モンマルトルのメグレ 新装新版 (河出文庫 シ 2-3)

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309461960

感想・レビュー・書評

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  • たとえばシャーロック・ホームズシリーズの魅力は、ミステリとしてのすばらしさと共に、あの時代のロンドンの空気を魅力的に伝えてくれているところである。それと同じように、この物語のたまらない魅力は、メグレ警視を狂言回しに描き出させるモンマルトルの町と、そこに生きる人間たちの魅力であると思う。

    被害者の女性は、生前それほど長く物語には登場しないけれど、物語全体を読むうちにまずます光を放つ。わかりやすい意味で幸せな人物は誰もいないかもしれないけれど、それぞれが自分の人生を懸命に守りながら日々を過ごしている様子が、無口で少し悲しげなメグレの視線を通じて描き出されている感じがいい。

    結末が楽しみで急いで読み進めるような本ではなく、ゆっくりと空気を感じながら読みたい本。気持ちよい読書体験だった。

  • ストリップバーとクスリの妖しげな雰囲気に包まれたパリ。名前だけ出てくる謎の人物「オスカル」の深みがもっと欲しい。淡々と描くところに異常性が表れているのもわかるんだけど。

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著者プロフィール

1903年、ベルギー、リエージュ生まれ。中学中退後、転職を繰り返し、『リエージュ新聞』の記者となる。1921年に処女作“Au Pont des Arches” を発表。パリへ移住後、幾つものペンネームを使い分けながら数多くの小説を執筆。メグレ警視シリーズは絶大な人気を
誇り、長編だけでも70作以上書かれている。66年、アメリカ探偵作家クラブ巨匠賞を受賞。1989年死去。

「2024年 『ロニョン刑事とネズミ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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