柔かい月 (河出文庫)

制作 : Italo Calvino  脇 功 
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 325
レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309462325

感想・レビュー・書評

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  • 変幻自在な語り部Qfwfq氏。あるときは地球の起源の目撃者となり、あるときは生物の進化過程の生殖細胞となって、宇宙史と生命史の途方もなく奇想天外な物語を繰り広げる。現代イタリア文学界を代表する作家が、伝統的な小説技法を打ち破り、自由奔放に想像の翼をはばたかせて描いた連作短編集。幻想と科学的認識とが、高密度で結晶した傑作。

  • 急いで読んだら意味不明になりかけた。
    これ、表層の内側をわざと綴ってるけど、表層の日常生活verも読んでみたい。

  • 2008年10月16日~21日。
    「見えない都市」よりもずっととっつきやすかった。
     それでも途中、辛い箇所もあった。
    「柔らかい月」と「追跡」はスバ抜けて面白かった。

  • 変幻自在な語り部Qfwfq氏。あるときは地球の起源の目撃者となり、あるときは生物の進化過程の生殖細胞となって、宇宙史と生命史の途方もなく奇想天外な物語を繰り広げる。現代イタリア文学界を代表する作家が、伝統的な小説技法を打ち破り、自由奔放に想像の翼をはばたかせて描いた連作短編集。幻想と科学的認識とが、高密度で結晶した傑作。

  • Qfwfq氏が主人公のSF連作短編集。「レ・コスミコミケ」の続編。

  • 第一部は『柔らかい月』『結晶』が好きです。多分、そのあたりの方面の勉強をしていたからでしょうか。知らなくても美しさだけは解る。『鳥の起源』は手塚漫画で再生された。これは記述法による部分が大きいだろう。
    第二部はイメージの奔流に飲まれて読んだ。この手の知識が無いのも要因だけれど。まるで「君」と「僕」のような語り口でとんでもなく変な事を描いているなと。第一部よりその深化は進む。最近の国内だと舞城王太郎か円城塔を想起するのは僕の読書量がすくない所為か。
    第三部ティ・ゼロ『ティ・ゼロ』が愉しくて仕方ない。なんとなく実家に帰ってきた感じでほっとする。ぐっと読みやすくなった。つまるところ知識のバックグラウンドの所為だ。再度書くことになったが、ここまででも心から愉しめたのは『柔かい月』『結晶』なので、基本的にバックグラウンドを共有できるとより愉しめるのだと思う。『追跡』『夜の運転者』などは描写の偏執的加減が「中二階」を彷彿とさせ、また『南部高速道路』を思い出したりする。そこに科学的な視点(ただし、科学的に考察しているのではなく、科学的なものからの視点という試みであるが)が顕著なので読書感はまたちがったものである。基本、詩を読むような軽さがあるのでそれがこの書の美点だと思う。

  • 妄想している人の頭の中をそのまま覗き見てしまったような、なんとも不思議な短編集。表題作、かなり夢中で読みました!しかし、さらに深〜い妄想が続くので、読み終わるにはかなりの忍耐力が必要です(苦笑)

  • 『レ・コスミコミケ』の続編とも言われるカルヴィーノ 1967年の作品。コスミコミケでは宇宙創成から地球造成、生物誕生を客観した Qfwfq 氏が引き続き地球の歴史を語る第一部、DNA とその分裂、有性生殖を語る第二部、そして想像が時空を越えていく第三部からなる。「小説」の対象が宇宙物理学から分子生物学へ、そして再び超紐理論を思わせる宇宙物理へと飛躍する様は圧巻を通り越して茫然の一言。しかし、訳の問題か、コスミコミケの魅力の一つであった Qfwfq 氏のユニークな語り口調は失なわれている。

  • きっと、このような文学/小説のかたちをとる必要がない。不毛で、「見えない都市」を書いた作家には思えない。初期の模索の熱量だけが唯一の救い。

  • 短編1話1話別個に読んでもおもしろいし、1冊の本としてみても第一部の広範な時間空間から第三部ティ・ゼロ1点に収束して小説を書くことについて語る最終話への流れがおもしろい。「レ・コスミコミケ」の続編として、第一部で語り手を引き継ぎ文字通り軽い語り口も引き継いだような表題作「柔かい月」に始まって、最後の「モンテ・クリスト伯爵」でまた「渦を巻く」という短編の並びの対応も。貝が自身の殻を構成していくことの意味が複層的に広がっていくのが…

  • まさかのQfwfqは語るパート2。しかし前作『レ・コスミコスケ』とは違い彼の名前が登場するのは第二部の頭まで。細胞分裂を愛の歴史として語るこの章も興味深いが、やはり本懐は原題にもなっている第三部「ティ・ゼロ」だろう。ここではどの話もある瞬間を捕え、その一点において語り得るもの全てを語りきろうとする偏執病的な語りが展開されていき、それはデュマの名作を換骨奪胎した最後に書かれ得るものそのものへの語りへと到達する。読み進める程に深く、より複雑な迷路に分け入ってる様な感覚がたまらない。でもそれは確かに前進なのだ。

