宿命の交わる城 (河出文庫)

制作 : 河島 英昭 
  • 河出書房新社
3.60
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本棚登録 : 194
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309462387

感想・レビュー・書評

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  •  同作家の『柔らかい月』に苦戦していた最中、友達からカルヴィーノなら『宿命の交わる城』が読みやすくておもしろいと聞いたので読んでみることにした。

     同じ人が書いているから勿論基本的には同じような語り口なのだが、別の作家のようにも感じられる本だった。
     それに何より物語の作り方にびっくりした。まるで初めて訪れる異国の地で見たこともない美しい風景を目にした時のような感覚を覚えた。目から鱗というのだろうか、心の膜がぺろりと一枚剥がれたような気分がした。
     話はタロットを使って構成される。声ではなく指し示すカードの図柄で語り、そのカードは別の人の話とも交錯してまた別の意味合いで語られる。連なるカード、繋がる物語。もうそれは凄いとしか言いようがない。
     そんな話だからややこしいし真剣に集中して読まないとまるでさっぱりついていけなくなるのだけど、新鮮でとても面白い。
     描かれているタロットの絵もいい。私はしょっちゅう版画をやりたくなるのだが、またしても版画をやりたくなってしまった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「見たこともない美しい風景を目にした時のような」
      クラシックな文体と簡単に言ってしまってはいけないのでしょうが、ベールが掛かって見え難くなっ...
      「見たこともない美しい風景を目にした時のような」
      クラシックな文体と簡単に言ってしまってはいけないのでしょうが、ベールが掛かって見え難くなってる向こう側を凝視するように読みました(そんな風に記憶されているけど、今読んだら違うかも)。。。
      2013/07/09
  • 2004-01-00

  • タロットカードをお題代わりに物語を紡いでいくという発想、ありそうでなかったので面白い。タロットカードのイラストもちゃんと挿入されてるので親切。

    タロット占いも基本は、カードの意味、それをどう対象者と絡めて読み解くかみたいな、一種のストーリーテリング能力が占い師には必要とされると思うので、まるで占い自体をパロディ化してるみたいなのも個人的には面白かった。

    カードをめくり、そこからどうストーリーを発展させるかは、想像力次第。芝居の稽古でよくやるエチュード(即興)にも通じるものがあるかも。出るカードによってどう転がるかわからない意外性、場合によっては若干無理があるこじつけっぽくもなるけれど、面白い「遊び」だと思う。作家志望なら練習方法になりそう。

  • 文学の魔術師、カルヴィーノが語る、タロットの札に秘められた宿命とは…?王、女王、騎士、兵士など、城にやってきた様々な人間たちの物語が、タロットの札を並べるがごとく紡ぎ出されていく。世界最古のタロットカードの中に、様々な人間の宿命を追求しつつ、古今東西の物語文学の原点を解読するカルヴィーノ文学の頂点。

  • 「タロット・カードの群れが浮きあがらせた絵物語、その意味を汲み取って、文字の世界へ再構築したもの」最後のカルヴィーノから読者へのメッセージも読み応えがあった。

  • 卓上に広げられたタロットをかき混ぜるいくつもの手。78枚の札から生み出される配列は有限だけれど、手にする者が代わればその解釈は無限。物言えぬ語り手たちは自身の辿ってきた道を、札を選ぶことで示そうとしている。
    でもここは、「宿命」が縦横無尽に交わる城だから、自分のものだと信じて疑わない過去は、魔術師によって周到に準備された物語でしかないのでは、と思い当たる。だとしたら、魔術師と私との邂逅も、札が描いた〈曼荼羅〉のどこかに隠されているのかもしれない。構成の複雑さに圧倒される出口なき迷宮の物語。面白かった。
    《2014.12.08》

  • [ 内容 ]
    文学の魔術師、カルヴィーノが語る、タロットの札に秘められた宿命とは…?
    王、女王、騎士、兵士など、城にやってきた様々な人間たちの物語が、タロットの札を並べるがごとく紡ぎ出されていく。
    世界最古のタロットカードの中に、様々な人間の宿命を追求しつつ、古今東西の物語文学の原点を解読するカルヴィーノ文学の頂点。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 8/13 読了。

  • 初カルヴィーノ。ちょいややこしかった。けど、なんかやめれなかった。

  • シェイクスピアReMix がおもしろス。

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著者プロフィール

1923年キューバ生まれ。両親とともにイタリアに戻り、トリノ大学農学部に入学。43年、反ファシズム運動に参加、パルチザンとなる。47年、その体験を元に長篇『くもの巣の小道』を発表、ネオ・リアリズモ文学の傑作と称される。その前後から雑誌・機関誌に短篇を執筆し、49年短篇集『最後に鴉がやってくる』を刊行。エイナウディ社で編集に携わりつつ作品を発表、一作ごとに主題と方法を変えながら現代イタリア文学の最前線に立ち続ける。主な長篇に『まっぷたつの子爵』(52年)『木のぼり男爵』(57年)『不在の騎士』(59年)『見えない都市』(72年)『冬の夜ひとりの旅人が』(79年)などがある。85年没。

「2018年 『最後に鴉がやってくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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