裸のランチ (河出文庫)

  • 河出書房新社
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感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309462318

感想・レビュー・書評

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  • 高熱の時に見る支離滅裂な夢のような作品。その一瞬一瞬を味わえるので、途中で読むのを辞めても、はたまた途中から読んでも大丈夫だ。技法や作者の生い立ちを踏まえると、さらに深みが増す。

  • 画期的な文体だけど、素敵だとは思えない。

  • ウィリアム・バロウズの名前は、中島らもの「今夜すべてのバーで」で知った。
    ドラッグに溺れ、妻をウイリアム・テルごっこで殺してしまい、モロッコのタンジールで薬漬けの生活をしながら代表作「裸のランチ」を書いた作家である。バロウズ自信は本作を書いていた時のことをほとんど覚えていないと語ったという。
    驚くべきことに、最終的にバロウズはドラッグを克服し83歳まで生きた。

    通読したが、正直に言って全体像はもちろん個別のエピソードすら理解しにくい作品だった。
    ときおり
    「若い連中だけが何かをもたらすが、彼らが若いのもあまり長い時間ではない」
    というはっとするような言葉があるのだが、2つか3つ以上の文章がまとまるとイメージがぼやけてしまい、自分が本のどこにいるのかが分からなくなってしまう。
    おそらく再読することはないと思う。

  • 昔、映画を見た後にハードカバーで一度読んでいるのだが、全然内容を覚えていなかった。よくこんなの映画にできたなという感想は覚えていたが。
    今、文庫本を読み終えての感想は、よくこんなの本の体裁にできたな、である。ビートニクスは知らないけど蛮勇をもってなるものか。

  • ビートニク関連で読んだことが自体が誇らしかった本(苦笑)意味はさっぱり。カットアップ技法というものだけ分かりました。バロウズさんはジャンキーもおすすめ。

  • 興味を惹かれながら自分にはなかなか分からなかったビートニク文学の世界だが、近年ボブ・ディランをよく聴くようになり、その影響力の大きさをようやく最近知ることが出来た。で本書だが、そうした麻薬依存症たちの生活が気色の悪い幻覚の様な(即興的な)アイディアでぶつぎりの断片的なエピソードが語られる話で正直一読では何やらよく分からない。しかし重ねられるスラングや性的だったり生理的嫌悪感をかきたてられたりする描写の数々は現代でも刺激的で、当時としては全く新しい文体であったことは言うまでもなく、脳の新たな部分を切り開く様な衝撃的なものだったに違いない。一般的には相当神経に応える様なイメージが続くので、ぬるい当ブログ主などは終盤読むのがちょっとキツイいところも無くは無かったが、特に新しいものに目がない中学生なんかは相当ハマるんではないかと想像できる。
     ビートニクの若者たちは旧来のアメリカの中流階級の保守的な価値観に反旗を翻したのだが、そうした若者たちが自らを表現するために無数の試行錯誤の結果勝ち得たのがビートニクの文学であったのだろう。そしてそれは今でも彼らの下の世代、若者たちに直接間接に影響を与え続けているのではないか。

  • 安心な学生がトブための本。


  • かなり昔に読んだ感想

    イメージの奔流
    どぎつい

    ちょうどその頃はちょっとどぎついのが本物、みたいに思ってたこともあってとても面白く読めた
    今は多分読めないかも

    アメリカは自由の国と思っていたけど、これの最後の方に管理社会としてのアメリカが見えてきて、思ってたような民主主義の理想の国でもないんだなー、と
    住んでいる国の数だけ色々はたからは見えない問題はあるものだ、と

    かなり前の話、2013年にスノーデンがアメリカ政府を告発してロシア亡命した時、この話読んでたのでさもありなん、と思ってしまった

    クローネンバーグにより映画化されてましたが
    この話にはないバロウズ自身のプライベートの奥さんのこと(酔っ払ってのウィリアムテルごっこで射殺)が描かれていて、それはさすがにやりすぎでは?と思ってしまった

    原作のどぎつさを上品に加工した綺麗な映画ではあったんだけれども

  • らしい意味のわからなさ!キマっていないと同調できないのかも

  • なかなか読み進めるのに苦労したけど、学生時代に一度挫折しているので今回こそはと何とか読み切った。「文脈」という概念を逸脱した文章を読み続けるのは自分にとって結構キツかった。しかも内容はエロ・暴力・排泄まみれ。補遺や解説まで読んでやっとその文学的な価値や評価について多少なりと腹落ちできた気がする。現前の現象を切り取り集積するという手法の媒体が「言葉」であるから、バロウズは「文学者」とされているけど、その手法や発想自体は芸術者に近いと思った。解説ではシュルレアリスム絵画に例えられていたが、それも深く頷ける。

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