを排除した男たち同士の愛欲をめぐる小説において、本当に世界を動かしているのは女たちだと論じる。その論に同意するかどうかはともかくとして、飾磨家の人々の親しく知己に富んだ会話を第1章から見せておきながら、その裏で父親と叔父が紡ぐ愛欲を、そして容赦なく秘密を暴き出してみせる娘に対し「そのようなお前が煩わしい」と父親が言ってのける場面を描く塚本が、戦後の異性愛と民主主義にもとづくリベラルな「家庭」規範にいかほどの価値も置いていないどころか侮蔑を露わにしているのは事実であり、だから本書そのものが異端に属するのである。
    その毒をどこまで堪能するかはともかくとして、核心に至る迷宮的文章を心地よく味わえるくらいの教養を身に着けてからふたたび方陣花苑を訪れればより艶やかな色を見せてくれるのかもしれないが、そうなるまでには自分の寿命が足りないような気もする。

  • 2022.01.11

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著者プロフィール

1920年生まれ。2005年没。歌人。51年、第1歌集『水葬物語』刊行、以後、岡井隆、寺山修司らと前衛短歌運動を展開。現代歌人協会賞、詩歌文学館賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞、現代短歌大賞など受賞。

「2022年 『紺青のわかれ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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