- Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309420547
作品紹介・あらすじ
人生のいくつかの場面で、私を支えてくれた、書物というかけがえのない友人たち。「遠い朝の本たち」-幼年期からの読書体験をたどり、自己形成の原風景を描く。「本に読まれて」-当代無比の読書家であった著者の書評を集大成。「書評・映画評」-書物や映画にまつわるエッセイ33篇。
感想・レビュー・書評
-
須賀敦子全集の第4巻には、3編が収められている。文庫本の裏表紙の説明も借りながら、内容を下記する。
【遠い朝の本たち】
幼年期からの読書体験をたどり、自己形成の原風景を描く。
「国語通信」「ちくま」に連載されていたもの。それをまとめた単行本として発行されたのは1998年。
【本に読まれて】
当代無比の読書家であった著者の書評を集大成。
毎日新聞の書評委員を務められていた時の書評など。これも、「本に読まれて」という題名で1998年に単行本として刊行されている。
【書評・映画評】
1991年から1997年にかけて発表された、書評を中心とした単行本未収録作品を、発表順に収録したという説明がなされている。
書評の多くはヨーロッパの詩や純文学や評論など。ヨーロッパの文芸についてのある一定の教養がないと読みこなせそうにない作品が多く紹介されている。私は、読む本を選ぶのに、書評を使うことが多いが、この須賀敦子の書評はハードルが高すぎて、読もうという気になったものは、ほとんどなかった。 -
○君は人生に意義を求めているが、人生の意義とは自分自身になることだ。
○大切なのは、どこかを指して行くことなので、到着することではないのだ、というのも、死、以外に到着というものはあり得ないのだから
○我々が一人でいる時というのは、我々の一生のうちで極めて重要な役割を果たすものなのである。ある種の力は、我々が一人でいる時だけにしか湧いてこないものであって、芸術家は創造するために、文筆家は考えを練るために、音楽家は作曲するために、そして聖者は祈るために一人でいなければならない。
○詩―それはひとつの息の転換なのかもしれません。おそらく詩は道をー芸術の道をもーこうした息の転換のために進むのではないでしょうか。 -
須賀敦子さんのブックレビュー本。
とても魅力的に紹介されるので、あれもこれも読みたくなって、読了後は本がポストイットでいっぱいになった。
各本数ページの紹介ながら、内容についてとてもディープな考察がなされており、実際に本を読んだような気持ちになった。非常に密度の濃い読書体験であった。
池澤夏樹氏を絶賛しておられ、今まであまり注目していなかったが、ちゃんと読んでみようかなと思った。 -
p.2021/6/25
-
烏兎の庭 第三部 箱庭 12.26.09
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto03/diary/d0912.html#book -
前半は「遠い朝の本たち」。作者の主に少女時代を読書遍歴に託して描く。中井久夫氏の解説によると父との和解が隠れた主題らしいが一読ではそこまで読み取れず。また氏の指摘する無常観は、回想ゆえというところもあるが、確かに言えている。
後半は「本に読まれて」。このタイトルは前半に登場する、作者の祖母の言葉より取られている(ボクも子供の頃はそんな感じだったかも)。こちらは書評集。毎日新聞にも書評を寄せていた時があったとは知らなかった。知らない本がほとんどである。。。 -
第4巻は『遠い朝の本たち』『本に読まれて』『書評・映画評ほか』を収録し、本、書評を纏めた1冊となっている。『遠い朝の本たち』だけが本に絡めた自伝的エッセイで、それ以外は評論集。
紹介されている本を読みたくなるというよりは、須賀敦子が取り上げた本をどう読んだか、どう評したかが気になる内容。矢張り海外文学が多い。 -
遠い朝の本たち 本に読まれて
本が好きな人の、本の記憶は楽しい。
私も本を読むのではなく、本に読まれている。:)
大阪は水の都。この本を読んで、空の向こうの故郷を思った。
実は、私も今、この本を手元に置いています。
ずっと昔、一度読んだのですが、また、読みたくなって。
地球っこさん...
実は、私も今、この本を手元に置いています。
ずっと昔、一度読んだのですが、また、読みたくなって。
地球っこさんのレビューを拝見して、ああ、そんなことが、書かれていた本だったっけ。
と、わずかながら思い出しました。
この本は、もう付箋だらけで、私もたぶん読みたい本に付箋をいっぱい貼ったんだと思います。
地球っこさんの、すぐ後で、レビューする勇気はないので、また、しばらくしたら、読んでみようと思います(*^^*)。
同じ本を読んでも、いろんな感想があるところが読書の面白いところだし、それを読めるのがブクログの楽しみなところです...
同じ本を読んでも、いろんな感想があるところが読書の面白いところだし、それを読めるのがブクログの楽しみなところですよね。
ぜひぜひ、読まれたらレビューしてくださいね!
楽しみにしてます。
まことさんは、読みたい本に付箋をいっぱい貼られたということなので、「本に読まれて」と「書評・映画評」のエッセイが心に残っておられるのかもしれませんね。
私も読んだことのない本ばかりだったのですが、ちょっと難しそうだったので(笑)、チェックしたのは3,4冊ほどでした……f(^_^;