女殺油地獄 (河出文庫 古典新訳コレクション)

  • 河出書房新社 (2025年2月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784309421650

感想・レビュー・書評

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  • 近松門左衛門の人気作品『女殺油地獄』の現代語訳。訳者は稀代の書き手、桜庭一樹先生。
    実際に起きた事件を、見てきたかのような臨場感と流れるような名調子で再現する近松劇場。桜庭先生がどう捌くのか興味津々で読みました。

    桜庭版は近松に敬意を表してか、現代文に名調子の地の文を散りばめるスタイルでした。興味深かったのは主人公与兵衛の人物設定。元々、行き詰った若者が急にキレて人を殺すという現代的な事件なのですが、少し精神医学的解釈を加えているようで、納得感が増しました。

    歌舞伎や映画、ドラマなど何度も取り上げられ人気が高いのは、与兵衛に色気や愛嬌を持ち込んだ演者の魅力が所以であって、素の与兵衛にはさほど魅力はないと思うのですがいかがでしょう。

  • 原文を何となく読んでからの桜庭訳。話として入り込めると同時に、近松のリズムも感じられてよかった。空気が読めない、親の稼ぎで遊び歩く男。それでも周りが情にほだされてしまう、不思議だ…。親子の成り立ちのせいか、いやいや、いい歳のおとななんだから、と読み手の心も揺さぶられる。臨場感にやられる山場、主人公の表情が見えるようでした。

  • 近松門左衛門、人形浄瑠璃。
    油屋の息子、与兵衛、放蕩の末に殺人まで犯すお話。

    桜庭一樹と、表紙に、惹かれて購入。
    殺人場面の油と血の表現が、衝撃的。
    恥ずかしながら、近松門左衛門、あまり知らなくて、、、
    なるほど芝居の台本みたいな感じなのね、と。
    映像やら舞台やらにもなっていて、それぞれの演出により解釈が異なってくるというのが面白い。
    実際の事件を基にしてるというのも、なかなかエグイ。
    当時はそういうの、普通にあったのだろう。
    怖いよな、人間って。

  • おどろおどろしい表紙とタイトル。
    お恥ずかしい話ですが、学がない私はこの古典作品を知りませんでした。
    そんな私ですが、大好きな桜庭一樹先生が書いていると知り読みました。
    惨殺シーンがグロテスクでありながら、エロチックでもあるのはさすが桜庭先生ですね。
    江戸時代は実際にあった事件を大衆演劇の演目とすることは知っていましたが、この作品は事件から1ヶ月半後に上演されたとか…。
    人の命の重さが違う時代だとは頭では理解していたつもりですが、その感覚、現代人には理解できるものではないですね…

  • 初め、読みにくい文体、、、と感じたが、
    まるで舞台で口上をあげているかのようで、浄瑠璃または歌舞伎を観ているような気分にさせられた

  • 金遣いの荒い次男。
    野放しにして他人に迷惑をかける可能性が少しでもあったのなら、家に縛り付けておくほうが良かっただろうに。

  • 思っていた以上に与兵衛が悪いやつだった。でもなんだろう、憎みきれないところがあるのが面白い。
    両親とお吉さんの優しさが届かなかったのか、届いてなおもうこの生き方から戻れぬ状態だったのか……読んだ印象だと後者かな。

  • いつかは読みたいと思っていた近松門左衛門。人気作家の現代語訳ということで、ハードルも低くスラスラと読み終えた。
    原作が面白いのか訳者の力量か、登場人物や当時の大阪の賑やかさが生き生きと感じられ、読後感も良かった。私は与兵衛はいまいち好きになれないが、昔からこういうキャラって人気なんだ…、と妙に感心したり。
    ところで、大阪が舞台なのに、登場人物のセリフが標準語なのが気になって仕方がなかったのだが、それは原作に忠実な表現なのだろうか?

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著者プロフィール

桜庭 一樹(さくらば・かずき):1971年鳥取県出身、小説家。1999年、「夜空に、満天の星」で第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞し、翌年デビュー。『GOSICK』シリーズが注目され、さらに04年発表の『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が高く評価される。07年に『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞を、翌08年に『私の男』で第138回直木賞を受賞。おもな著書に『少女を埋める』『紅だ!』『彼女が言わなかったすべてのこと』『名探偵の有害性』など、またエッセイ集に〈桜庭一樹読書日記〉シリーズや『東京ディストピア日記』などがある。

「2025年 『読まれる覚悟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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