  • 8/16 読了。

  •  図書館から借りました


     SF。短編集。

     表題は4部作の一つ。「クフウフク氏」という語り部が「月」が地球に来た日を語る。
     柔らかい月が固い地球にやってくる。
     気持ちのいい柔らかさではなく、月は緑色の腫瘍のようなぶよぶよ。
     その脂肪質のような、葉緑素な柔らかいものが地球に降り注ぎ、地球の固いものは月に奪われてしまう。

     「結晶」は地球がゆっくりと冷え固まった世界へのあこがれと妄想。
     純度の高い結晶が生えていく世界が美しい。


     後半のは現代ものっぽいのだが。
     まるで、数学や理科の例題のような話で。
     くるぞくるぞ、と思ったらきた。

    「夜の運転」
     彼女のもとへ車で向かう私。(ベクトルは→
     彼女に呼び出された恋敵。 (ベクトルは→
     喧嘩を悔いて私のもとへ向かう彼女。(ベクトルは←

     高速道路上ですれ違う、追い抜かれる、引き返す。
     等々の思考実験なのだよ、この話は。
     ひたすらに理屈っぽい。


     読みやすいのは「クフウフク氏」の四部。他は眠くなります。まるで授業のよう。

  • いやーわからない、わからないんだけどそのわからなかさがイヤじゃない。初めての感覚

  • 難解・・・・。

  • ぶっこわれているけど整然としている、ということを考える。整然としているふりをして完全にぶっこわれているのかもしれない。映画化は(お金かかるだろうから)無理。でも、映像で見てみたい。この本の世界。一見すると普通の、でもちょっと不審な書き出しから、朗々と語られるどう考えても頭おかしいんじゃないのかと思う理路を説明する中盤を経て、オチ、と簡単に言ってしまうのは忍びない最後の文章へと続いていく、それぞれの章のつくりの崩壊しているけど完璧なつくりには唖然とするほかない。こんなのは書けない。

  • 2010年立秋、しかしあまりに暑くて月もとろけそう、という連想で、今宵はこれを。連作短編集。科学的な言葉によって綴られる、寓話?幻想?こういう世界も好きです。

  •  途中で挫折したくせに、不意にカルヴィーノ独特の語り口や世界観が恋しくなって手に取った。
     苦戦した前回と違って、今度はすんなりと心地良く読めた。そして、いい本だとも思えた。どうしてだろう。

     いくつもの短編から成るこの本はどんな話なのかを伝えるのが難しい。
     第一部、第二部、第三部、と分けられ、すべてQfwfq氏が物語を語る構成ではあるがそれぞれテーマは異なる。
     
     第三部の「ティ・ゼロ」「追跡」「夜の運転者」は空間と時間と存在について書かれていて、私もよく考えることだったのでとても読みやすかった。
     たぶん一般的にも第三部が最も分かりやすいんじゃないかと思う。最初は第一部と第二部に苦戦したのだが、二回目ともなるとずぶりとカルヴィーノの世界に入ってしまえばいいのだということが分かっているから、何も考えずにその不思議な世界を楽しむことができた。こういう気分にさせてくれる本はなかなかない。カルヴィーノが「小説の魔術師」と呼ばれるのがわかる。カルヴィーノの世界の捉え方というのは、好きな人にはたまらないと思う。

  • レ・コスミコミケに比べ、文章が難解になった?訳者の違いからかなあ…前作の方が好き。

  • 今のところ、何だかよくわからない。
    わからないまま読み続けて、難解だということがわかった。
    気持ちのよい難解さ。
    途中から恋愛小説?って思ったりもしたんだけど、どうやらSFに分類されるようだ。
    奇想天外すぎる。

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著者プロフィール

1923年キューバ生まれ。両親とともにイタリアに戻り、トリノ大学農学部に入学。43年、反ファシズム運動に参加、パルチザンとなる。47年、その体験を元に長篇『くもの巣の小道』を発表、ネオ・リアリズモ文学の傑作と称される。その前後から雑誌・機関誌に短篇を執筆し、49年短篇集『最後に鴉がやってくる』を刊行。エイナウディ社で編集に携わりつつ作品を発表、一作ごとに主題と方法を変えながら現代イタリア文学の最前線に立ち続ける。主な長篇に『まっぷたつの子爵』(52年)『木のぼり男爵』(57年)『不在の騎士』(59年)『見えない都市』(72年)『冬の夜ひとりの旅人が』(79年)などがある。85年没。

「2018年 『最後に鴉がやってくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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