- 本 ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309421773
作品紹介・あらすじ
孤独で不器用なアンが祝福されてゆく物語『赤毛のアン』、森に生きるエルノラの日々や成長がゆたかに描かれる愛読書№1『リンバロストの乙女』、子どもたちの幸福な食事を共に楽しむ『秘密の花園』、そして時代の制約のなか、自分に忠実に執筆し続けた女性作家たち――。氷室冴子が〈腹心〉の友である少女小説への愛を綴った名エッセイ。
解説=斎藤美奈子
〈目次〉
まえがきにかえて
いとしのマシュウ
『赤毛のアン』
オルコットかモンゴメリか
『八人のいとこ』『花ざかりのローズ』
ハウス食品におねがい
『リンバロストの乙女』
ストーリーテリングということ
『若草の祈り』
軽やかなワルツみたいに
『少女パレアナ』
ミスターの魅力
『少女レベッカ』『レベッカの青春』
心ふるえて……
『十七歳の夏』
ひとやすみにお茶を……
『秘密の花園』『あしながおじさん』『丘の家のジェーン』『昔気質の一少女』
〈付録〉友人Aへの手紙
あとがき
解説 斎藤美奈子
感想・レビュー・書評
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『なんて素敵にジャパネスク』『ざ、ちぇんじ』『銀の海 金の大地』『海がきこえる』の作者である氷室冴子さんによる、おすすめ家庭小説のエッセイです。『赤毛のアン』『若草物語』『リンバロストの乙女』『八人のいとこ』などなど、、、読んだ事ない本や、《ハウス食品 世界名作劇場》で観てて知ってるつもりになってた本とか色々。読んでみたい本とたくさん出会えました。今年は何冊か読んでみよう。
氷室冴子さんのお陰で娘が古典好きになり、文学部日本文学科に進学しました。小学校高学年女子や古典で苦戦してる子は氷室冴子さん原作、漫画家山内直実さんの『なんて素敵にジャパネスク』とか『ざ、ちぇんじ』読んで欲しいな。その後は青い鳥文庫の古典作品や21世紀版 少年少女古典文学館とか楽しいとこから始められればね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ブクログで感想を書いている人もみんな『リンバロストの乙女』を読みたいと書かれていて自分もまんまとそれに乗せられました。
氷室冴子さんのエッセイは時代も感じさせつつエバーグリーンで読んでよかったなと思わされます。『海がきこえる』執筆中のエピソードや今では誰でも知ってるマカロンやメイプルシロップの話なんかも興味深かったです。
翻訳小説って翻訳された時期によっては読みにくくて少し前も野崎孝さんの訳が読みにくくて苦手とか偉そうに書いたけど本作を読んで昭和の翻訳者の方々の力量や熱意をあらためて感じました。
あと最近の氷室冴子作品再発で密かに楽しみにしているのが解説の方々の氷室冴子愛です。読み終えて解説も読んでさらに楽しめます。
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氷室冴子さん。出会いは小学校高学年。当時大人気の斉藤由貴主演の映画、恋する女たちを観て、その原作が氷室冴子さんと知った時です。さようならアルルカンを読んで、衝撃を受け、白い少女たちも続けて読みました。当時、なんて素敵にジャパネスクも流行っていたと思うのですが、何故かそれには手をつけず、クララ白書も読まず、恋する女たちを読んで、高校生活に憧れました。氷室冴子さんの王道読書はしてこなかったけれど、可愛いだけじゃない、考える女の子を教えてくれた作家さんです。
その氷室冴子さんが家庭小説について語るエッセイ。面白くないわけがない。そうそう!と大きくうなづいたり、クスッと笑ったりしながら読むのが、氷室冴子さんのエッセイ。
個人的に、モスリンに代表される当時の生地についての詳しい話になるほど、と思いつつ、どんなものなのか想像しながら読んだ子ども時代の読書を思い出しました。
家庭小説、じっくり読みたくなりました。少なくとも、リンバロストの乙女は読まねばなりません。ただ楽しいだけの読書を思い出させてくれた素敵なエッセイでした。 -
『赤毛のアン』や『少女パレアナ』のような家庭小説群の案内書であり、エッセイ。私がほぼ通過していない…(アンと秘密の花園しか読んでなかった!)
読みたくなってしまうようなお誘い文と、子ども時代の思い出話。 -
「新刊」の棚に「氷室冴子」とあり二度見。復刊ですが読んだことなかったので早速購入。小学生から中学高校時代、「なんて素敵にジャパネスク」が大人気でランキングでは必ず一位、懐かしい思い出です。
今回紹介されている本有名どころ以外は読んだことなかったのでタイトルさえ知らなかったものばかり。手に入れるのは難しそうですが出来れば紙の本で探してみます。 -
面白い!です。執筆されてから時間が経っている為、おすすめの本が絶版になっているのが残念です。
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あの時代の氷室冴子の熱量のこもった語り口で、当時でさえ過去のものとなりつつあった作品の魅力が語られるからこそ「家庭小説」と呼びたい。
作家ならではの視点による、作劇上のポイントや、女性作家が物語ることへの想いも示されることに心が響く。 -
作者の熱い「家庭小説家」愛に溢れた1冊。
読了後は、あれもこれもと読みたい本がかなり増えてしまうこと必須。
悲しいかな今では入手困難な本もあるけれど、まだ購入できるものから読んでみようと思う。 -
途中、本棚を漁る。
八人のいとこは発見したけどなぜか花ざかりのローズはなく、引越しでリンバロストの乙女を捨ててたことが発覚。
やっぱ本は捨ててはいけない。
著者プロフィール
氷室冴子の作品





