なしくずしの死 上 (河出文庫 セ 1-1)

  • 河出書房新社
3.66
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本棚登録 : 340
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (454ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309462196

作品紹介・あらすじ

『夜の果てへの旅』の爆発的な成功で一躍有名になった作者が四年後の一九三六年に発表した本書は、その斬新さのあまり非難と攻撃によって迎えられた。今日では二十世紀の最も重要な作家の一人として評価されるセリーヌは、自伝的な少年時代を描いた本書で、さらなる文体破壊を極め良俗を侵犯しつつ、弱者を蹂躙する世界の悪に満ちた意志を糾弾する。

感想・レビュー・書評

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  • 「何故わたしがこんなに卑語を、俗語表現を使うか、なぜ自分でもそれを作り出すかというと、それは、この言葉がすぐに死ぬからだ、ということは、この言葉が生きたからだ。普通の小説の言葉は死んでいる。文体も何もかも死んでいる。」
    読み終わってすぐよりも、少し時間が経ってから理解されてくる、経験のような読書。

  • 著者セリーヌの少年時代を書いた自伝的小説。この著者の有名な『夜の果てへの旅』と似たように、勢いのある文体でこの世を攻撃している。好きな文章などはあるけど、読んでてあまり胸に響くほどではない。訳も?な部分が少しある。下巻はどうなるか楽しみ。

  • 丸善・ジュンク堂書店限定復刊。
    本書は『夜の果てへの旅』の4年後に刊行されたと巻末の『訳者あとがき』にある。『夜の〜』に見られた破天荒さ、破壊衝動は本書で更にパワーアップしているのを感じる。

    冷静に考えると、本書が既に文庫化されていて、更にリクエスト復刊のラインナップに入っている……というのが凄い。

  • [ 内容 ]
    <上>
    『夜の果てへの旅』の爆発的な成功で一躍有名になった作者が四年後の一九三六年に発表した本書は、その斬新さのあまり非難と攻撃によって迎えられた。
    今日では二十世紀の最も重要な作家の一人として評価されるセリーヌは、自伝的な少年時代を描いた本書で、さらなる文体破壊を極め良俗を侵犯しつつ、弱者を蹂躙する世界の悪に満ちた意志を糾弾する。

    <下>
    “絶望のアナーキスト”から“反ユダヤ主義者・対独協力者・戦争犯罪人”まであらゆるセンセーショナルな肩書きを背負ったセリーヌは、呪われた作家だ。
    だがその絶望と怒りの底には、声なき弱者への限りない慈しみが光る。
    そして哀しみとユーモアも。
    生来負債として負わされている死を、なしくずしに支払っていくしかないと謳う、狂憤の書にして愛に満ちた救いの書。

    [ 目次 ]
    <上>


    <下>


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 俺がなしくずしの死を読んだのは……そうだ…もう一年以上前……。だけどあの文体は…衝撃だった!!「……」…こいつがなけりゃ一冊で収まったんじゃないか?……わざわざ2冊にして…見栄はりやがって!でも「…」が……そう…沈黙がなきゃ……それはセリーヌじゃない…。いろんな沈黙がある…。怒り…悲しみ…喜び…陳腐な言葉だ!……だが無数にある沈黙の中で一番強烈な沈黙は…たぶん死体の沈黙だろう……
    セリーヌはそれを書いた…いや…書きたかったはずだ……その沈黙が何を意味しているのかを……。
    だからこの小説は…死体だらけの小説と言っていい。最後に主人公は物資の中で窒息しそうになっていく。それはどんどん有機物である我々が無機物たる死者に近づくことに他ならない。
    この小説は「語る/生きる」ことを「沈黙する/死ぬ」側から書いた小説なんだと思う。

  • ポール・オースター『空腹の技法』より

  • 86

    IN 08/08/22
    out 08/09/06

  • これもオマケで入れちゃえ。

  • ぼんやりとしか覚えていないけど、『あることないこと』ぶちこんだ、錯乱の次元が展開される。

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