路上 (河出文庫 505A)

制作 : 福田 実 
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 853
レビュー : 76
  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309460062

感想・レビュー・書評

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  • 今更ケルアック。やっぱりこれはもっと若い頃に読んだほうが良かったかな。気ままなヒッチハイクの旅、奇人変人な友人たち、そんな友人たちの破天荒エピソードの数々など、自由で楽しそうだけれど、すでにおばちゃんになった私は「それはただの犯罪ではないか」「あかんではないか(町田康風に)」と、時々眉をひそめてしまったりもする。20年ぶりに『トレインスポッティング』を観たときの感想に近い。

    登場人物は主人公のサル・パラダイス=ケルアック自身であるのをはじめ、ディーン・モリアーティ=ニール・キャサディ、オールド・ブル・リー=ウィリアム・バロウズ、カーロ・マルクス=アレン・ギンズバーグのことだそうで、なんとなく頭に入れておくとバロウズってこんな感じだったのか~等と違った楽しみ方もできる。

    基本的にはディーン・モリアーティ=ニール・キャサディについての思い出、なのだろう。記録者ではなく体現者だった彼の破天荒な生き様は、個人的には羨ましくもないしできれば友達にもなりたくないし遠くから眺めるだけで十分だけれど、彼の友人たちにとってはそうではなかったのだろうなと思うとちょっとセンチメンタルな気持ちにはなるけれど。

  • <50年代のアメリカ。青年サル・パラダイスはディーン・モリアーティに導かれ、西部へ放浪の旅に出る・・・>

    ビート・ジェネレーションのバイブル、“On The Road”の福田訳。

    「ビートジェネレーション」とは既成の価値―物質文明、体制、権威など―をふきとばし、
    新しい価値観を求めた人々のことであり、そのような文学を送り出してきた文学世代のこと。

    ヘミングウェイやフィッツジェラルド、フォークナーの「ロスト・ジェネレーション」は知っていたけど、
    ちょっとこれは知らなかった。なのでこれがヒッピー文化の前身だったのか~と納得。


    それにしてもここでいう「ビート」の意味は何なのか、どこにもはっきり述べられてない。
    ビート=Beatで単純に考えれば、「撃つ」=既成の文化をふきとばす・・・とも思ったけれど、
    「路上」を読むと「うちひしがれる」という意味に感じた。Beatedじゃないけれど・・・

    それほどこの本にでてくる人は、ディーンを中心に刹那的な人々ばかり。
    セックスにドラッグ、アルコール。一瞬の中を生きているような彼らは、現実を見れば、
    定職がないにもかかわらず、子供や妻がいて、それを気にすることもなく各地を放浪する。
    しかしそこには今をどうにもできない苦しみがある。

    そんな彼らの仲間でありながらも、半歩下がったところから見ているのが主人公サル。
    彼はたぶん作者ジャック・ケルアック自身である一方で、読者自身の姿でもあり、
    彼を通してビート達の苦しみ、哀しみ、孤独を間近に感じ取ることが出来る。

    それにしても、これほどまでに人が旅にひきつけられるのは何なのか。
    ディーンは文中でサルに言う。
    「おれたちは時間を知ってるんだ。時間を遅らせ、歩き、理解するやり方を知ってるんだ。」
    そしてケルアックはこう書いている。
    「生活の内側はすべて、終わりもなく始まりもなくむなしかった。」
    たぶん彼らにとって旅=青春だったのだ。だから何度も旅に出た。
    青春を終わらせたくなかったのだ。
    それはラストのパラグラフ、あまりに美しく、寂寥感に溢れたホイットマンばりの文章に集約されていると思う。

    でも旅=青春ではないはず。

    旅=人生だ!!


    沢木耕太郎の「深夜特急」と並んで、旅のバイブルになるだろう作品。
    名文が多いこの本のBGMはもちろんジャズで♪

  • (408)

  • 長い路だった・・・。たしかにJazzの即興のような文章。でも人物の勢いにはスゴイものがある。走り出したら止まらないぜ(by横浜銀蝿)ってカンジ。それがまた文章にもアドリブ的な印象を加えている。

  • 新書文庫

  • 読むジャズ

  • ジャック・ケルアック作。現代アメリカ文学のマスターピ-スとされる作品。ケルアック自身の体験を綴っているらしく、読後感はノンフィクションやルポに近い。

     サル・パラダイス(ケルアック自身)は、無頼でクレ-ジ-な若者ディ-ン(ニ-ル・キャサディなる実在の人物がモデル)と出会い、アメリカ西海岸を目指す北米大陸横断の旅に出る。

     1947年当時の旅。ヒッチハイクで何時間も路上に立ち、ときに借りた車で州を越え荒野をひたすら走り続ける。曰く「道路が人生なのだ」。まさに路上に生きる如し。

     中西部の荒野、初めて目にする大都会デンバ-、サンフランシスコ、ロサンゼルスの街の印象を活写する。そして国境を越えてメキシコへ。ケルアックはグリンゴ達の姿に目を見張り、インディオ達の眼差しから、世界各地に連なる旧き民の偉大さへと思いを巡らす。
     未知の世界を前にした高揚と感動が綴られ、若い旅人らしい新鮮な感受性と喜びがあふれている。
     無軌道さ、熱情、疾走感。
     そして当時まさに生まれたてだったハ-ドバップジャズ。バップの演奏を捉えた文章がなんともイキが良い。ジャズの革命、モダンジャズの誕生をリアルタイムで目の当たりにする興奮はいかばかりだったことか。
     終幕、盟友ディーンとの別れは物哀しく寂しい。

  • ヒッピーのバイブルとのこと。
    ビートニクの代名詞的作品

  • 言い方が変かもしれないがこれぞ翻訳といった文体。
    分かりやすい日本語に置き換えたり付けたり削ったり音節でリズムを作ったりと、様々な技巧を駆使している堅めの文章はとても好ましい。
    21世紀の青山訳が出るまで、この文章が長く多くの人たちに感銘を与えてきたのだなと妙な感慨を持った。

  • [ 内容 ]
    スピード、セックス、モダン・ジャズそしてマリファナ……。
    既成の価値を吹きとばし、新しい感覚を叩きつけた一九五○年代の反逆者たち。
    本書は、彼らビートやヒッピーのバイブルであった。
    現代アメリカ文学の原点。

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著者プロフィール

1922年マサチューセッツ生まれ。大学中退後、アメリカ大陸を縦横無尽に車で移動する旅を始める。著書に不滅の青春のバイブル『オン・ザ・ロード』や、『地下街の人びと』など。

「2013年 『トリステッサ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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