内なる殺人者 (河出文庫 541A)

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309460796

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  • テキサス州のセントラル・シティの保安官補ルー・フォードは家政婦から性的虐待を受けた。幼い少女を殺したが、義理の兄のマイクが罪を背負った。出所後、マイクは建設現場で働き始めたが、そこで事故死してしまう。街の有力者である建設業者のチェスター・コンウェイが安全を蔑ろにしたためマイクの死につながったと考えたルーは復讐を決意する。

    チェスターの息子、エルマーが売春婦のジョイス・レイクランドと関係を持っていた。同じくルーもジョイスと関係していた。ルーはチェスターからエルマーがジョイスと別れるよう説得するよう依頼された。そこでルー、エルマー、ジョイスの三人で会うこととなった。この時、ルーは復讐の計画を実行する決意をした。ジョイスを殴り倒して瀕死の状態にし、エルマーを銃で撃ち殺した。そして、ジョイスとエルマーがお互いに殺しあったように偽装した。ジョイスはその後、病院で死亡した。

    ガソリンスタンドでアルバイトをしていたジョニー・パパスにルーは20ドルで支払った。その金は事件当夜にエルマーからもらったものだった。この金の番号が記録されていたため、ジョニーがジョイスとエルマー殺しの容疑者として逮捕された。ジョニーに会いに行ったルーはジョニーが金の出所を話す前に牢屋の中で自殺に見せかけて殺した。

    ルーの幼なじみのエイミー・スタントンは、ルーが結婚してくれるのを長年待っていた。しかし、ルーはそんな彼女を疎ましく思い始める。幼い時の虐待の記憶、少女を殺した記憶、さらに最近の三人の殺害によって精神に異常をきたしていたルーは遂にエイミーをも殺してしまう。エルマーとジョイスの死にルーが関係している証拠を掴んだ男が脅迫に来たときに、その男がエイミーを殺したとして、さらにその男も殺されてしまった。その事実を知ったルーの上司、ボブ・メイプルズ保安官も自殺してしまった。

    郡検事のハワード・ヘンドリクスがルーのもとにやって来てルーを逮捕した。死んだと思われていたジョイスが実は生きていた。エルマーの反抗だとは考えられなかったチェスターがジョイスの死を偽装していた。その後のジョニー、エイミーの死によってすべての犯行がルーによるものだとわかったため、ボブは自殺した。最後は家にしかけていたアルコールを爆発させて終わった。

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