- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309462387
感想・レビュー・書評
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タロットカードの図柄から浮かび上がる旅人達の物語群。
作中で使用されているカードの全体数は決まっているが、図案解釈はいくらでも拡がるのだな…と感心する。
名前は失念したが、子供向けの玩具で振ったサイコロに描かれた図柄を元に話を作る…という物があったが、カードの中の細かなモチーフを拾い上げ点と線が繋がり、古典や伝説にまで至るのは圧巻
後書きにある現代版(新聞の切れ端からなる)宿命の交わる城も読んでみたかったな…とも思う詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2004-01-00
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タロットカードをお題代わりに物語を紡いでいくという発想、ありそうでなかったので面白い。タロットカードのイラストもちゃんと挿入されてるので親切。
タロット占いも基本は、カードの意味、それをどう対象者と絡めて読み解くかみたいな、一種のストーリーテリング能力が占い師には必要とされると思うので、まるで占い自体をパロディ化してるみたいなのも個人的には面白かった。
カードをめくり、そこからどうストーリーを発展させるかは、想像力次第。芝居の稽古でよくやるエチュード(即興)にも通じるものがあるかも。出るカードによってどう転がるかわからない意外性、場合によっては若干無理があるこじつけっぽくもなるけれど、面白い「遊び」だと思う。作家志望なら練習方法になりそう。 -
文学の魔術師、カルヴィーノが語る、タロットの札に秘められた宿命とは…?王、女王、騎士、兵士など、城にやってきた様々な人間たちの物語が、タロットの札を並べるがごとく紡ぎ出されていく。世界最古のタロットカードの中に、様々な人間の宿命を追求しつつ、古今東西の物語文学の原点を解読するカルヴィーノ文学の頂点。
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「タロット・カードの群れが浮きあがらせた絵物語、その意味を汲み取って、文字の世界へ再構築したもの」最後のカルヴィーノから読者へのメッセージも読み応えがあった。
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卓上に広げられたタロットをかき混ぜるいくつもの手。78枚の札から生み出される配列は有限だけれど、手にする者が代わればその解釈は無限。物言えぬ語り手たちは自身の辿ってきた道を、札を選ぶことで示そうとしている。
でもここは、「宿命」が縦横無尽に交わる城だから、自分のものだと信じて疑わない過去は、魔術師によって周到に準備された物語でしかないのでは、と思い当たる。だとしたら、魔術師と私との邂逅も、札が描いた〈曼荼羅〉のどこかに隠されているのかもしれない。構成の複雑さに圧倒される出口なき迷宮の物語。面白かった。
《2014.12.08》 -
8/13 読了。
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初カルヴィーノ。ちょいややこしかった。けど、なんかやめれなかった。