太陽がいっぱい (河出文庫)

制作 : Patricia Highsmith  佐宗 鈴夫 
  • 河出書房新社
3.85
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本棚登録 : 99
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309461250

作品紹介・あらすじ

息子を呼びもどしてほしいという、富豪グリーンリーフの頼みを引き受け、トム・リプリーはイタリアへと旅立った。息子のディッキーに羨望と友情という二つの交錯する感情を抱きながら、トムはまばゆい地中海の陽の光の中で完全犯罪を計画するが…。精致で冷徹な心理描写により、映画『太陽がいっぱい』の感動が蘇るハイスミスの出世作。

感想・レビュー・書評

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  • 見たことのない私でさえテーマ曲とオチを知っているアラン・ドロン主演映画の原作小説。聞きかじった知識だけで勝手に野心を胸に完全犯罪を企む主人公だと思っていたトム・リプリーがかなり繊細で殺人自体も運と偶然に助けられた即興劇に近いものだったのには驚いた。映画とは全く違うオチはできる限り誠実であろうとしながらも運命に翻弄され殺人に手を染めることになるトムにとってもの凄い皮肉なものではないだろうか。

  • アラン・ドロンの映画の印象がが強烈ですからね、結末に違いがある事しか覚えていないな。

  • 富豪の息子として遊び暮らすディッキーを羨みながらも、かれに付き従うトム・リプリー。彼はディッキーと体型や顔が似ていることを利用し、ディッキーに成り代わろうと計画する。二人で海上にボートで出て、そこでディッキーを殺し沈めてしまう。陸に戻ったあと変装をして、以後ディッキーとして生活を始める。しかし、ディッキーの友人が訪ねてきて真相がばれそうになると、彼をも殺してしまう。

    警察の捜査が始まり、トムとディッキーの共通の知人であるマージやディッキーの父親の追求が進むなか、トムはディッキーの金を手に入れ闘争することに成功する。

    底辺から這い上がり上流階級を目指すトム・リプリー。自分は上に上がれるという根拠の無い自身を持っている。彼の人生は常に行き当たりばったりで、その延長で二つの殺人まで犯してしまう。ずさんな犯行の割には警察の追及はゆるく、真相が明らかになる前になんとか逃げ切るという悪運の持ち主である。

  • 自分に戻るのだけは嫌だった、リプリー。
    ずさんな場当たり嘘を繰り返して、ギリギリを生きていた。
    太陽がいっぱい。私にはその動機がわかる。

  • アメリカでその日暮らしの生活を送る青年トム・リプリーは、息子を帰国させてほしいという富豪からの依頼を受け、イタリアで彼の息子・ディッキーと出会う。
    何不自由ないディッキーの生活にあこがれとも憎しみともつかない思いを抱きつつ、次第に友情を深めるリプリー。しかし2人の関係が悪化したのをきっかけに、内心で密かにふくらんでいた犯行計画を実行に移すこととなる。

    ------------------------------
    持たざる若者の逆襲。
    自分もディッキーと同じ境遇さえあれば満足のいく人生が送れたのだと盲目的に信じ、それまでの自分を捨て、楽観と絶望のはざまで揺れ動くリプリーのすがたが痛々しい。アリバイ作りもボロを出しまくり、これはもう自滅するだけだな……と思いきや、しかしリプリー案外しぶとい。ラストで彼の脳裏をちらりとかすめる暗闇の気配も未来への期待に満ちたかけ声によって、あっさりと隅へと追いやられてしまう。悪は滅びず、手にした人生の喜びが罪の意識を凌駕する。ハイスミスらしい、皮肉である意味痛快な結末。

  • 映画のラストシーンは強烈だった。原作は全く異なるのだが、これはこれで面白い。

  • 20代のアラン・ドロンがあまりにもカッコよく、映画ではサスペンス風味が強いけれど、確か4作あったリプリー・シリーズは、孤独の物語。
    強烈な孤独。この作品も、パトリシア・ハイスミスも。

  • 犯罪の発覚より、旅行が気になったり
    先々を考えず、とりあえずとった行動まで
    自らに味方する幸運、
    人を騙すことに生まれながらの力を発揮する
    間抜けで、現実を見る勇気もない、夢見がちで我侭
    嫉妬深い同性愛者の臭いもただよう悪党リプリー
    映画と全然違う原作、映画のほうが好みにあう。

  • 有名すぎる映画の原作。
    映画観てませんが、ラストは知っていました。
    が…違った!だから続編が可能なんかー。
    映画観よう。

  • 息子を呼びもどしてほしいという、富豪グリーンリーフの頼みを引き受け、トム・リプリーはイタリアへと旅立った。息子のディッキーに羨望と友情という二つの交錯する感情を抱きながら、トムはまばゆい地中海の陽の光の中で完全犯罪を計画するが…。精致で冷徹な心理描写により、映画『太陽がいっぱい』の感動が蘇るハイスミスの出世作。

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著者プロフィール

1921-1995年。テキサス州生まれ。『見知らぬ乗客』『太陽がいっぱい』が映画化され、人気作家に。『太陽がいっぱい』でフランス推理小説大賞、『殺意の迷宮』で英国推理作家協会(CWA)賞を受賞。

「2018年 『死者と踊るリプリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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