遠慮深いうたた寝 (河出文庫)

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  • 河出書房新社 (2025年2月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784309421667

作品紹介・あらすじ

[内容紹介]
作家の日常が垣間見られる、10年ぶりの文庫エッセイ集!
どのエッセイも結局は
文学のない世界では生きられない
ことを告白している――小川洋子
日々の出来事、思い出、創作、手芸、ミュージカル……
温かな眼で日常を掬い取り、物語の向こう側を描く。
2012年から現在まで続く「神戸新聞」好評連載エッセイ「遠慮深いうたた寝」を中心に、約10年間に発表されたエッセイの中から厳選し、「手芸と始球式」「物語の向こう側」「読書と本と」の4章で構成する珠玉のエッセイ集。
*美しい装幀も話題!
九谷焼による陶板画・上出惠悟/デザイン・名久井直子
単行本 第55回造本装幀コンクール・日本書籍出版協会理事長賞受賞。
著者より
「本書を編むことは、文学が自分の生活、人生をどれほど大事な部分で支えているか再認識する作業でもありました。題材はさまざま異なっていても、どのエッセイも結局は文学のない世界では生きられない、ということを告白しています。実際には味わえない体験、自分とは異なる誰か、この世にはいない死者、そういうものたちへの想像力が、現実の私の救いとなってくれているのです」(「あとがき」より)

感想・レビュー・書評

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  •  まとまった小川洋子さんのエッセイを読むのは初めてでした。素晴らしい小説世界の創作秘話や素顔がうかがい知れ、小川さんの日常にそっと触れられた感があって興味深かったです。

     小川さんの描く世界観が腑に落ちたり、語りかけられ考え思わず納得したりと、気にも留めない自分の日常を、新たな視点で見直すきっかけにもなりました。各編の内容がいかに深いことか! 「言葉を捨て去る」「答えのない問い」の前段などは、惚れ惚れします。

     2012年から続く「神戸新聞」の連載、他に約10年間のエッセイから厳選された作品の数々…。日々の出来事、思い出、創作、野球やミュージカルなど、物語の裏側が描かれます。
     ミュージカルの推しなどで、高揚感のある話もありますが、現実世界から想像が膨らみ、非現実の間を行き来するような雰囲気の話も随所にあります。そしてやっぱり静謐で温かく美しい文体です。

     おそらく小川さん自身が、元気で楽しいときに陥る視野の狭さを自覚し、律しながら他者を思いやる姿勢が伝わってきます。小川さんがある種の哀しみを抱えていることで、想像力を働かせているのかもしれません。本とつきあいながら、優雅に歳を重ねるのも悪くない、と思わせてくれる一冊でした。

     ※本文庫版も単行本版同様、上出惠悟氏が焼いた陶板画(九谷焼)を名久井直子氏が装幀した美表紙で、第55回造本装幀コンクール「日本書籍出版協会理事長賞」を受賞しています。

  • 小川洋子さんの思い出話や本の感想、妄想や半分小説のようなお話をまとめたエッセイ。
    小川さんの魅力が詰まった作品でした。
    特に『答えのない問い』という作品で、小説を読んで、わけがわからない、面白くないと自分の狭い価値観で作品を否定してしまうことがあるけれど、分かる分からないにこだわるのは実にもったいないということ。分からない自分の未熟さを認めると、一気に視界が広がるという小川さんの言葉が心に響きました。
    また読み返したくなるエッセイです。

  • 装丁にやられてうっかり購入。

    内容も何も知らず。

    そしてエッセイ本でした。

    本や読書に関することが多くこちらも読みたい本が増える一冊に。

    読み終えてだいぶ経っての感想のほうが

    読了の不思議な心地が書けるかと思ったけど

    だめでした。

    素朴で文学的でじわっと「本と共に…」という感覚が共有された感じ(大げさ)

