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Amazon.co.jp ・本 (472ページ) / ISBN・EAN: 9784309421766
感想・レビュー・書評
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熱量と波瀾
角川春樹の伝説については、阿川佐和子との対談で知ってゐた。
戦艦大和を勘で発見したとき、おれは神だ。と感じたといふ法螺吹き具合で、カリスマ経営者――といふよりは、人たらしのやうな喋り方、阿川を圧倒させてゐたと記憶する。
角川一族は、米騒動に関りのある米穀商・角川商店を築いた祖父に流れをもつ。
父親・源義が学術書の出版社として始めたものを、息子が新潮社の向かうを張る土着民俗学ホラーエンターテイメント出版社にして、映画商法で一大出版社に仕立てあげた。
角川春樹は、中上健次よりヤクザである。
かの芥川賞受賞作家・中上健次は、小島信夫を追ひかけまはし、三島賞選考会で大江健三郎に向かって、おまへ悪人。と連呼した。
なんとその中上は、角川春樹との初対面時に、土下座をしたといふのである。若い頃は角材で全学連の200人の学生に向かって突撃したらしく、2つの組事務所からオファーがあったさうだ。
他にも松田優作も角川に土下座してるし、いやはや。
しかも、このインタヴューですらすらと飛びだす文学、それも主に和歌の造詣には舌を巻いた。下手すると学者より上かもわからない。
西行の話をする際に、白河法皇の溺愛した幼女・彰子が出てくる。映画『犬神家の一族』のときも、犬神統・犬神筋といふ犬の首を用ゐた呪術の系譜について。その撮影地・諏訪を古事記からひもといて、アマテラスに歯向かったタケミナカタのはなしをする。
知識量がそこらへんの三文文士よりすごい。これは神がからうとしてゐる。
ミャンマーに逃げこんだ国民党軍がアヘンの栽培をして再起を図ってゐる、その地へ出向くなどのハードボイルド旅もたびたび敢行してをり、真似できない御人である。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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