見えない都市 (河出文庫)

制作 : Italo Calvino  米川 良夫 
  • 河出書房新社
3.69
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本棚登録 : 739
レビュー : 78
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309462295

感想・レビュー・書評

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  • マルコ・ポーロがフビライ・ハンに様々な都市の情景を語って聞かすのが大筋なのだけれど、街のアイデアが多彩で飽きない。実際にありそうな街から、完全にファンタジーな街まで。ちょっと現代都市への皮肉も感じつつも、純なファンタジーとして読めた。
    ショールームのように次々と展開されていく街並みは、どこか一つでも住みたいところがあるはず。

  • 経験すれど言葉にならない風景がある様に、言葉に表せども経験できない風景もまた存在する。フビライ・汗にマルコ・ポーロが語り聞かせる架空の都市はどれも奇妙かつ不可思議なものばかりだが、何も言葉通り受け取ろうと肩肘張る必要はない。マルコが言う通り、物語を支配するのは文字ではなくあなたの眼差しなのだから。ここに記された55の都市の風景は読み手によって伸縮し、その解釈の数だけ増殖する。間に挟まれる2人の会話は禅問答の様だが、全てが滅び行く現実の中でもなお留まろうとするものを肯定する着地点はニヒリズムを越えて行く。

  • 空想の町に関するお話。文体が古く、話が結構突飛。

  • 2013/10/21購入
    2014/3/10読了

  • 購入

  • 8/17 読了。
    再読。

  • 都市に纏わる概念の、絵のない絵本と言ったところでしょうか。
    そこに物語はなく、あるのは都市の描写のみです。

    所々これはと思う個所はあるのですが、
    (都市と死者の部分は概して良かったです)
    総体として読み通すのは、個人的にはやや退屈でした。
    詞的な要素はあるんですけど、
    歌舞伎の口上のような長々と続く文体がひっかかり、
    いまいち言葉の世界にも没入できなかったもので。

    細部にわたり練られているのは確かですし、
    好きな人は好きそうではあると思います。

  • マルコポーロが主人公の、都市語り。何回も読んでる。町の説明してるだけなんだけど。おもしろいいいいい。短編は読みやすいなー。

  • おもしろいです。
    いい具合に情報を与えてから突き放してくれるので、文章からいろいろと想像して楽しむのが好きな人向けだと思います。

  • 「東方見聞録」をベースにした幻想小説。元の皇帝フビライにマルコ・ポーロが世界の都市の有様を語るという体裁で、フビライとマルコ・ポーロの対話をはさみつつ様々な都市が描写される。マルコ・ポーロが語る都市の姿は、実在する都市であり、記憶の中の都市であり、かつて過去に存在した都市であり、やがて未来に存在するであろう都市。あるいは、ひとつの都市の姿ではなく多くの都市の姿から帰納された都市であるかもしれないし、ある概念に基づいた演繹された都市、ある都市が別の都市へと反映された姿かもしれない。またマルコ・ポーロが語りフビライが聞くのであるが、その語りは常に一方向ではなくフビライからマルコ・ポーロへの働きかけも存在し、それがまたマルコ・ポーロの語る都市の姿に影響を与える。彼らが紡ぎだす都市の姿は常に一様ではないと同時にどれもが似通っている。語ること語られることから編み出される無限に増殖する都市の姿。
    「東方見聞録」に着想を得た作品と言えば楠見朋彦「マルコ・ポーロと私」もまた語り語られる関係からの無限の増殖を扱っている。そこではマルコ・ポーロの語りが受け手に無数の東方見聞録を生み出しそれがさらに無数のマルコ・ポーロを生み出すという無数の、そしてより開かれた連環を示す。楠見自身、創作にあたって「見えない都市」を参考にしたであろうことは容易に想像がつく。とするならば、「東方見聞録」→「見えない都市」→「マルコ・ポーロと私」という連続がここにも存在する。そうした連続はあらゆる創作に大なり小なり存在するわけで、創作とはすべてマルコ・ポーロの子孫だとも言っていい。

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著者プロフィール

1923年キューバ生まれ。両親とともにイタリアに戻り、トリノ大学農学部に入学。43年、反ファシズム運動に参加、パルチザンとなる。47年、その体験を元に長篇『くもの巣の小道』を発表、ネオ・リアリズモ文学の傑作と称される。その前後から雑誌・機関誌に短篇を執筆し、49年短篇集『最後に鴉がやってくる』を刊行。エイナウディ社で編集に携わりつつ作品を発表、一作ごとに主題と方法を変えながら現代イタリア文学の最前線に立ち続ける。主な長篇に『まっぷたつの子爵』(52年)『木のぼり男爵』(57年)『不在の騎士』(59年)『見えない都市』(72年)『冬の夜ひとりの旅人が』(79年)などがある。85年没。

「2018年 『最後に鴉がやってくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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