    まあ。

    とにかく私にはグッとくる一冊でした。

    • コルベットさん
      ひろさん、こんばんは。これは……!?これは、うっかり購入しちゃいますね♪可愛い♡(^^)
      ひろさん、こんばんは。これは……!?これは、うっかり購入しちゃいますね♪可愛い♡(^^)
      2025/05/28
    • ひろさん
      コルベットさん、こんばんは。
      紙の透明感も良くてですね!
      こういう本との出会いもいいですよね!
      コルベットさん、こんばんは。
      紙の透明感も良くてですね!
      こういう本との出会いもいいですよね!
      2025/05/28
  • エッセイ集。「答えのない問い」に力をもらった。

  • 読了更新。

    神戸新聞にて連載されたエッセイをまとめられたもの。

    小川さんらしい言葉、表現力で満載の一冊です。
    小川さんの日々の生活、家族、趣味、おすすめ本、それらの感想など。
    中でも、過去の出来事からきっと空想されて書かれているのかな?と思われる小説風なエッセイに
    惹き込まれます。(小石を拾いに)好きです。

    全般を通して、共通して感じる小川さんの思いは、

    想像する力を与えてくださった神への感謝。
    今 を生きる私たちは、
    今 だけに囲まれて生きている訳ではない、
    知らない人、亡くなった人、これから生まれる人、架空の人、、、
    今 だけでないことを大切にされていること。
    物語とは、小説とは、自由であること。
    誰にとっても等しく、未来は未知のもの。
    その他たくさんあります。
    素敵な感性で、尊敬します。

    色んな作家さんのエッセイを読むと、
    それぞれの作家さん自身の個性と、
    反対に共通する心情みたいな空気も最近は感じています。

    小川さんのように、
    ふと(この言葉のエッセイも素敵)突然、
    心の中にあるものが棲みつき、
    小説で表現出来るまで消えない、なんて、
    きっと苦しい時間も多いでしょう。
    まさに作家になる為に生を受けた方だなーと、
    しみじみ思いました。

    おすすめ本も、小川さんの作品もたくさん読んでいこうと思います。


  • 私たちに近い日常も、小川さんの目を通すと全く違う世界が広がり、偶然居合わせた一瞬にさえ光を見出す。その眼差しが見つめる先から新たな物語が始まるのだとわくわくが止まらない。
    まるで短編集のような珠玉のエッセイ。

  • 小川糸さんのエッセイの後に読みました。
    同じ人なのに 書き方が違うなあ!
    と思って 初めて小川洋子さんと小川糸さんの違いに気がつきました。
    この本は本屋さんで立ち読みした時
    名前の不思議 というところを偶然読んで グッときて 買ってきて読みました。
    小川糸さんのエッセイは 外国に行った話しなどでスラスラ読めます。
    小川洋子さんのは 気持ちにひっかかり 又こっちでひっかかりして なかなか進みませんでした。
    自分の心の中に 誰かがあるいは何かがいきなり住み着くんだそうです。
    それは 小説にしないと 心から出ていかない。
    こういうのを小説家のさが っていうんですね。
    前 絵描きさんだった人に 絵描きさんと趣味で絵を描く人となにが違うの?
    と聞いたことがあります。
    絵描きは血が騒ぐんだそうです。
    書き終えるまで血が騒ぐ

    小川洋子さんも 書き終えるまで 心から出て行ってくれないものを持ってるんですね。
    もちろん小川糸さんもそうなんでしょう。
    読みでのあるエッセイでした。

  • もう誰にも必要とされないものが、なぜこんなにも美しいのか不思議だった。(本文より)

    石を積み上げるようにコツコツと書く作業をするという著者は、いつものように誰にも思いつかないような表現力で、世界の神秘に目を輝かせる少女の眼差しで世界をみせてくれている。

  • 作家ってやはり想像力豊かなんだと再認識。そして作家でなくても、人間にとって「想像力」って大切なのではないかと気付かされました。仕事をする際にも相手の気持ちを想像することは大事だし、家族や友人との関係においても気持ちを察することが必要ですよね、

