ニューヨーク・スケッチブック (河出文庫 ハ 1-1)

  • 河出書房新社
3.63
  • (8)
  • (11)
  • (8)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 105
感想 : 21
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309463209

作品紹介・あらすじ

「孤独と喪失に彩られた、見えない街」ニューヨークで生き、愛し、悩み、悲しんでいる人々。恋人との再会、友人との別れ、酒場のひととき…ごく普通の男女が織りなす日常の一瞬を絶妙な語り口で浮きぼりにした、三十幾通りの人生ドラマ。感動が胸にしみわたる、不朽の名短篇集。映画『幸福の黄色いハンカチ』原作を併録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 米作家ピート・ハミルさん死去 「幸福の黄色いハンカチ」原作者 | 共同通信
    https://this.kiji.is/663747866452149345?c=521027314131158113

    ニューヨーク・スケッチブック :ピート・ハミル,高見 浩|河出書房新社
    http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309463209/

  • 2019.5.18. くまもと一箱古本市にて購入。

  • おそらく60年代ニューヨークに行き交う市井の人々の人生の1シーンを哀歓を込めて描いた短編集。確か高倉健さんが亡くなった時に、幸せの黄色いハンカチを見て、それで原作も読んでみたいと思い手にとったのが最初。ずいぶん物語を膨らませたんだな、映画ではと思った。4年越しに読み終わった。さまざな章に顔を出す、ロバート・マロイの一連のストーリーが一番印象に残ったかな。13,14章からして、別れた女房に断られ、いまは人妻の昔付き合った女には断られ...と。/「あんたはな、おれの領分を侵したんだよ。小ざかしい顔をして、おれの世界に土足で踏みこんできたんだ」/「そこへ、あの膨大な書物が目に入ったんだ。いまから読みはじめても、たとえ一生かかったって、全部を読み切れるはずはないと思った。そのとき、女もそうじゃないか、と思ったんだ。一生かかったって、この世の全ての女を征服できるわけじゃない、とね」

  • 1980年代、ボブ・グリーンやアーウィン・ショーなど、ニューヨークを舞台にした短編集が流行り、よく読んだ。邦訳は、常盤新平、井上一馬。。。
    本書は、ブルックリン生まれの生粋のニューヨーカーにしてジャーナリストであるピート・ハミルによる、そうした作品の中の一冊である。1982年に邦訳版が発行されたものが、1986年に文庫化され、2009年に新装新版となった。
    タブロイド紙の一部に載った34篇にはいずれも題名もなく、著者は「ここにおさめた物語は単なるスケッチにすぎない」と語っているが、同時に「おもな主題は人生における危機の瞬間であり、愛とその不在であり、都会の孤独であり、忍びよる過去の重みである」と言うように、一篇一篇が、表現されていない背後の人生の奥行を暗示する、心に沁みるものである。
    久し振りにニューヨークを訪れ、前後して偶々『ティファニーで朝食を』を見たが、この作品は、ロンドンでもパリでも東京でもなく、様々な人々の人生が交差するニューヨークでこそ描き得たものなのではないかと感じた。
    文庫版には、『幸福の黄色いハンカチ』の原作も収められている。
    懐かしい一冊である。
    (2014年3月了)

  • こういうのが好きだ。全部読み終えたら折にふれてぱらぱら好きなページを開けて拾い読みできるように本屋さんに行って手元に置いておかねば。

  • 駅や病院の待合で読むのに最適。どこか哀しい人々、日常の断片。

  •  ニューヨーク、それもマンハッタンやブルックリンあたりで普通にありそうな恋の話、ダンスフロアの話・・・の短編集。ニューヨークに住んだことがあればきっとストリートの情景が目に浮かんでくる。ハミルはニューヨークポストの記者だったから、いつも記事を探して、ストリートを歩いていたんだろうな〜と想像する。
     「幸福の黄色いハンカチ」、たった6ページで泣いてしまったのだから、むしろ自分自身にびっくり。

  • フィッツジェラルドのような都会の孤独と喪失。歳を重ねる度に読み返したくなる短編集。山田洋次の『幸福の黄色いハンカチ』の原作がこのたった6ページの短篇やとは知らなんだ。

  • 図書館でお正月に読む本を探していて目に付いて借りた本。
    ニューヨークを舞台にした短編恋愛小説。
    1930年代のニューヨークが舞台なので、その頃のアメリカの状況、アメリカ人のトレンドなどがよくわかっておもしろかった。
    山田洋次監督の、「幸福の黄色いハンカチ」の原作が入っていて、あの映画がアメリカの短編を原作にしていたことを初めて知った。
    原作の短編を読みながら、あの映画の最後のシーンが頭の中によみがえってきて目頭が熱くなってしまった。

  •  一話がすごく短い。長くて8ページ、短いと4ページしかない。でもそれぞれが味わい深話の連続です。浦沢直樹の「パイナップルアーミー」とかにありそうな感じがします。
     「幸福の黄色いハンカチ」の原案の収録されていて、これも元はほんの短い話でした。

全21件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1935年ブルックリン生まれ。ジャーナリスト、コラムニスト、作家。ニューヨーク・ポスト記者ののち同紙とニューヨーク・デイリーニューズ紙の編集長になる。著書に『愛しい女』『マンハッタン・ブルース』他。

「2021年 『ニューヨーク・スケッチブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ピート・ハミルの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×