  • 小川洋子さんの本が好きで、小川洋子さんの本をある程度読んだから、この本を読んで小川さんの魅力を小説ではなくエッセイで感じ、もっと好きになった。

    言葉と向き合う生身の小川洋子さんを感じることができた。

    好きな章
    ・答えのない問い

  • 小川洋子のお話は好きで、ちょいちょい読むけれど、エッセイは初めて。
    「母親のチキンスープ」が良かった。
    病気療養中、小学生以来ぶりに母親の隣に寝た。くしゃみで傷が痛んで「痛い」と呟いたら、「痛かったねぇ」と返ってきた。翌朝聴いたら覚えていないそう。今までいかに親に愛されて慈しまれてきたことを、たぶん本当の意味で体感した瞬間だった。だからこそ、「ああ良いなぁ」と感じたのだと思う。
    最後の方に収められた本紹介も、どれも読みたくなった。

  • 乳白色と青磁のやわらかな彩色に、犬とも馬ともつかない優しげな動物の姿、控え目に書かれたタイトルと署者名、小川洋子さんの作品を知っている身からすると、この装丁がなにもかも“小川洋子さん”っぽさに溢れているなあと思う
    書店でふと惹かれて手にしたら、それが好きな作家さんの著作だと気づいた時の喜びときたらない

    「神戸新聞」に連載されている表題作と、他新聞、雑誌などあちこちに2007年から2020年ごろまで掲載された随筆がまとめて収録されています

    書くことに身を捧げ、邁進することをあきらめない、でもその進まぬ進捗に右往左往したり
    読書が好きで、文章の間に潜む書かれない囁きに目を凝らし、独自の妄想性を含んだ解釈を展開したり
    コロナ下でのままならない文化活動に心を痛め、今もなお残る阪神の震災の爪跡、記憶を見つめ続けたり
    そんな様々な日常を、どこか遠慮がちに、密やかに呟いているような、読んでいて素直な心地になれる随筆です

    おすすめの偏愛小説を語る段でも、読んで読んで! っていう雰囲気ではなく、さりとてオタク早口の調子ともまた違う、控え目さ、押しつけがましくなさがあって、でも紹介されている作品はあれもこれもと読みたくなる、訴求力が強い

    いつでもここにいますよ、聞きにきて、読んでみて、あなたの想いを聞かせて、って安心させてくれるような 
    おかしな表現かも知れませんが“聞き上手”の随筆のように感じたのでした

  • 著者の作品は初めて読む。新聞連載のエッセイがいい。特に良かったのは、推しのいる幸福。

  • 日々の暮らしや思い出、創作についてなどが綴られたエッセイ。ファンにはたまらない一冊だと思う。小川作品のみならず、読みたい作品が増えた。ミュージカルファンの小川さん。「ミュージカルに目覚めた途端、スケジュールの管理が大変になった」(P101)に大きく頷く。

  • 表紙に惹かれて手にとったが、視点、考え方、そう思うに至った経緯…すべてがストンと落ちて、爽快な読後感。『ことり』を読み返したくなった。

  • 本を読まない人が増えて、本屋がどんどんつぶれ、何分以内に読める!というのが売り文句になってしまった今の時代だけど、やっぱり本を好きでいいんだ、本の力を信じていいんだと思わせてくれる心強い一冊。

  • とても等身大さを感じる素敵な作品。阪神間で暮らす筆者ならではの空気感が同じく阪神間で暮らす私にも感じられる。

  • エッセイを久しぶりに読んでいます。昔好きだったのは、向田邦子さん、伊集院静さんのエッセイ。小川洋子さんのエッセイも面白い。一つのお話から得るものがいくつもある。

  • 初めての小川洋子。完全にジャケ買いでした。
    柔らかくもどこか芯のある文章の数々が気持ち良い。
    この方はとにかく物語や文章作品が好きなんだなあというのがそこかしこから伝わってきてよかった。

  • やっぱりこの人の言葉や文章は好きだ
    めっちゃ阪神ファン(笑)
    偏愛している文学、小説を書くこと…
    色々な考えや出来事を垣間見れて楽しい

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著者プロフィール

1962年、岡山市生まれ。88年、「揚羽蝶が壊れる時」により海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」により芥川賞を受賞。『博士の愛した数式』で読売文学賞及び本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。その他の小説作品に『猫を抱いて象と泳ぐ』『琥珀のまたたき』『約束された移動』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小川洋子の作品

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